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カモン カモン

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(原題:C'mon C'mon 2021年/アメリカ 108分)
監督・脚本/マイク・ミルズ 製作/チェルシー・バーナード、リラ・ヤコブ、アンドレア・ロングエーカー=ホワイト 撮影/ロビー・ライアン 美術/ケイティ・バイロン 衣装/カティナ・ダナバシス 編集/ジェニファー・ベッキアレッロ 音楽/ブライス・デスナー、アーロン・デスナー
出演/ホアキン・フェニックス、ウッディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、スクート・マクネイリー、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト

概要とあらすじ
「20センチュリー・ウーマン」「人生はビギナーズ」のマイク・ミルズ監督が、ホアキン・フェニックスを主演に、突然始まった共同生活に戸惑いながらも歩み寄っていく主人公と甥っ子の日々を、美しいモノクロームの映像とともに描いたヒューマンドラマ。ニューヨークでひとり暮らしをしていたラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれて9歳の甥ジェシーの面倒を数日間みることになり、ロサンゼルスの妹の家で甥っ子との共同生活が始まる。好奇心旺盛なジェシーは、疑問に思うことを次々とストレートに投げかけてきてジョニーを困らせるが、その一方でジョニーの仕事や録音機材にも興味を示してくる。それをきっかけに次第に距離を縮めていく2人。仕事のためニューヨークに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが……。「ジョーカー」での怪演でアカデミー主演男優賞を受賞したフェニックスが、一転して子どもに振り回される役どころを軽やかに演じた。ジェシー役は新星ウッディ・ノーマン。(映画.comより



うん、そうですよね

軒並み評価が高いマイク・ミルズ監督の『カモン カモン』。マイク・ミルズ監督作を一度も観たことがなく、いくら評判が良くてもいまいち気乗りしなかったのですが、あまりに「来い、来い(カモン カモン)」というもんだから映画館に行ってきました。結果的に意味は「行け、行け」だったんですけど。

なんとなく気乗りしなかった理由は、予告編を観ることなくざっと紹介文を読んで抱いた予想が「これは大人が子供の世話を焼くうちに、逆に子供から多くのことを教えられる、感じのいい映画なんだろうな……」というものだったからです。そしてその予想はほぼほぼ的中。

ジョニー(ホアキン・フェニックス)は、主に10歳前後の子どもたちに現在や未来について考えていることをインタビューするジャーナリスト。ふと母の死に思いを馳せ、しばらく疎遠となっていた姉のヴィヴ(ギャビー・ホフマン)に電話すると、精神に問題を抱える夫の世話をするため、一人息子で9歳のジェシー(ウッディ・ノーマン)を預かってくれる人を探しているといいます。

過去のわだかまりを修復したかったのか、シッターを買って出たジョニーとジェシーの共同生活が始まるのでした。ジェシーには少しエキセントリックなところがあるようですが、9歳くらいの子供を持つ親にとってはあるあるの連続なのではないでしょうか。じっとしていられない、すぐにふてくされる、かと思えば甘えてくる。制御が困難な存在。ジェシーに特徴的なのは、自分を孤児に設定した妄想劇を始めること。実際には両親がいるのに孤独を感じたジェシーが生み出したイマジナリー・フレンドならぬシミュレーションとしての孤児なのでしょうか。

ジェシーに限らず、ジョニーのインタビューに答える子どもたちも「真を食った」回答を繰り返します。ラジオの『子供電話相談室』を聴いたことがあればわかるように、往々にして子どもたちは大人が答えに窮するような疑問を投げかけてきます。それらはあまりにもシンプルなためむしろ哲学的な問いかけのようにも感じられます。また子どもたちは観察眼にも優れていて、「怒っているときのママはステーキを食べる」というような、大人が自覚していないようなディティールを記憶していたりするものです。子どもたちは知識や経験がないぶん、より真理に近いともいえるかもしれません。それにしても、登場するアメリカの子どもたちがはっきりと自分の意見を言えることに感心します。日本の子どもたちもこのように夢や理想を語れるでしょうか。

姉ヴィヴはシングルマザーではないけれど、父親に問題があるので、ワンオペ育児の過酷さも描かれていると思います。いかに女性が多くの負担を強いられているかということでしょう。かたや、ジョニーは日頃から子どもたちの話を収集することを生業としていて、子どもに対する敬意が前提としてあります。実際にマイク・ミルズ監督は21人の子どもたちに対するインタビューを行なったそうですが、そもそもジョニーが子どもに対する理解力に優れている設定は、本作の主旨にとってあまりにも都合のいいものではないか、と感じてしまいました。ジョニーにひた隠しにしている後悔があって、ジェシーとの対話が過去を見つめ直す契機になっているとしても、あくまでジョニー個人の問題であって、大人と子供の間に生まれる本質的な隔たりを表現する障壁になっているのではないか、とも思いました。

また、ジョニーはあくまで一時期ジェシーを預かっただけの擬似的かつ臨時の父親であって、今後のジェシーの成長に責任を負っているわけでもなく、時が過ぎれば気楽なやもめ生活に戻れるのです。もちろん、実の親子ではないからこその……というところはあるでしょうが、実の父と息子という関係ならまた違った話になるのかなと思いました。いずれにしろ、母親と違って父親というのは、務めて「父になる」のでしょう。

なんかケチばっかりつけているようですが、それなりに満足はした作品でした。ホアキンもよっかたですが、ジェシーを演じたウッディ・ノーマンの演技なんだか素のままなんだかわからない佇まいは素晴らしかったです。ただあまりに予想通りだったので「うん、そうですよね」といった感じ。スクリーン中央がつねにピンクがかっていたのはどういう意図があったんでしょう。







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