" />
FC2ブログ

ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル

huntforthewp.jpg



(原題:HUNT FOR THE WILDERPEOPLE 2016年/ニュージーランド 101分)
監督・脚本/タイカ・ワイティティ 原作/バリー・クランプ
出演/サム・ニール、ジュリアン・デニソン、リス・ダービー、リマ・テ・ウィアタ、レイチェル・ハウス

概要とあらすじ
手が付けられない非行のため児童福祉局の頭を悩ます問題児のリッキー。施設からニュージーランドの森でクラス夫婦のもとに預けられ、新たな生活を始めるが…。(NETFLIXより



はぐれもの同士の友情と「出前一丁」

傑作コメディ『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(14)』のタイカ・ワイティティ監督による『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』。ぼかぁもう『シェアハウス〜』が大好きなのですが、ワイティティ監督、『マイティ・ソー バトルロイヤル(17)』とかの監督も務めていたんですね。アメコミ映画をほぼほぼ観ないので全然知りませんでした。

非行を繰り返し、「問題児」とされる13歳のリッキー・ベイカー(ジュリアン・デニソン)は児童福祉局の職員に連れられて森の中で暮らすヘクター(サム・ニール)ベラ(リマ・テ・ウィアタ)のフォークナー夫婦の元へと送られてきます。リッキーのデブ具合が憎たらしい。ヘクターはリッキーを預かることに乗り気ではなさそうですが、ベラは歓迎ムード。猫の目柄のセーターがすでに可笑しい。

ふてくされているリッキーにベラがあまりにも優しく接するので、これは大変なことになるぞと思っていたら、ベラのほうが一枚も二枚も上手。家出したリッキーが森(というかブッシュ)の中で迷子になっても「朝ご飯食べてから家出すれば〜?」なんつって余裕綽々。かと思えば、野生の豚を血だらけになりながらナイフひとつで捕獲するところを見せつけて、完全にリッキーの心をつかみます。そのせいか、意外と素直なリッキーはこの家族にすぐに懐くのです。

ところがなんと、ベラは早々に突然死してしまいます。ヘクターに児童福祉局に送り返されると悟ったリッキーはブッシュのなかへと逃げ込み(納屋を全焼させて)、あとを追ってきたヘクターとの凸凹な逃避行が始まるのでした。

タイカ・ワイティティの「笑い」というか「ユーモア」って、誰かを蔑んだり皮肉を言ったりするのではなく、なんだかいつも機嫌がいいのです。そこが不思議と心地よいのです。本作には嫌な連中も登場しますが、彼らにさえ愛らしいマヌケさがあります。『ターミネーター』や『ロード・オブ・ザ・リング』などの映画ネタもちょこちょこありますが、シネフィル気取りの嫌味は感じません。また、リッキーが「俳句」を嗜んでいたりする日本ネタがあるのも日本人にとっては素直に嬉しい。ちらっと「出前一丁」も登場します(捨てられてたけど)。ヘクターとリッキーのふたりが協力して盗みを働くシーンで流れる、ニーナ・シモン『Sinnerman』のカッコよさったらありゃしない。

リッキーの「意味深な」証言によって性犯罪者だと勘違いされたヘクター。ブッシュの中を縦横無尽に移動しているうちに、ふたりの逃避行はニュースにも取り上げられ、果ては賞金までかけられる騒ぎに。性犯罪者が少年を誘拐したという世間の評判と打って変わって、ヘクターとリッキーは徐々に友情を深めていきます。馬に乗った美少女カフ(Tioreore Ngatai-Melbourne)との恋らしきものを体験するリッキーにとっては、この逃避行こそ成長のための通過儀礼であり、母親に捨てられたリッキーと前科のあるヘクターはともに「はぐれもの」同士の絆を深めていきます。そして、このふたりの「はぐれもの」を寛容な愛情で受け入れていたのがベラ。

派手なカーチェイスののち、結局ヘクターは逮捕され(ていうか、リッキーが後ろから撃ったからだけど)、リッキーはカフの家族に引き取られます。しかし、ふたりの間に根付いた友情は枯れず、老人養護施設にいるヘクターをリッキーが訪れます。あいかわらず愛想のないヘクターでしたが、文盲だった彼はその後懸命に文字を覚え、リッキーとの逃避行を俳句にしていたのでした。そして、ふたりはブッシュで見かけた幻の鳥「フイナ」を求めて再び旅に出るのです。

最後には、あの憎たらしいデブガキのリッキーが可愛く見えてくるから不思議。ほっこり楽しい作品です。







にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

アーカイブ

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンター