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ロスト・エモーション

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(原題:Equals 2015年/アメリカ 102分)
監督/ドレイク・ドレマス 製作/マイケル・シェイファー、アン・ロアク、ジェイ・スターン、チップ・ディギンス 製作総指揮/リドリー・スコット、ラッセル・レビン、イ・ジェウ 原案/ドレイク・ドレマス 脚本/ネイサン・パーカー 撮影/ジョン・ガレセリアン 美術/ケイティ・バイロン 衣装/アビー・オサリバン、アラナ・モースヘッド 編集/ジョナサン・アルバーツ 音楽/サッシャ・リング、ダスティン・オハローラン
出演/ニコラス・ホルト、クリステン・スチュワート、ガイ・ピアース、ジャッキー・ウィーバー

概要とあらすじ
リドリー・スコット製作総指揮の下、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルトと「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワートが共演したSFサスペンス。世界戦争によって地上の99.6%が破壊された近未来。滅亡の危機に瀕した人類は、遺伝子操作を施した感情のない人間の共同体「イコールズ」をつくった。そこで暮らす人々は保健安全局の監視下に置かれ、愛情や欲望といった感情が生まれると、「発症」したとして隔離施設へ送られ、安楽死させられる運命にあった。そんな環境下で、感情を「発症」してしまったサイラスとニアは、外の世界への脱出を決意する。日本でもロケを敢行し、世界的建築家・安藤忠雄の建築物で近未来都市の世界観をリアルに再現した。監督は「今日、キミに会えたら」のドレイク・ドレマス。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品。(映画.comより



ディストピアの純愛

TBSラジオ「ウイークエンド・シャッフル」のなかで
スクリプト・ドクターの三宅隆太氏
2017年のベストテンに挙げられていたので
観てみましたよ〜の『ロスト・エモーション』

「未体験ゾーンの映画たち」で上映されたということは
ま、こう言っちゃなんだが、
大々的に公開されたわけではない作品ですが、
製作総指揮がリドリー・スコットで、
主演がわれらがニュークスことニコラス・ホルト。

ほかにも名だたる俳優が出演していて、
なかなか大作感があります。
監督のことは、よう知らんが。

世界中の陸地がほぼほぼ破壊された近未来。
そんな世界戦争を巻き起こしたのは
人間に感情があったせいだー! 
だから、感情を持たない人間ばかりにするのじゃー!
というディストピアものです。
面白いのは、無菌状態の管理社会を表現するために
選ばれたロケ地が「美しい国」、日本。
安藤忠雄の手による長岡造形大学が主な舞台となっております。
(ほかにはマレーシアも)
タルコフスキーの『惑星ソラリス』で登場した
東京は首都高速の無機質な近未来感を
思い出さずにはいられません。

感情を持たない人々が
白ずくめの格好で集団生活を送っているというのは
わりとステレオタイプな管理社会のイメージではあります。
大きなタッチパネル型のモニターを使って
なにやら宇宙に関する雑誌づくりをしている登場人物たちが
具体的にどういう仕事をしているのかは
よくわかりません。
遺伝子を操作して感情を排除したというわりに、
時折むくむくと「発症」と呼ばれる感情を芽生えさせるものが現れ、
そのものたちは処罰され、安楽死させられるのです。
そんな保健安全局で暮らすサイラス(ニコラス・ホルト)
いつしかニア(クリステン・スチュワート)に惹かれ、
ふたりは愛を交わすようになるのでした。

保健安全局は、
ものすごく管理された施設のように思われるものの、
サイラスとニアがすれ違いざまに愛情のこもった視線を通わせ、
幾度となく逢瀬を重ねても
一向に気付くことがないので、
監視カメラ的なものをもっと充実させたほうがいいのではないかと
管理する側の緩慢さが心配になったりしますが、
本作のディストピア設定は
あくまでサイラスとニアが愛を確実なものにするために
乗り越えるべき試練としての機能を担っているに過ぎず、
ふたりがこの悲恋をいかにして成就させるかが肝なのです。
そのあたりの恋愛における機微を表現する演技や演出が
三宅隆太氏が評価するところなのでしょう。

分不相応なのを承知で申し上げますがね、
恋愛というやつは、禁忌を犯す快感によって
なおさら燃え上がったりするものです。
愛情や感情が芽生えた人間が「欠陥者」と呼ばれる世界で
わたしとあなただけが秘密を共有しているという特権意識
恋愛感情の炎に薪をくべるのです。
そういう意味で、本作は純愛映画であり、
他人の目を憚ることで盛り上がる不倫映画
でもあります。

ガイ・ピアースジャッキー・ウィーバーを擁する
隠れ欠陥者のグループが暗躍したり、
サイラスの部屋で一夜を明かしたニアが
サイラスのシャツを着ているうふふな描写があったり、
明らかにキョドっているサイラスがうろうろしていても
管理する側がまったく気づかないのは
この恋愛ストーリーを完遂させるために邪魔な設定だからであって、
このような管理社会はいかがなものか、などと
問題を投げかけるような作品ではありません。

隠れ欠陥者グループの段取りによって
「列車に乗って」どこか別のところへと
逃亡を企てるサイラスとニア。
てことは、別の地域はこの施設のように
管理されていないのかな? と
やっぱり本作の世界観に疑問がわき起こってきますが、
そんなことはどうでもよく、
分かちがたい愛情で結ばれたふたりが
ここじゃないどこかへと逃避行すること
が重要なのです。
サイラスの子供を身ごもったニアと
新薬によって感情を失いつつあるサイラスは
逃亡先の新天地で、互いの愛を証明せねばならんのですね。

まあ、サイラスが新薬によってぼんやりしたせいで
身重のニアは
サイラスの介護までしなきゃいけなくなる
ので
これからがもっと大変そうですが、
頑張って欲しいなあと思います。
(なんだこれ)





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