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コンテイジョン

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(原題:Contagion 2011年/アメリカ 106分)
監督/スティーブン・ソダーバーグ 製作/マイケル・シャンバーグ、ステイシー・シェア、グレゴリー・ジェイコブズ 製作総指揮/ジェフ・スコール、マイケル・ポレール、ジョナサン・キング、リッキー・ストラウス 脚本/スコット・Z・バーンズ 撮影/ピーター・アンドリュース 美術/ハワード・カミングス 編集/スティーブン・ミリオン 音楽/クリフ・マルティネス
出演/マリオン・コティヤール
、マット・デイモン
、ローレンス・フィッシュバーン
、ジュード・ロウ
、グウィネス・パルトロウ
、ケイト・ウィンスレット
、ブライアン・クランストン
、ジェニファー・イーリー
、サナ・レイサン


概要とあらすじ
「トラフィック」「オーシャンズ11」のスティーブン・ソダーバーグ監督が、マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレットら豪華キャストを迎え、地球規模で新種のウィルスが感染拡大していく恐怖を描いたサスペンス大作。接触感染により数日で命を落とすという強力な新種ウィルスが香港で発生。感染は瞬く間に世界中に拡大していく。見えないウィルスの脅威に人々はパニックに襲われ、その恐怖の中で生き残るための道を探っていく。(映画.comより



人間の持病

ただいま(2020年1月末)、中国武漢市を発祥とする新型コロナウイルスの蔓延によって世界は戦々恐々としてります。中国政府は武漢市に通じる道路を土砂で封鎖、日本国内でも「中国人が健康保険目的で日本に押し寄せる」という事実無根なデマが飛び交ったりするなか、WHOが緊急事態宣言を出す事態となっております。

こんなときこそいかがでしょうかというわけで、スティーブン・ソダーバーグ監督『コンテイジョン』です。なんの前触れもなく、冒頭から具合の悪い人たちが次々と登場します。接触感染による伝染だと印象づけるため、バスの手すりなどがクローズアップされます。シカゴで元カレと浮気し、香港で飛行機のフライトを待っていたベス(グウィネス・パルトロウ)は発症し、早々に死を迎えて退場。どうやら香港が発症の謎のウイルスは軽やかに日本へと飛び、東京都内のバスの中ではひとりの日本人男性が発症します(バス車内の路線図がちゃんと東京の都バスでした)。ウイルスが発祥したのが東アジアというのも、現実の新型コロナウイルスとよく似ています。

ミッチ(マット・デイモン)は妻ベスが急に倒れたので、慌てて救急車を呼ぶものの、残念ながらベスは死亡。さらにベスの連れ子の息子も感染して死んでしまいます。ふたりと生活を共にしていたミッチも当然感染を疑われて隔離されるのですが、なぜか彼には免疫があって発症しませんでした。ならば、まずミッチを精密検査して抗体を発見できないのかと思ってしまいますが、彼がウイルスに感染しない理由はとくに追求されることはなく、最後まではっきりしないままになっています。

マリオン・コティヤール
、ローレンス・フィッシュバーン
、ケイト・ウィンスレット
などなど、なかなかのオールスターキャストを揃えている本作。みんな医療従事者かつ研究者で、なんとかしてこのパンデミックを終息させようと懸命に努力している人たちです。人命救助の使命感に駆られて職務を果たす彼らですが、それでもこっそり身内を優先させてしまう弱さも持っています。でもこれは、だれにも責められません。フランスとアメリカがすでに開発されたワクチンを隠し持っているという陰謀論に絡め取られた男性は、村の子どもたちを救うためにマリオン・コティヤール
扮する科学者を拉致してしまいます。それでも、マリオン・コティヤールはその切迫した事情に共感し、むしろ協力する態度をみせるのです。

で、本作の肝となるキャラクターはジュード・ロウ
扮するアランというフリーライター。エキセントリックなブログ記事で多くの読者を持つアランは、科学者の身内優遇を暴露し、陰謀論を煽ってネット上のフォロワーの賛同を得ます。それは彼の虚栄心によるものですが、非常にわかりやすい「敵」を生み出す彼の手法は、インターネットを通じて瞬く間に「コンテイジョン=感染」し、食料品の買い占めや強奪などの暴動を引き起こすことになるのです。新型ウイルスの伝染そのものよりも、本作のキャッチコピーである「恐怖は、ウイルスより早く伝染する」ことのほうが本作で表現されている本質です。ネットの情報は信用ならないと繰り返し強調されますが、アランは旧態依然とした紙媒体のメディアに辟易しています。ネット上の言説における自由さと速報性を優位に感じているのでしょうが、真実よりも「自分が思いたいようにしか考えない」人々を喜ばせているに過ぎません。

東日本大震災のとき、というかそれにともなう福島第一原発から漏れ出た放射能に対する反応においても「安全」と「安心」との違いが取り沙汰されました。たとえ「安全」だと言われても「安心」できない限り、恐怖心に後押しされた人々のヒステリックな行動を制御するのは難しいものです。本作はあくまでも伝染病の脅威ではなく、インターネットによって伝播する流言とそれによって自制を失う人々のほうに重きを置いていると思います。

接触感染を指摘する割りには手洗いの重要性が語られないのがちょっと不満だったり、登場人物それぞれのエピソードが尻切れトンボな感じが否めませんが、パニックに陥った人々の偏見ややけっぱちの略奪など、人間というやつは、同じことを何度経験してもちっとも学習しないのですな。こりゃあもう、決して治療法やワクチンが見つからない人間の持病ではないでしょうか。どうしましょ?







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