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マギー

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(原題:Maggie 2014年/アメリカ 95分)
監督/ヘンリー・ホブソン 製作/コリン・ベイツ、マシュー・ベア、ビル・ジョンソン、アラ・ケシシアン、トレバー・カウフマン、アーノルド・シュワルツェネッガー、ピエール=アンジェ・ル・ポガン 脚本/ジョン・スコット3世 撮影/ルーカス・エトリン 美術/ガボール・ノーマン 衣装/クレア・ブリュー 編集/ジェーン・リッツォ 音楽/デビッド・ウィンゴ
出演/アーノルド・シュワルツェネッガー、アビゲイル・ブレスリン、ジョエリー・リチャードソン

概要とあらすじ
アーノルド・シュワルツェネッガーが製作・主演した初のゾンビ映画。感染するとゾンビ化するウイルスが蔓延する近未来のアメリカ。ウイルスに感染したウェイドの娘・マギーは、当局によって特別病棟に収容されてしまった。ウェイドは娘のマギーを捜し出し、家族の元へと連れて帰るが、ウイルスがもたらすマギーの変化は徐々に進行していった。徐々にゾンビへと変化し、苦しむマギーを前にただ見守ることしかできないウェイドだったが、その決断の時は確実に迫っていた。ウェイド役をシュワルツェネッガーが、娘のマギー役を「リトル・ミス・サンシャイン」「ゾンビランド」のアビゲイル・ブレスリンが演じる。監督はTVシリーズ「ウォーキング・デッド」などを手がけ、本作が長編初監督となるヘンリー・ホブソン。(映画.comより



ベーコンは普通の食事だから。

シュワルツェネッガーが出演する映画を最後に観たのは
いつだったか思い出せないくらいにどうもご無沙汰です〜の
『マギー』です。
しかも、なんとゾンビ映画。
愛する家族がゾンビになってしまったら、
そのときどう行動するかという設定は
映画の中のエピソードとして描かれることはよくありますが、
それ自体を映画にしてしまうというのは
わりと珍しいのではないでしょうか。
シュワルツェネッガーが脚本に惚れ込んだらしいのですが、
結論からいうと、信じがたいほどクソつまんない映画でした。

腐歩病ウイルスなるものが蔓延し、
人々がゾンビ化して都市が壊滅状態の近未来。
街へと出かけたマギー(アビゲイル・ブレスリン)
危険だから探さないでねというナレーションで始まるのですが、
そんな危険な状況にもかかわらず、
なんでマギーは街にいたのかさっぱりわかりません。
で、戒厳令が敷かれている状態で
なぜか夜の街をうろついているマギーは警察に捕らえられ、
すでにゾンビに噛まれていたために
収容所へと入れられるのです。

そんなマギーを2週間探し続けていた父親、
ウェイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)
病院でマギーを発見し、物語が始まる……のですが、
それ以前のこの家族の関係性をまったく描かないので
マギーがゾンビ化した悲しみや驚きも
家族が感じているマギーへの想いも
まったくわからないのです。
マギーが父親ウェイドや
義母キャロライン(ジョエリー・リチャードソン)
反抗的だったとか、逆に仲良しだったとかいう
設定を入れないとダメなんじゃないでしょうか。
しかも、この後ゾンビ化することが確定しているマギーを
ウェイドが家に連れ帰ることができる理由が、
知り合いの医者の口利きって。
隔離政策、ザル過ぎるだろ。
しかも、いくら本格的なゾンビ化まで
ものすご〜く長い猶予期間があるとはいえ、
ウェイドがマギーをかくまっていることを警察は知っているし、
それどころか、ほかにもゾンビ予備軍の少年がいて、
呑気に夜中に花火で遊んだりしているので、
どれくらい危機的状況なのか、ピンとこないのです。

おそらく本作がやりたいことは、
たとえゾンビになっても家族を守るのだということなのですが、
その間に1ミリも葛藤はなく、
まったくなんの変化もないまま
終盤までだらだらと物語が停滞したまま続いていきます。
マギーの指が腐ったり、目が白くなったりする
微妙なディティールの変化があるにはあるのですが、
かといってゾンビ描写がエスカレートするわけでもなく、
マギーとウェイドが抱えている問題は
物語がスタートしたときからビタイチ進展することないのです。

俳優たちの演技も監督の演出も非常に薄っぺらく、
シュワは終始なんか困っているふうな顔をしているのですが、
多分なんにも考えていないだろうなーとしか思えません。
ていうか、丸顔で小太りのマギー
どんなにメイクをしてもゾンビらしくやつれることはなく、
完全にミスキャストではないでしょうか。
やがて人肉の臭いをかぎ始めたマギーに
シュワが与えた食事がなんと、ベーコン。
キツネを喰ったりもしてたけど
人肉じゃなくてもいいなら、たいした問題じゃないじゃん。
ていうか、これもさ、
せめてマギーがベジタリアンだったとかいう設定を
入れてくれよ。
ベーコンは普通の食事だから。

酷いな〜と思ったのが、義母キャロラインの扱い。
キャロラインは後妻で、マギーの実母ではないにもかかわらず、
ゾンビ・マギーをかくまうというウェイドの考えに同意し、
おそらくウェイドとの間に生まれた幼いふたりの兄妹を
親戚に預けてまで、いつ噛みついてくるかわからない
マギーの世話をしているわけです。
しかし、おそらくほっと息をつくシーンとして
キャロラインの料理が不味いことを
ウェイドとマギーが冗談めかして笑い、
その直後に、すでに他界したマギーの実母の思い出話を
ふたりでほっこり語り合う
……って、
いくらなんでもキャロラインに失礼すぎるでしょ?

ゾンビのくせに夜遊びに行くマギーに
キャロラインが渡したペンダント
実母の形見かなんかでしょうか? だとしたら、
それを受け取ったマギーがすぐに首に付けないのはどうかしてるし、
そもそもそのペンダントがあったのがソファの隙間て。
もう、こいつらにとって
なにが大事なのかさっぱりわかりません。

結果的にどうなるかというと、
ゾンビ化することに絶望したマギーが
死んだ母親の思い出に囲まれながら
家の屋根から飛び降りる
のです。
えっ! と声を上げるほど
な〜んにもないエンディング。
結局、ゾンビ化(不治の病)した家族に
どう対処するかという問題は放置され、
とても都合よくマギーが自殺してくれたおかげで
ただ結論を先延ばしにしていただけのシュワは
解決に向けて行動する必要もなくなりました。

『ライフ・アフター・ベス』という
恋人がゾンビになる大傑作コメディがありますが、
その中で、ゾンビ化したヒロインの母親は
自分の指を少しずつ娘に食べさせていました。
そこまで踏み込まないと、
ゾンビをモチーフにして家族愛を描く意味がありません。
本作は、ただただシュワが
アメリカ的家族思いの父親風なことを
やってみたかったのかな〜
くらいしか思い当たらない、
ゾンビ映画にもホームドラマにも不誠実な
驚異的な駄作です。





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