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カットスロート・ナイン

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(原題:Cut-Throats Nine 1972年/スペイン・イタリア合作 91分)
監督/ホアキン・ロメロ・マルチェント 原案・脚本/ホアキン・ロメロ・ヘルナンデス、サンチャゴ・モンカダ 撮影/ルイス・クアドラド 編集/メルセデス・アロンゾ 音楽/カルメロ・ベルナオーラ
出演/ロバート・ハンダー、エマ・コーエン、アルベルト・ダルべス、アントニオ・イランゾ、マヌエル・テハダ、リカルド・ディアズ、ホセ・マヌエル・マルタン、カルロス・ロメロ・マルチェント、ラファエル・ヘルナンデス、エドュアルド・カルボ

概要とあらすじ
マカロニウエスタンブーム末期の1972年に製作され、残虐ウエスタンとして名高い「情無用のジャンゴ」の描写も上回るといわれる残酷マカロニウエスタン。アメリカ西部。吹雪の中で7人の凶悪犯を護送するブラウン軍曹は、7人の中に妻を殺害した犯人がいると知り、この護送任務に就いた。娘のサラも同行させて目的地を目指す途中、ブラウンは金塊目当ての山賊たちに襲撃される。馬車が大破して馬も失い、歩いて山越えをすることになったブラウン父娘と囚人たちは、やがて一軒の山小屋を発見する。西部の雪山の山小屋が舞台となり、タイトルに数字を掲げている点や血なまぐさい暴力描写など、クエンティン・タランティーノ監督の「ヘイトフル・エイト」(2015)も影響を受けているといわれる一作。(映画.comより



いい加減さも含めて魅力

「『情無用のジャンゴ』の描写も上回るといわれる残酷マカロニウエスタン」と評される『カットスロート・ナイン』。ですが、触れ込みほどゴア描写は多くなく、さほどショッキングでもありません。むしろ凶悪な犯罪者たちを連行する険しい雪山の道中における心理戦が見所です。タランティーノ監督『ヘイトフル・エイト(2015)』への影響はモロに感じますが、お話のまとめ具合はさすがのタラに軍配が上がります。

終身刑をくらった7人の凶悪犯を刑務所まで馬車で護送するブラウン軍曹(ロバート・ハンダー)。強盗、強姦、殺人などそれぞれが犯した罪を紹介していきますが、ひとりだけ犯罪歴の詳細がわからないディーン(マヌエル・テハダ)という男がいます。さらにはなぜかひとり若い女性が。なんの説明もないのですが彼女サラ(エマ・コーエン)はブラウン軍曹の娘なのです。どういうわけか妻を殺されたブラウン軍曹は、とにかく金鉱から脱出することを目論んでおり、娘サラを置いていくわけにはいかなかったのです。さりとて、鎖で繋がれているとはいえ、凶悪犯と娘を同行させるのはどう考えても危険。で、案の定娘サラはお荷物となるのです。

道中、突如現れた山賊の急襲に遭遇。兵隊は殺され、崖から転落した馬車が破壊して、徒歩での移動を余儀なくされる一行。まあ、もともとろくでもない連中ですから、脚を骨折したひとりの凶悪犯を密かに焼き殺してしまいます。ブラウン軍曹もやたら刃向かう男を銃殺し、あっという間に「ナイン」から「セブン」くらいまで人数が減るのです。

なぜかディーンにホの字のサラは順調に衰弱していき、ブラウン軍曹がおんぶしないといけない状態に。そんな軍曹もやがて力尽きたところ、機を窺っていた凶悪犯たちは山小屋の中で軍曹をリンチ。そしてサラをレイプ。もう本当に最悪な状況なのですが、演出があっさりしているので、あまり不快にはなりません。それどころか、ブラウン軍曹は柱に縛り付けられたまま山小屋に火を付けられて焼死するのですが、これまたあっさりと焼けただれた軍曹の顔を見せるだけで、叫び声のひとつもあげさせません。

と、その前に、凶悪犯たちが繋がれていた鎖がじつは純金でできていたのです。金は柔らかいから鎖として機能するのか疑問ですがそれはともかく、ブラウン軍曹もまたこの金で新生活を始めようと目論んでいたのでしょう。じつは護送する凶悪犯たちのなかに妻を殺した犯人がいるというのが、ひとつのミステリーになっているのですが、物語を引っ張るほどの求心力はありません。

本作をタランティーノが完全リメイクしたら、それはそれは緊張感のある嫌な会話劇になったんだろうと想像するのですが(まあ、それが『ヘイトフル・エイト』なんですけど)、ゴアでショッキングなシーンはクローズアップばかりで、心理的な駆け引きがうまく表現されているとは思えません。そして最後は、ついに思い詰めたサラがダイナマイトに火を付けて小屋ごと爆破するというエンディング。

とはいえ、こういう終わり方がいかにも末期のマカロニ・ウエスタンらしいといえばそうかもしれません。娘サラがキャシーと呼ばれていたり、いい加減なところが散見される作品ですが、それも含めてマカロニ・ウエスタンの魅力なのです。







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