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クズとブスとゲス

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(2015年/日本 141分)
監督・脚本/奥田庸介 プロデューサー/奥田大介、小林岳、福田彩乃 編集/小野寺拓也 録音/根本飛鳥、井手翔平、伊豆田康明 照明/松永光明、吉永良芽生、山崎賢児 美術/武田明子、須藤彰 編集/小野寺拓也
出演/奥田庸介、板橋駿谷、岩田恵里、大西能彰、カトウシンスケ、芦川誠、泉水美和子、中上サツキ、脇田敏博、竹井直道、片倉わき、小柳美李、亀山スーザン久美子、小橋正佳、山崎皓司、飯田芳、栗山英宜

概要とあらすじ
自主制作映画「青春墓場」3部作が高く評価され、「東京プレイボーイクラブ」で商業映画デビューを飾った奥田庸介監督が、社会適応力ゼロな人間たちが繰り広げる血と暴力と涙の物語を、自ら主演を務めて描いた。見知らぬ女性を拉致監禁し、裸の写真をネタにゆすりで生計を立てるスキンヘッドの男。男はヤクザの下で働く商売女を毒牙にかけてしまい、逆にヤクザから恐喝されるハメになる。麻薬の売人から足を洗いながらも職が見つからず、恋人の誕生日プレゼントを買う金ほしさに、また売人の道へ足を踏み入れるリーゼントの男。男からのプレゼントに恋人は喜ぶが、それが売人で得た金と知り大喧嘩となる。1人バーで心の傷を癒す女にスキンヘッドの男が近づき、いつものように女を罠にかけ、女は金のためにデリヘル嬢として客を取るようになる。(映画.comより



クズでブスでゲス

クラウドファウンディングを利用してつくられた
『クズとブスとゲス』
残念ながら奥田庸介監督の過去作は観たことがないのですが、
若くして商業映画デビューを飾った監督が
再び自主制作へと回帰したのは
自分が好きなように映画を作りたいという思いが
あったからでしょうか。
とてもスマートとはいえないタイトルから
種類の異なる3人のダメ人間の物語かと思いきや、
登場するダメ人間は3人というわけでもなく、
明確に3種類の人間に分類されているわけでもありません。
むしろ、登場人物のほぼ全員が
「クズでブスでゲス」といった感じ。


スキンヘッドで鼻ピアスの男(奥田庸介)
飲み屋で引っかけた女性に薬を飲ませ、
昏睡した状態で撮影した裸の写真をネタにして強請るという
どうしようもない完璧なクズ。
監督自身が演じるこの男(というか監督)の顔は
本当に陰湿で気色の悪いブス。
普通の女性なら
声をかけられただけで逃げ出したくなる容貌なのですが、
ま、どういうわけか女性たちは罠にはまるのですね。
スキンヘッドの住む家はゴミ屋敷で
同居する母親はほぼアル中。
ていうか、デカいツラして悪さばっかりやってるやつが
母親と一緒に実家住まいというところに
スキンヘッドの幼稚さが表れています。

リーゼントの男(板橋駿谷)
昭和のマンガから飛び出してきたような
古式ゆかしき純真な不良。
これまた完璧なクズでバカなのですが、
直情的な頭の悪さが愛らしいのです。
半同棲中の恋人(岩田恵里)
このリーゼントを愛しているのは
DV男と別れられない女性にみられる不幸な共依存ではなく、
この男の愛すべきところを
最大限に評価しているからなんだろうなと思います。

基本的には、スキンヘッドとリーゼントが
主役級なんでしょうが、
脇を固めるバーテンやガンジャ(大麻)愛好家の男、
風俗店を営むヤクザ(芦川誠)など
登場する人物はみな一様に金に困っている
「クズでブスでゲス」。
バーテンには、口うるさい妊娠中の妻がいて、
ヤクザは、意思疎通が困難な息子に手を焼いています。
人にはそれぞれ事情があると言いたげなサブプロットですが、
目先の収入につられて大麻の売買に手を出すバーテンはともかく、
ヤクザが息子との関係に悩む設定は
さほど効果的に作用していたとは思えませんでした。

それでも十分に惹き付けられる魅力を感じていたのですが、
終盤に近づくにつれ、話運びが乱暴になっていった気がします。
リーゼントが大麻の売買に手を出したことを知った
リーゼントの恋人がひとりで飲んでいると
スキンヘッドにつかまり、「いいから、飲め!」と
強引によくわからない薬を飲まされ、
そして裸の写真を撮られ、
それを理由に強請られて売春を始める……という流れは
かなり強引といわざるを得ません。

ビール瓶で自分の頭をかち割ったスキンヘッド
無理矢理薬を飲ませるくだりで
バーの店員がまったく関与しないのは不自然すぎるし、
リーゼントの恋人は、
裸の写真のばらまかれるのが怖いのかもしれないが、
すぐに警察に訴えれば事なきを得るような気がします。
そもそもリーゼントの恋人は職場のつきあいもなく、
ビルの屋上で隠れるように昼食を食べ、
世間一般の価値観に疎外感を感じているはずで、
(だからこそリーゼントを受け入れられるわけで)
裸の写真をばらまかれても
さほどダメージは大きくないでしょう。
そりゃまあ、嫌なのは嫌でしょうが、
不本意な売春を続けなければならないほど
彼女にとって決定的な急所ではないと思うのですが。

当然、恋人の状況を把握したリーゼントは
スキンヘッドを襲います。
しかし、そこにヤクザが現れて
ふたりとも拉致されることに。
スキンヘッドはボコボコにされるのですが、
隙をみてリーゼントが手錠が繋がっていたパイプを外し、
スキンヘッドは見張りの連中に反撃する……のですが、
リーゼントとスキンヘッドが共闘する理由が
よくわかりません。

リーゼントがスキンヘッドに同情する余地は
ほぼないはずなのですが。

とはいいながら、
アクションでは本当に殴り合い、本当に流血している本作に
監督の熱情(≒劣情)がみなぎっていることは
間違いありません。
ま、本当に殴り合うことが
映画の「本気度」を証明するかどうか定かはともかく、
見応え十分な作品です。





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