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ウィッカーマン

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(原題:The Wicker Man 1973年/イギリス 88分)
監督/ロビン・ハーディ 脚本/アンソニー・シェイファー 製作/ピーター・スネル 撮影/ハリー・ワックスマン 美術/シューマス・フラネリー 音楽/ポール・ジョバンニ 編集/エリック・ボイド・パーキンス 衣装/デザイン スー・イェランド
出演/エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー、ダイアン・シレント、ブリット・エクランド、イングリッド・ピット、リンゼイ・ケンプ、オールド・ガーデナー、オーブリー・モリス、イレーヌ・サンタース

概要とあらすじ
原始宗教息づくスコットランドの離れ小島を舞台に、行方不明となった少女捜索に訪れた中年警部と、奇妙な島民の姿を描いた異色ホラー。権利の問題などから様々な長さのヴァージョンが存在したカルト映画の日本劇場初公開(ビデオはすでに廃版。今回の公開はイギリスでの初公開時と同じ88分ヴァージョン)。ケルト人の民族学的風習に裏打ちされた怪しくもどこかのどかな物語をミステリー、ホラー、ポルノ、ミュージカルなど様々な要素を混じえて描く。全編を彩るフォークソングも聴きどころ。ハウイー警部(エドワード・ウッドワード)は行方不明の少女ローワンを捜しにスコットランドの孤島サマーアイル島にやって来た。夕方から酔っ払いが猥歌を大声で唄い、海岸では大勢の若者たちが乱交パーティー、その上、宿の娘ウィロー(ブリット・エクランド)は警部を誘惑、敬虔なクリスチャンである彼は煩悶の極致。ここではの島民たちの間で大地豊穰と男根崇拝が基本の原始宗教が信仰され、生活の隅々までに染み渡っているのだ。(映画.comより抜粋



由緒正しき(?)「村映画」

カルト映画として名高い
『ウィッカーマン』
実在する奇祭をモデルにした
由緒正しき(?)「村映画」です。
いや、「島映画」か?

行方不明の少女を探して欲しいという
一通の手紙を受け取った
イギリスのハウイー警部(エドワード・ウッドワード)
捜査のため、ひとりセスナを操縦して
スコットランドの孤島サマーアイル島にやってきたのでした。
港に着くやいなや、わらわらと集まってきた島民たちは
はなからハウイー警部の捜査に非協力的で
少女の写真を見せても、こんなコは見たことがないと
あきらかにすっとぼけているようす。

かなり唐突な始まり方ですが、
じつはアメリカ公開の際に
上映時間短縮のため、配給会社によって編集され、
ハウイー警部が島へと向かうまでの導入部が
ばっさりとカットされた
とのこと。
島民が口を揃えて「領主さまの許可が」というわりに
領主さまであるサマーアイル卿(クリストファー・リー)
なかなか登場しないのも
配給会社による編集のせいなんだとか。
しかも、のちに完全版を編集しようとするものの、
オリジナルのネガフィルムが誤って廃棄されていたという
いわくつきの作品なのです。
(かのロジャー・コーマンが奇跡的にネガを所有していて
 のちに99分バージョンがつくられた)
しかし、いまとなっては
制作者の意図を無視して無理矢理編集されたことが
カルト化する不思議な魅力を
作品にもたらしたような気がします。
ちなみにアメリカで上映されたときは
『赤い影』との2本立てだったとか。

あっけなく手紙の差出人の家にたどり着くも
差出人本人がそんな娘知りませんという始末。
厳格な性格のハウイー警部は敬虔なクリスチャンで、
婚約者はいるが結婚するまでは童貞を貫く構えですが、
そんな彼を嘲笑うかのように
(いや、実際嘲笑っているのですが)
この島の島民たちは性的に奔放で
下ネタソングを合唱するし、そこら中で青姦してるし、
学校の授業では男根崇拝を教えている
し、
宿屋の娘はハウイー警部が眠る隣の部屋で
全裸で踊りながら壁を叩いて誘惑してくるのです。
思いの外誘惑に弱いハウイー警部でしたが、
ギリッギリでわき上がる性欲を押さえ込むのでした。

とにかく島民たちは終始すっとぼけているものの、
ハウイー警部の懸命な(?)聞き込み捜査によって
学校の名簿に行方不明の少女の名前が記載されていて
なんと少女の墓まであるのでした。
掘り起こした棺桶のなかにはウサギの死体が。
ハウイー警部、もてあそばれっぱなしなのです。

イギリス本土に戻って応援を要請しようとするものの、
セスナ故障のため(もちろん島民の仕業)
島に留まるほかないハウイー警部。
それは奇しくも豊作を祈る祭の日だったのです。
ハウイー警部はイカれた島の秘密を探るため、
道化の扮装で身を隠して祭に加わり、
とうとう行方不明の少女を発見したまではよかったものの、
警部の腕をするりと抜けて
サマーアイル卿のもとへと駆ける少女。
「祭の日の王=道化」「法律を司るもの=警察官」
そして「童貞」というすべての条件を満たすハウイー警部は
最初から豊作祈願のために
神に捧げるのに最適ないけにえとして
この島におびき寄せられたのでした。
(童貞に価値があるとは思えないが)

そして生け贄を神に捧げるための
ハリボテ=ウィッカーマンの内部に
捕らえられるハウイー警部。
ウィッカーマンはその巨大さと不気味な造形が圧倒的です。
ハウイー警部の訴えむなしく火が放たれると、
ウィッカーマンは夕日と共に激しく燃え上がるのでした。

……という、恐怖の「村映画」なんですが、
闖入者たるハウイー警部が
ほとんど反撃や抵抗をみせることなく、
ただただ最悪な状況へと追い込まれて
そのまんま終わってしまう
のです。

敬虔なクリスチャンであるハウイー警部が
この島独自の宗教を汚らわしい異端だと憤慨すればするほど
むしろキリスト教のほうが
この島の島民にとっては異端であることが際立ち、
騙されて生け贄にされるだけでも気の毒なのに、
人格と宗教観まで全否定される
という
まったく救いのない絶望的な作品です。





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