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哭悲 THE SADNESS

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(原題:哭悲 The Sadness 2021年/台湾 100分)
監督・脚本・編集/ロブ・ジャバズ 撮影/バイ・ジエリー 音楽/TZECHAR
出演/レジーナ・レイ、ベラント・チュウ、ジョニー・ワン、ラン・ウエイホア、ラルフ・チウ、アップル・チェン

概要とあらすじ
人間の凶暴性を助長するウイルスが蔓延した台湾を舞台に、地獄絵図と化した街で再会しようと奔走する男女の運命を、容赦ないゴア描写で描いたパニックホラー。台湾で感染拡大していた謎のウイルスが突然変異を起こし、人間の脳に作用して凶暴性を助長する恐ろしい疫病が発生した。感染者たちは罪悪感に苦しみながらも暴力衝動に抗えず、街中に殺人と拷問が横行する事態に。感染者の殺意からどうにか逃げ延びたカイティンは、数少ない生存者たちとともに病院に立てこもる。カイティンから連絡を受けたジュンジョーは生きて彼女と再会するため、狂気に満ちた街へひとり乗り出していく。本作が長編デビューとなるロブ・ジャバズが監督・脚本・編集を手がけた。(映画.comより



威勢がいいスプラッター

「二度と観たくない傑作」との惹句が踊り、一部で話題となった台湾映画『哭悲 THE SADNESS』。本作がデビューとなる監督は、カナダ出身で台湾在住のロブ・ジャバズ。

「アルヴィンウィルス」という感染症が流行している台湾。専門家はこのウイルスが狂犬病のように突然変異する危険性を訴えていますが、マスコミは軽症で済んでいる現状から専門家の主張を黙殺し、むしろ恐怖を煽っていると批難するのでした。ところが……。

ウイルスに感染した人々が凶暴になるといえば、ジョージ・A・ロメロの『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖(1973)』あたりが有名で、真新しいものではありません。コロナ禍の状況を踏まえて企画された本作は、そこに『エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウィルス(1996)』のようないわゆる「香港三級片」的(というかハーマン・ヤウ的な)下品さを加味しています。監督は「これはゾンビ映画ではない」と言っていてたしかに死人ではないですけど、まあ『28日後…(2002)』的な「走るゾンビ系」と捉えていいと思います。

ボクが観ていないだけかもしれませんが、確かに近年まれに見るほど威勢がいいスプラッター。久しくこんなに血まみれな映画を観ていませんでした。CGよりも特殊メイクを多用するグロ描写の手作り感が生々しさを感じさせます。感染するまでに時間的猶予はなく、あっという間に地獄絵図が広がっていく序盤にはワクワクします。とくに、実際の事件がモチーフになっているという地下鉄の車両内での惨状は、乗客がドミノ倒しのように感染していく勢いがいいし、実生活でもあり得ないことではないシチュエーションが最悪でした。

公式Twitterによると、タイトルの「哭悲(こくひ)」は声を上げて泣きながら嘆き悲しむという造語で、台湾でよく使われる「クソっ!」という意味の「靠北(カオベイ)」に引っ掛けているんだとか。まあ、そういう嘆きとか悲しみが表現されているのが、感染者が流す涙ということらしいです。ありとあらゆる悪しき本性をむき出しにする感染者たちのなかに涙を流しているものがいるのは、どうやら彼らの中にかすかに残っている理性はこんな暴力を拒否しているけれど、感染がもたらす暴力性に抗えないことを表現しているんだそうです。わかりづらいけど。

感染者の攻撃性の発露が、暴力、性欲、食人とまちまちなのは「悪意」ってことでひとまとめにして、突っ込んじゃいけないところかもしれません。離ればなれになったカイティン(レジーナ・レイ)ジュンジョー(ベラント・チュウ)が別行動するのは、いい構成だったと思います。ただ序盤の勢いは徐々に薄れ、どんどんテンポが悪くなっていったという印象です。

次第に感じ始めた退屈さが極まったのは、ウォン・ジャンリアン博士(ラン・ウエイホア)がこれまでのいきさつを演説するシーン。一気呵成に設定を説明するのですが、はっきり言ってこちとら理屈はどうでもいいのです。しかも博士の演技が、一人芝居でもやってんのかと思うほど大仰でシラけてしまいました。ゴミ箱から感染した赤ちゃんが見つかるのは、たしかにショッキングではありますが、それよりもそれを見つかってしまう迂闊さにゲンナリしました。

ついにカイティンとジュンジョーが再会するラストシーンも、家族や恋人がゾンビになったらどうするかという語られ尽くした設定だったので新鮮味はありませんでした。カイティンが生き延びたかと思われた直後、銃声が聞こえる理不尽な結末は好きですけど。

なんだかケチばかりつけているようですが、それなりに楽しめました。それだけに後半の失速ぶりが残念だったな、と。







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