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X エックス

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(原題:X 2022年/アメリカ 105分)
監督・脚本/タイ・ウェスト 製作/タイ・ウェスト、ジェイコブ・ジャフク、ケビン・チューレン、ハリソン・クライス 製作総指揮/サム・レビンソン、アシュリー・レビンソン、ピーター・ポーク、スコット・メスカディ、デニス・カミングス、カリーナ・マナシル 撮影/エリオット・ロケット 美術/トム・ハモック 衣装/マウゴシャ・トゥルジャンスカ 編集/デビッド・カシェバロフ、タイ・ウェスト 音楽/タイラー・ベイツ、チェルシー・ウルフ
出演/ミア・ゴス、ジェナ・オルテガ、マーティン・ヘンダーソン、ブリタニー・スノウ、オーウェン・キャンベル、スティーブン・ユーア、スコット・メスカディ

概要とあらすじ
史上最高齢の殺人鬼夫婦が住む屋敷に足を踏み入れてしまった3組のカップルの運命を描いたホラー。1979年、テキサス。女優マキシーンとマネージャーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優ジャクソン、自主映画監督の学生RJとその恋人で録音担当のロレインら6人の男女は、新作映画「農場の娘たち」を撮影するために借りた農場を訪れる。6人を迎え入れたみすぼらしい身なりの老人ハワードは、宿泊場所となる納屋へ彼らを案内する。マキシーンは、母家の窓ガラスからこちらをじっと見つめる老婆と目が合ってしまい……。出演はリメイク版「サスペリア」のミア・ゴス、「ザ・ベビーシッター キラークイーン」のジェナ・オルテガ、「ピッチ・パーフェクト」シリーズのブリタニー・スノウ。「サクラメント 死の楽園」のタイ・ウェストが監督・脚本を手がけた。(映画.comより



なにこれ、前振り?

A24製作ということでも期待感のあった『X エックス』。監督は『サクラメント 死の楽園(2015)』がイマイチだった記憶があるタイ・ウェスト

冒頭、なにやら凄惨な殺人事件が起こった現場に警察が詰めかけています。その光景を納屋(?)の中から映し出すカメラが、影となっている壁によってスタンダードサイズに画面を区切っています。劇中で登場するポルノ映画の画面がそうであるように、これはかつての映画を意図的に模したものでしょう。だったら全編スタンダードサイズで撮るんじゃね? と言われれば、それまでですが。

1979年、自主映画を撮って一旗揚げようと目論む面々がバンに乗り込んで、とあるテキサスの農場にやってきます。これはいかにも『悪魔のいけにえ』ルック。ワニが登場するのは『悪魔の沼』でしょうか、つまりトビ・フーパーへのオマージュがあからさま。チャラい若者たち、それどころかポルノ映画を撮るのが目的の一行が、この後酷い目に合うのがわかりきっているのでもはやパロディ化しているホラー映画のクリシェです。とくに警告めいたことは言われませんが、目的地に到着する途中でガソリンスタンドの売店に寄るのもお決まり。これを真顔でやってしまう姿勢が逆にチャレンジング。

ポルノ映画の撮影だと伏せたまま、宿泊の予約をした農場へやってきた一行。現れたのはいかにも偏屈そうなじいさんで、いきなりライフルを構えて出迎えるのです。ま、結果的にイカれていたのはじいさんではなく、ばあさんなのですが。ばあさんが怖いといえばM・ナイト・シャマラン監督の『ヴィジット』が記憶に新しいところ。あとは『スペル』とか『高速ばぁば』とかもありましたけども。

さっそく撮影を始めた一行とは別に、ふらふらと周囲を散策するマキシーン(ミア・ゴス)。裸にオーバーオールという出で立ちで、常に横チチテロを仕掛けてきます。それをのぞき見していたばあさんの語るところに寄ると、彼女は若いころダンサーを目指していたけれど戦争の影響で断念し、いまに至るとのこと。その後悔はただならぬもので、マキシーンの若々しい性的魅力に羨望の眼差しを傾けているもよう。

それにしても、じじいとばあさんの顔をなかなか見せないのはどうしたことか。それんなことも相まって、恐怖が蓄積されるわけでもないのにじわじわとした進行。そうそうにかったるいと感じる人がいても不思議ではありません。しかし、こういうゆったりとした語り口こそが70年代映画に対するオマージュかも? なんて好意的に思っていました。

ムラムラを抑えきれないばあさんによって監督兼カメラマンが殺されると、ようやく凶行が始まります。ここからたたみかけるように恐ろしいことが! と期待していたのですが、ものすごく順当にひとりずつ始末されていくのです。

どうやらばあさんは、老いていく自らに失望してるんだけれども性欲はモリモリで、手を焼いたじいさんが若い連中を呼び寄せては殺したりしていた……ということのようです。地下室で見つかった宙づりの死体は以前に現れたヒッピーなんでしょうけど、誰? という疑問と共に、さほど画的にショッキングではないのが残念でした。

いかにもヨボヨボだったばあさんが人を殺すときの俊敏性に驚きましたがそれはともかく、ひとしきり一行を殺しまくったあと、じいさんとばあさんはマキシーンのベッドでヤリ始めます。じいさんは心臓が心配だって言ってんのに(それ以前に勃つのかという問題があるが)、ばあさんの要求に応えてふたりは合体。ばあさんは喘いでいましたが、それならとっととセックスすればよかったのにという思いは拭いきれません。あと、老人のセックスがおぞましいものとして演出されているように感じられるのは、あまりいい気がしません。それ自体は別にいいじゃんね。いくつになってもヤレるならヤリなさいよ。

とうとう始まった殺戮。ここからのクライマックスで次から次へとたたみかけてくるんだろうな〜と身構えていたのですが……そうでもない。じいさんは心臓発作で死んじゃうし、ばあさんは自分が撃ったライフルの反動でふっ飛ばされます。印象が妙に勇ましくなったマキシーンが車でその場から立ち去ってジ・エンドとなるのですが、まあ、物足りなさは半端ないです。

冒頭の現場検証のときからテレビではキリスト教福音派の演説らしき映像がずっと流れていましたが、その演説の話者の娘がマキシーン。父親からの抑圧に耐えかねたマキシーンが、スターになることを夢見てポルノ業界に飛び込んだということのようで、因縁めいたものを感じさせはするものの、だからどうした感は否めません。

エンドロールのあと、続編『パール』の予告が流れます(公開から2週間限定らしいが)。同じくミア・ゴスが演じる「パール」とは本作のばあさんの名前で、本作の前日譚らしいのですが、この予告編がなにやら面白そうで(予告編だからこそかもしれないが)、完成が期待される……というよりも、なにこれ本作は前振りだったの? という、やり場のない倦怠感に見舞われています。







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