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アオラレ

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(原題:Unhinged 2020年/アメリカ 90分)
監督/デリック・ボルテ 製作/リサ・エルジー、マーク・ギル、アンドリュー・ガン 製作総指揮/ガイ・ボサム、クリスタル・ブルボ、メアリー・C・ラッセル、クリストファー・ミルバーン、ギャレス・ウェスト、ピーター・タッチ、アンダース・エアデン 脚本/カール・エルスワース 撮影/ブレンダン・ガルビン 美術/フレデリック・ワフ 衣装/デニス・ウィンゲイト 編集/マイク・マカスカー、スティーブ・ミルコビッチ、ティム・ミルコビッチ 音楽/デビッド・バックリー
出演/ラッセル・クロウ、カレン・ピストリアス、ガブリエル・ベイトマン、ジミ・シンプソン、オースティン・P・マッケンジー

概要とあらすじ
「グラディエーター」のオスカー俳優ラッセル・クロウが、あおり運転の常習犯を演じたスリラー。寝坊してあわてて息子を学校へ送りながら職場へと向かう美容師のレイチェル。車を運転する彼女は信号待ちで止まるが、信号が青になっても前の車は一向に発進しようとしない。クラクションを鳴らしても動じないため、レイチェルは車を追い越すが、つけてきた男から「運転マナーがなっていない」と注意されてしまう。謝罪を求める男を拒絶し、息子を無事に学校に送り届けたレイチェルだったが、ガソリンスタンドの売店でさっきの男に尾けられていることに気づく。レイチェルは店員から男があおり運転の常習犯であることを警告され……。素性不明の恐怖のあおり運転常習犯をクロウが怪演。被害者となるレイチェルを、「移動都市 モータル・エンジン」「否定と肯定」などに出演したカレン・ピストリアスが演じた。監督は「レッド・バレッツ」「幸せでおカネが買えるワケ」のデリック・ボルテ。(映画.comより



だからといって!

どう捉えていいか判断に戸惑う邦題の『アオラレ』。原題の『Unhinged』は「頭のねじが外れたキ印」みたいな意味なので、視点が真逆になっているのは確かです。

近年、悪質なあおり運転が問題になっていますが、日本に限った話ではないんですね。なにが楽しくてあおり運転なんかするんだろうと思うんですが、本作では、さまざまなストレスを抱える現代社会で、人々はキレやすくなっている……ということを至極丁寧に前置きします。そして、さっそく登場したラッセル・クロウが一軒の家に押し入り、住人を撲殺したうえ火を放って逃走するところから始まります。

かたや、夫と離婚調停中のレイチェル(カレン・ピストリアス)は、一人息子のカイル(ガブリエル・ベイトマン)を学校まで送り届けるため、車で出発。渋滞から抜け出して信号待ちをしていると、信号が青になっても前の車が発進しない。急いでいるレイチェルが長めのクラクションを鳴らすと、ようやく前の車は発進しましたがレイチェルの後を追ってきたようで、車を横に着けて窓を開けると「クラクションの鳴らし方に敬意がない」と絡んできます。その男こそ、トム=ラッセル・クロウクラクションのトーンポリシング! 謝罪を求められたレイチェルは「謝る筋合いなんかない!」と一蹴。それにブチ切れたトムが執拗に攻撃を始めるのでした。

「お互いに謝ろう」というトムの申し出をレイチェルが受け入れていればこんなことにはならなかった……と、言えないこともありませんが、クラクションの鳴らし方に文句を言うやつに謝ったところで、今度は謝り方が悪いと言い出すのは目に見えています。こんなサイコパスに出会ってしまったことを悔やむしかなかろうて。

そもそもレイチェルは時間にルーズ。フリーランスの美容師なのに客との待ち合わせに遅刻するとかありえないし、その理由はただの寝坊。クラクションの鳴らし方はたしかに相手の神経を逆なでするだろうし、やっぱり素直に謝っておけばよかったのかもしれません。でも、だからといってこんな酷い目にあわなきゃいけないの!? というのが、本作の意図するところなんだろうと思います。レイチェルの態度や振る舞いによって、肩を持ちづらい&応援しづらい主人公ではありますが……だからといって!

トムと遭遇する前、レイチェルが運転する車の車内では、いろんな伏線がこれ見よがしに散りばめられています。なかでもその後の展開にとって重要なのが、レイチェルがスマホにパスワードを設定していないこと。そのことで、レイチェルのスマホを奪ったトムが彼女の身辺や関係者を知ることになるのですが、いまやスマホは指紋認証や顔認証が当たり前。本作は時代設定が10年前なんでしょうか。それにしても都合がよすぎ。養護施設に入所したレイチェルの母が暮らしていた家のまわりが迷いやすいという話とか、ハサミなど、なにかと用意周到な設定なんですが、そのわりにはガソリンスタンドで男性が教えてくれたトムの車のナンバーはなんの役にも立たないという、ね。ていうか、ガソリンスタンドに立ち寄ったレイチェルが水を買っている間に、レイチェルの車に忍び込んだトムがスマホを盗むまではいいけれど、シートの下にタブレットを貼り付けるほどの時間的余裕があったっけ?

あおり運転の恐怖というのはあくまできっかけに過ぎず、早々に「サイコパスに絡まれて大変」な物語へ。一応、トムのターゲットはレイチェルとその家族なんですが、トムの行動はとにかく滅茶苦茶で人目を全く気にしないのでテレビニュースでも身バレし、警察だって放っておくはずもなく、もはや社会問題に。

残念なのはトムが怪我を理由に仕事をクビになって、浮気した妻からは離婚を迫られたという背景まで懇切丁寧に説明し、トムが自分の心情をぺらぺらと語りすぎること。スピルバーグの『激突(1971)』を持ち出すまでもなく、本作には執拗に追いかけてくる犯人の不気味さが皆無です。なんでこんな酷い目にあうのか、犯人の目的はなんなのかということが逐一明らかにされながら物語が進む親切設計。

一件落着して帰宅しようとするレイチェルはまたしても車と衝突しそうになり、クラクションを慣らそうとしますがかろうじて留まります。それを見たカイルは「いい選択だ」と言いますが、クラクションを鳴らして抗議しないことが「いい選択」といわれると、それも違うだろと若干モヤります。

嬉々としてサイコパスを演じたラッセル・クロウ
の怪演を楽しめば、それで十分なのかな〜という作品でした。







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