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つぐない

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(原題:Atonement 2007年/イギリス・フランス合作 123分)
監督/ジョー・ライト 脚本/クリストファー・ハンプトン 製作総指揮・原作/イアン・マキューアン 製作/ティム・ビーバン、エリック・フェルナー、ポール・ウェブスター 撮影/シーマス・マクガービー 音楽/ダリオ・マリアネッリ 美術/サラ・グリーンウッド
出演/キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカボイ、シアーシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ、バネッサ・レッドグレーブ、ブレンダ・ブレッシン、パトリック・ケネディ、ハリエット・ウォルター、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュノー・テンプル、ジーナ・マッキー、ジェレミー・レニエ

概要とあらすじ
1935年イギリス。ある夏の日、タリス家の末娘ブライオニーは、姉セシーリアと使用人の息子ロビー・ターナーの些細ないさかいを目撃し……。ひとりの無垢な少女の嘘によって人生を狂わされてしまった一組のカップルの運命を描く、現代英国文学界を代表するイアン・マキューアンによる傑作小説「贖罪」(新潮社刊)を、「プライドと偏見」のジョー・ライト監督&キーラ・ナイトレイ主演で映画化。共演にジェームズ・マカボイ、ロモーラ・ガライ、バネッサ・レッドグレイブら。(映画.comより



まじウザい、ブライオニー。(可愛いけど)

記憶力に難があるワタクシは
観た映画のディティールを忘れていることしばしば……
なんですが、
あろうことかその映画を観たことすら忘れていることがあって
どうもこれは観たことある気がするぞと
時間が経つにつれて思い出すことがまれにあります。
『つぐない』がそれでした。とほほ。

英国貴族タリス家の少女ブライオニー(シアーシャ・ローナン)
夢見がちな文学少女。
今日も今日とて、自作の戯曲を創作しては
家族の前で披露しようとしています。
屋敷の中をきびきびと動き回るブライオニーの動きに乗せて
タイプライターを打つ音も模した劇判

リズミカルに響きます。
その後も幾度となく繰り返されるタイプライターの音は
本作の物語が創作であることを印象づけます。
時折、同じエピソードが視点を変えて繰り返され、
文章による表現を映像でなぞっているようにも感じられます。
しかしそんなことより、
シアーシャ・ローナンの透き通るような可憐さの破壊力たるや
半端ないのです。
彼女の無垢な美しさをもってこそ、
ブライオニーが犯してしまう罪の深さが
引き立つというもの。

ブライオニーの姉セシーリア(キーラ・ナイトレイ)
使用人の息子ロビー(ジェームズ・マカボイ)
互いに惹かれあいながらも
身分の違いを慮って結ばれることを躊躇しておりました。
それでも想いはつのるばかり。
些細な行き違いを謝罪するために
セシーリア宛ての手紙をしたためたロビーは
何度も書き直した挙げ句に、
間違えてもっとも情熱的でエロい内容の手紙を入れた封筒を
セシーリアに渡すようブライオニーに言付けますが、
あっさり盗み読んでしまうブライオニー。
そして文中にあった「Cunt=あそこ」という言葉に愕然。
手紙を受け取ったセシーリアはロビーの真意を受け止め、
ついにふたりは互いの気持ちを確かめ合って結ばれるのですが、
ふたりがまぐわう姿を目撃したブライオニーはまたしても愕然。
ロビーがセシーリアをいじめていると思い込んだのでした。
まじウザい、ブライオニー。

家族で夕食をとっていると、
退屈した双子の兄弟が置き手紙を残して失踪したことが判明。
家族総出で森の中を創作しているうち、
いとこ(?)のジュノー・テンプル
男にのし掛かられているのを目撃したブライオニー。
なんでも目撃しちゃうブライオニー。
男はすぐに逃げ去りましたが、
ブライオニーはジュノー・テンプルを襲っていたのは
間違いなくロビーだと証言してしまうのでした。

もうほんとに、すべてが
見なくてもいいものをことごとく見てしまうブライオニー
もっとも肝心なところででまかせをいってしまうのです。
幼すぎるブライオニーの性に対する恐れと憧れ、
ほのかな恋心を抱いていたロビーへの嫉妬心が災いし、
持ち前の想像力が良からぬ方向に働いてしまったのでした。
しかし、それは少女の勘違いでは済まされず、
ロビーは淫行で逮捕され刑務所送り。
ようやく結ばれたばかりのセシーリアはおいきてきぼり。
さらにロビーは兵士として戦場へ送り込まれることになるのでした。
(真犯人はカンバーバッチで
 あろうことかジュノー・テンプルと結婚します)

成長したブライオニーが
男女の性愛について理解した頃にはすでに時遅く、
さらには戦況が激しくなって
すべてが修復不可能になってしまうのです。
本作はブライオニーの悔恨の物語。
彼女の無知ゆえの告発によって
セシーリアとロビーの人生は大きく狂わされましたが、
ブライオニーも自分の犯した過ちに
生涯苦しむことになるのです。

それにしても本作は映像が美しく、
ストリーテリングも流麗で
非常に緻密に構成された作品だと思いました。
そして、やっぱりの見所は
約5分半の長回しシーン。
何も知らずに本作だけ観ているとどういう状況なのか
よくわかりませんでしたが、
『ダンケルク』を観た後だと
ロビーたち兵士が置かれた状況がはっきりとわかります。
2000人のエキストラが使われた海岸を
ぬうように移動するステディカムによる映像は圧巻の一言。

進学を諦めて看護婦になったブライオニーは
疎遠になっていたセシーリアのもとを訪れ、
そこに居合わせたロビーから過去の過ちを叱責されますが
エンディングに登場する年老いたブライオニーの告白によれば
それらは彼女の創作。
ブライオニーはセシーリアと再会しておらず、
ロビーはダンケルクで敗血症によって死亡、
セシーリアも避難した地下道に流れ込んできた水によって
溺死していたのです。
小説家として成功し、本作を遺作として筆を折るという
ブライオニーがいうには、
せめて物語の中ではロビーとセシーリアの恋を
成就させてあげたかったとのことですが、
やっぱりそれは自己正当化ではないのかという思いは
ぬぐえません。

ブライオニーによる理不尽な嘘に加え、
戦争の理不尽さもせつない物語。
映像と編集、音楽が計算され尽くした
見応えある作品です。





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