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アーミー・オブ・ザ・デッド

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(原題:Army of the Dead 2021年/アメリカ 148分)
監督・撮影/ザック・スナイダー 製作/デボラ・スナイダー、ウェスリー・カラー、ザック・スナイダー 製作総指揮/バーゲン・スワンソン 脚本/ザック・スナイダー、シェイ・ハッテン、ジョビー・ハロルド 美術/ジュリー・バーゴフ 衣装/ステファニー・ポーター 編集/ドディ・ドーン 音楽/トム・ホルケンボルフ
出演/デイブ・バウティスタ、エラ・パーネル、オマリ・ハードウィック、ギャレット・ディラハント、アナ・デ・ラ・レゲラ、テオ・ロッシ、マティアス・シュバイクホファー、ノラ・アルネゼデール、真田広之、ティグ・ノタロ、ラウル・カスティーロ

概要とあらすじ
「ジャスティス・リーグ」「ドーン・オブ・ザ・デッド」のザック・スナイダー監督が、ラスベガスを舞台に描いたゾンビアクション。ある日突然、ゾンビが大量発生し、人類は多くの犠牲を払いながらもラスベガスにゾンビを隔離することに成功した。ゾンビとの死闘の後、静かに暮らしていたスコットは、謎の男の依頼により、ラスベガス地下の巨大金庫を狙う強盗計画に加担することに。同じく招集されたクセ者だらけの傭兵たちとともに、大量のゾンビで埋め尽くされた危険エリアに侵入し、屈強で俊敏なゾンビたちと激しい戦いを繰り広げる。出演は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのデイブ・バウティスタ、「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」のエラ・パーネル、「100日間のシンプルライフ」のマティアス・シュバイクホファー、「モータルコンバット」の真田広之。Netflixで2021年5月21日から配信。(映画.comより



こんなもん85分以内でやれ

賛否両論ひしめく『アーミー・オブ・ザ・デッド』。大作ゾンビものと聞けば、眉に唾しながらも気にはなるではありませんか。監督のザック・スナイダーは『ゾンビ(1978)』のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド(2004)』で商業デビュー、『300(2007)』のアクション描写が斬新だったけれど、その後のアメコミは管轄外。かろうじて好きなのは『エンジェルウォーズ(2011)』くらい。

エリア51へと搬送される途中で逃げ出したゾンビが、ラスベガスで大暴れしてゾンビが大繁殖。アメリカ軍はコンテナを重ねた壁でラスベガスを囲い、封鎖するのでした。『ゾンビランド』っぽいふざけたオープニングを評価するひともいるようですが、ポップというよりも軽薄さのほうが際だっていて、すでに嫌な予感。

封鎖されたラスベガスの外は平穏を取り戻し、ゾンビ退治で活躍した元軍人スコット・ウォード(デイヴ・バウティスタ)は、ハンバーガーショップでパテを焼く日々。そこへふらりと現れたのが謎の富豪ブライ・タナカ(真田広之)。タカナはスコットにラスベガスのホテルの金庫に残された現金2億ドルを取ってきてほしいというのでした。取り分は山分けしていい、と。

わりと最近、こんな映画があったなと思い出したら『新感染半島 ファイナル・ステージ(2020)』。で、その元ネタが『ドゥームズデイ(2008)』。で、さらにその元ネタが『ニューヨーク1997(1981)』……。ということで、こすりにこすった設定です。まあ、面白ければそれでもいいんですけど、2億ドル強奪計画の誘いを受けたスコットはものすご〜〜〜くあっさりと引き受けるのです。金に困っていないといえば嘘になるかも知れないが、一攫千金を狙わないとどうしようもないほど経済的に追い詰められているわけでもありません。その後スコットが集めることになる仲間たちも同様で、彼らは「今の生活がなんかつまんない」から誘いを引き受けるのです。動機としてなんとも弱い。

集められたメンバーたちそれぞれが、あまりにも類型的なキャラクターで鼻白みますがそれはともかく、本作最大の特徴は、ゾンビが知性を持っていて大ボスを頂点に組織化されているということ。これをして「おお、新しいゾンビ像だ!」な〜んて喜ぶ呑気なゾンビもいるようですが、ゾンビが知性を持ったらそれはもうゾンビじゃないから。ただの荒くれ部族だから。子供まで作ってるし。ああ、『エイリアン2』か。ていうか、人間的知性のあるほうが優れているとでも言いたげな傲慢さが見て取れて、げんなり。

しかも案内役のコヨーテ(ノラ・アルネゼデール)は、ゾンビクイーンにバカマッチョの衛兵を生け贄として差し出してご機嫌をうかがうんだから、ゾンビ軍団は交渉の余地ありなのです。ぜんぜん恐ろしくない。というか、結局ボスゾンビ以外はただのザコでしかなく、統率されたゾンビ軍団との戦いというわけでもないのです。

一行に同行したタナカはんの警護役マーティン(ギャレット・ディラハント)の真の目的はじつは2億ドルではなく、ゾンビクイーンの首を持ち帰ることだったのじゃ!……というんですけど(ゾンビの軍事利用とかそゆことですかね?)、それなら最初からゾンビクイーンの首を取りにいけばよくね? なんでスコットたちを金で釣ったのかさっぱりわかりません。仮に金を奪うこともひとつの目的だったとしても、ゾンビクイーンの首を持ち帰ることがスコットたちを危険にさらすわけでもなく、「ゾンビクイーンの首を持ち帰るなんて、許せない!」と怒るはずもなく。つまり、2億ドルを奪うことと、ゾンビクイーンの首を持ち帰ることはぜんぜん対立しておらず、両立できるのです。2億歩譲って、ゾンビクイーンにたどり着くためにはスコットたちの戦闘力が必要だったとしたらまだ飲み込めるんですが、ゾンビクイーンは最初からのこのこ出歩いてるし、しかもマーティンは縄が飛び出る銃で簡単にゾンビクイーンを捕まえて、ひとりであっという間に首チョンパしちゃうんですから。コヨーテとふたりで十分じゃん。

にもかかわらず、タナカはんとマーティンの企みがスコットたちの意に反した裏切り行為だと強引に印象づけるためだけに、ゾンビSNSインフルエンサーが連れてきた女性がマーティンの意地悪で死ぬのです。不憫。ていうか、彼女の死をスコットたちもあんまり気にしていない。

後半になると、やたらグズグズダラダラした冗長なシーンが続きます。スコットとマリア(アナ・デ・ラ・レゲラ)のほのかな恋とか、ベタなシンセがファ〜て流れ始めると安い感動モードに。で、そういうシーンになるとほかのメンバーはどっかに行っちゃって急に二人っきりになるのよね(チェンソー黒人と金庫破りのときも同じ)。スコットとマリアの関係なんて、もしかしたらふたりには恋愛感情があるのかな? と思わせるだけで十分なので2秒あれば事足りる。つまりは、直後にマリアが首をひねられて死ぬカットのためだけに存在するフラグのシーン。いらん。こんなことをしているから上映時間が無駄に長くなる。

スコットと娘ケイト(エラ・パーネル)のやりとりは、ザック・スナイダー監督自身が20歳の養女を自殺で亡くした事実が反映されているという意見もあるようで、まあそういう面がまったくないとは言わないまでも、家庭を顧みなかった父親が娘との軋轢を経て和解するという設定にうんざり。最近なら『ミッドナイト・スカイ』でも観たよ。一体いままで何回この設定が描かれてきたことでしょう。アメリカ人の父親はどんだけ後悔していてどんだけ娘に許されたいんだろう。

ケイト役のエラ・パーネルがかわいかったのが唯一の救い。コメディとしても、ホラーとしても、シリアスドラマとしてもすべて中途半端で的外れ。ゾンビを扱っているのに社会風刺はゼロ。ゾンビが知性を持ったぶん、スタッフから知性が消えたんでしょうか? とにかく心底つまらない。絶望的に面白くない。そのうえ、上映時間148分。こんなもん85分以内でやれ。







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