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ルトガー・ハウアー/危険な愛

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(原題:TURKISH DELIGHT 1973年/オランダ 100分)
監督/ポール・ヴァーホーヴェン 製作/ロブ・ホウワー 脚本/ジェラルド・ソエトマン 撮影/ヤン・デ・ボン 音楽/ロジェ・ヴァン・オテルロー
出演/ルトガー・ハウアー、モニク・ヴァン・デ・ヴェン、トニー・ハーデマン、ドルフ・デ・ヴリーズ

概要とあらすじ
「スターシップ・トゥルーパーズ」などで知られるポール・バーホーベン監督がオランダ時代に手がけた監督第2作にして、後に「ブレードランナー」でブレイクする個性派俳優ルトガー・ハウアーの映画デビュー作。彫刻家の青年エリックは、ヒッチハイクで知り合った女性オルガと恋に落ちる。やがて2人はオルガの母の猛反対を押し切って結婚し、幸せな日々を送りはじめる。しかし、良き理解者だったオルガの父の死をきっかけに2人の結婚生活は破綻を迎え……。(映画.comより



おっぱいとウジ虫、エロスとタナトス

2019年7月19日、ルトガー・ハウアーが75歳で亡くなってしまいましたね。残念ですが、悪役でもどこか知性を感じる端正な顔立ちと匂い立つような色気は後世に語り継がれることでしょう。盟友ポール・ヴァーホーベン監督と組んだルトガー・ハウアーの映画デビュー作『ルトガー・ハウアー/危険な愛』は、オランダ映画史上最大の観客動員を記録したと言われておりますが、下品さが詰め込まれたヴァーホーベン監督の原点とも言うべき作品です。

冒頭、いきなり二組のカップルを殺害する笑みを湛えながらエリック(ルトガー・ハウアー)。シリアル・キラーかと思いきや、盛大なボカシとともにベッドに全裸で仰向けになっているエリックが。どうやらカップル殺害は彼の夢(妄想?)だったようす。枕元にコレクションしてある女性のバストアップ写真のなかから一枚を手に取ったエリックは、写真を壁に貼り付けていちもつを懸命にしごき始めます。まだ始まったばかりなのに、下品をたたみかけます。

街に繰り出したエリックは次々と女性をナンパ……というか、かなり強引にゲットして自分のアトリエに連れ帰ります(壁には『バーバレラ(62)』のポスターが)。女性たちが嬉々として彼の誘いに乗るところをみると、やっぱりルトガーの魅力には敵わないってことでしょうか。エリックはナンパした女性の陰毛を切り取ってスクラップしてみたり、胸が小さい女性を馬鹿にしてみたりとやり放題。乳母車に赤ん坊を乗せた女性が喘ぎながら子供をあやすシーンなど、ほとんどコメディ。まるで軽いノリのピンク映画のようです。どうやら自暴自棄になっているエリックは、とくに「おっぱい」には並々ならぬこだわりがあるようす。

ときは遡って2年前。彫刻家(造形作家?)のエリックは、出資者に対する反撥をむき出しで、まるでヴァーホーベン監督自身のよう。食事シーンで、彼の料理の中にだけ馬の目玉が混ざっていたり、デザートがカチカチだったりするのは彼の被害妄想かもしれませんが、とにかく、派手にゲロをぶちまけて料理を破壊したその場から逃げ出したエリックが、ヒッチハイクをしているところに一台の車が止まったのでした。運転していたのはオルガ(モニク・ヴァン・デ・ヴェン)

速攻で恋に落ちたふたりは速攻で結ばれます。ジーンズのファスナーにイチモツが挟まって苦しむエリックのために、プライヤーを借りに行くというくだりはなんなんだよと思いますがそれはともかく、エリックがオルガにジャケットを着せようとしたそのとき、オルガがハンドル操作を誤り、ふたりが乗った車は木に激突。重傷を負うことに。

しばらくして再会したエリックとオルガは完全にラブラブ状態。オルガの母親には拒まれたものの、父親はふたりを祝福し、めでたく結婚。ふたりの破天荒な生活が多幸感一杯に描かれます。相手が女王陛下だろうとなんだろうと、権威と良識を笑い飛ばす痛快さがあります。エリックが理想としていたのはオルガの「おっぱい」なのです。それは同時に、造形作家としての美へのこだわりでもあると思います。

しかし、ふたりに好意的だった父親の死のあたりからほころびが見え始め、生活費のためにエリックがオルガとのセックスを描写したデッサンを売ったことで決定的に。まあ、エリックならそのくらいのことはやりそうなことだと思っていたので、オルガの失望はいまいち理解できませんでしたが、とにかくふたりは破局を迎えます。それでもオルガへの想いを断ち切れないエリックは彼女の家に居座りますが、眠っているオルガにのしかかるという最悪の行為に出て取り返しのつかないことに。

時が経って再会したエリックとオルガ。新しいフィアンセとアメリカに行っていたというオルガは、エリックが見惚れていた赤毛をブロンド風に染め、まるで娼婦のように派手なメイクになっています。それでもふりしぼって「似合ってるよ」というエリックでしたが、その直後オルガは倒れ込んでしまいます。彼女はかつての母親同様、ガンに冒されていたのでした。治療の甲斐なくガンは進行し、髪の毛を失ったオルガはついに息を引き取ります。静かに病院から立ち去るエリック。狂騒的な前半とは打って変わって、なんとも切ないエンディング。

便器のうんちを手で持ち上げたり、ウジ虫や糞をする犬(破水した妊婦から流れ出た羊水を舐めに来る犬も)などなど、ヴァーホーベン監督らしい挑発がそこかしこに観られます。エロスとタナトスとかいうとかっこいいんでしょうけど、そんなことより、ブラジャーをしたルトガー・ハウアーがちんちんを股に挟んで(これはボカシがない)飛び跳ねるんですから、こんな映画、ほかにないでしょう。







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