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ノスフェラトゥ

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(原題:Nosferatu-Phantom der Nacht 1978年/西ドイツ・フランス合作 107分)
監督・脚本・製作/ベルナー・ヘルツォーク 原作/ブラム・ストーカー 撮影/ヨルク・シュミット・ライトヴァイン 美術/ヘニング・フォン・ギールケ 音楽/ポポル・ブー 編集/ベアテ・マインカ=ジェリングハウス 衣装デザイン/ジゼラ・ストーチ 特殊効果/Cornelius Siegel 特殊メイク/レイコ・クルック、ドミニク・コラダン
出演/クラウス・キンスキー、イザベル・アジャーニ、ブルーノ・ガンツ、ジャック・デュフィロ、ローラン・トポール、ワルター・ラーデンガスト

概要とあらすじ
22年にムルナウが発表したブラム・ストーカー原作の小説の映画化のリメイクで、悪の象徴で災禍をもたらすドラキュラ伯爵の孤独な宿命を描く恐怖映画。製作・脚本・監督は「緑のアリの夢見るところ」のヴェルナー・ヘルツォーク、撮影はヨルク・シュミット・ライトヴァイン、音楽はポポル・ヴー、メイクアップは麗子クルックとドミニク・コラダンが担当。出演はクラウス・キンスキーほか。(映画.comより



笑いそうになるほど異様

ベルナー・ヘルツォークとクラウス・キンスキーという最凶コンビによる、F・W・ムルナウ『吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)』のリメイク『ノスフェラトゥ』。ヘルツォークとキンスキーのただならぬ関係は『キンスキー、我が最愛の敵(1999)』なんていうドキュメンタリーにもなっているほど愛憎入り乱れておるのです。

ちなみに若干ややこしいので整理しておきますと、ドラキュラは伯爵の名前、ヴァンパイアは吸血鬼の総称、ノスフェラトゥはヴァンパイアを含んだ不死者という意味になっております。

不動産業を営むジョナサン(ブルーノ・ガンツ)は、トランシルヴァニアのドラキュラ伯爵が新居となるお城を探しているという話を聞き、美しい妻ルーシー(イザベル・アジャーニ)を残して、片道4週間かかる険しい道のりに旅立ちます。やたら卑しく笑っている仲介役の男がどういう仕事なのかわからなかったけれど、途中で出会いロマの忠告も振り払ってとうとうドラキュラ伯爵の住む古城へとたどり着きます。

そして登場するドラキュラ伯爵(クラウス・キンスキー)。白塗りにスキンヘッド、赤い唇からのぞく鋭い前歯、長い爪などなどどっからどうみても異様です。異様すぎて笑いそうになるほどです。どう考えてもまともな人間ではなさそうなんですが、伯爵に振る舞われた食事を食べ始めるジョナサン。ナイフでパンを切ろうとして指を切ってしまい、流れる血を見た伯爵はいてもたってもいられなくなって、さっそくジョナサンの指にむさぼりつくのです。もうこの時点で「なにやってんすか気持ち悪い! 帰らせていただきます!」ってそそくさと伯爵の城を後にしても全然おかしくないのですが、どうしても契約を結びたかったんでしょうか、ジョナサンはそのまま城に滞在してしまうのです。

濁流がうねる川の流れとかいかにもヘルツォークらしい険しい自然が登場したり、影を効果的に使った恐怖演出も見どころなんですが、やっぱりキンスキーの顔とたたずまい。なんか息を漏らす音も出しているし、これこそ怪演というべきでしょう。

ジョナサンが持っていたルーシーの写真を一目見た伯爵は、契約を即決。黒い棺桶に身を潜め、ジョナサンを城に閉じ込めてルーシーのもとへと旅立ってしまいます。船に積み込まれた棺桶の中身は植物用の土だとされていて、中を確認すると確かに土が入っていました。大量のネズミと共に。伯爵とともにこのネズミがペストを運んでいくのです。ドラキュラといえば鋭い犬歯ですが、本作の伯爵は尖った前歯が特徴。どうやらこれはネズミをイメージしているとか。かつてヴァンパイアは病気を運んでくるものと見なされていたそうです。

とうとうルーシーが暮らす街に到着してしまった伯爵。船員たちは皆変死を遂げていなくなっています。やがて街にはペストが流行し、次々に死者が出ます。ルーシーの危険を感じたジョナサンは遅れて戻ってきましたが、なぜか茫然自失となり、ルーシーのことすら憶えていないようす。

大量のネズミが街に溢れるようになりますが、なんと12,000匹の実験用ラットをハンガリーから輸入したそう。ところがヘルツォークのネズミの扱いが酷かったらしく、動物監修の担当者が仕事を降りたという逸話も。それはともかく、ペストに絶望した人々が享楽的になって歌い踊るさまが皮肉でした。

しかし、ルーシーは諦めていませんでした。医者から非科学的だと言われても、聖餐のパンや日光を厭がるというヴァンパイア対策を忠実に実行しようとします。ジョナサンに対するルーシーの愛情は伯爵も怯むほど強いのです。

美しい女性に魅入られたヴァンパイアは、夜が明けるのを忘れた挙げ句に朝日を浴びて消滅すると知ったルーシーは、自らの身を伯爵に差し出してジョナサンと街の人々を救うのです。圧倒的に美しいアジャーニならではの説得力です。

寝室に忍び込んできた伯爵がルーシーの首筋に噛みつく、というか舐めているようにみえるのが本当に気持ち悪い。そしてルーシーの計画通り、一晩中彼女の首にかぶりついていた伯爵は、鶏の鳴き声と共に朝日を浴び、苦しみながら倒れ込むのでした。一件落着かと思われましたが、伯爵にトドメを刺した医師は殺人の罪で拘束され、すっかりヴァンパイアと化してしまったジョナサンは馬を駆ってどこかへ走り去るのでした。

物語がシンプルなだけに、演出や俳優の魅力が際立つ作品です。







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