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殺人者の記憶法

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(原題:Memoir of a Murderer 2017年/韓国 118分)
監督/ウォン・シニョン 製作/ユ・ジョンフン、ウォン・シニョン 原作/キム・ヨンハ 脚本/ファン・ジョユン 撮影/チェ・ヨンファン 美術/イ・ジョンゴン 編集/シン・ミンギョン 音楽/キム・ジュンソン
出演/ソル・ギョング、キム・ナムギル、キム・ソリョン、オ・ダルス

概要とあらすじ
「監視者たち」「ソウォン 願い」「シルミド SILMIDO」など数々の作品で韓国を代表する名優ソル・ギョングが、アルツハイマーのために記憶があいまいな元連続殺人犯を演じ、「ワン・デイ 悲しみが消えるまで」「パイレーツ」のキム・ナムギル扮する新たな連続殺人犯との対決を描いたミステリーサスペンス。かつて連続殺人を犯した獣医のビョンスは、いまはアルツハイマー病に侵され、記憶がおぼろげになっていく日々を送っていた。あやふやになる記憶への対処のため毎日の出来事を録音する習慣がついていたビョンスは、ある日、偶然出会った男テジュの目つきに、テジュが自分と同じ殺人犯であるという確信を抱く。やがてテジュはビョンスのひとり娘ウンヒのそばをうろつくようになり、ビョンスはひとりでテジュを捕らえようとするのだが……。(映画.comより



あとに残る物足りなさ

殺人者がアルツハイマー? てことで、なかなか面白そうだと思いながら見逃していた『殺人者の記憶法』

最近のものから遡って徐々に記憶を失っていくというアルツハイマーを患った初老のキム・ビョンス(ソル・ギョング)。基本的に記憶が曖昧なのだけれど、時折しゃきっとしたりするから周囲も扱いに戸惑っています。でも、これは本人が一番歯がゆいでしょうねぇ。ビョンスは自分がアルツハイマーだという自覚があるだけまだマシなのかもしれません。動物病院を営みながら、可愛い一人娘のウンヒ(キム・ソリョン)とのふたり暮らしを送るビョンスでしたが、あるとき、預かった小型犬に同じ薬を二度注射して死なせてしまい、店を閉じてしまいます。

チック症のような症状が現れると記憶をなくしてしまうビョンスですが、昔のことはなかなか頭から離れないようす。かつて少年の頃、彼はDV父親を殺して埋めた過去があったのですが、父親殺害を機にビョンスは殺人に目覚め、「殺人ではない。これは掃除だ」と世直し殺人に邁進する殺人鬼と化したのです。その詳細は彼のアルツハイマーによって忘れられてしまうのですが、それはビョンスの後ろめたさによるものであり、自分が犯した罪からの逃避行動にほかなりません。思い出したくないこと(=忘れたいこと)と忘れてはならないことがコントロールできないというのが本作の見どころのひとつでしょう。

そんななか、若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が発生し、テレビニュースを賑わせます。車を走らせていたビョンスが追突事故を起こし、追突した車の開け放たれたトランクにはどうみても人をくるんだようなナニが。ビョンスがトランクの中にしたたる血を拭き取ると、車からゆらりと降りてきた男ミン・テジュ(キム・ナムギル)は「鹿を轢いたんです」と。そして事故の示談交渉もなく、ビョンスが差し出した名刺を受け取って去って行くのでした。

もちろん、テジュが連続殺人事件の犯人なのですが、最初にビョンスとコンタクトしたこのシーンのいい加減さというか緩さが解せません。確実な証拠となる血液まで採取され、白々しい嘘で乗り切ろうとするのは、ビョンスがアルツハイマーなのでどうせ忘れるだろうという前提にたっているようにしか思えません。一貫して類型的なニヤニヤ顔のテジュは、いかにも狡猾な犯罪者にみえますが、すべてにおいてビョンスのアルツハイマー頼みの犯行。彼は自身の失策をリカバリーするために、わざわざビョンスの娘ウンヒに近づき、ビョンスが採取した血痕をすり替えたりしているのですから、余裕綽々な風貌に反してさほど計画的ではなく、かなり行き当たりばったりなやつです。

ビョンスは記憶が曖昧で、娘のウンヒの首を絞めて殺そうとしたりする衝動に駆られます。やがてビョンス自身がいま起きている連続殺人事件は自分の仕業ではないのかと、疑心暗鬼になるのですが、こちとら超然としていかにも憎たらしいテジュが真犯人だとわかっているので、もしかしたらすべてビョンスの仕業では? と、観客がビョンスを疑ってしまうまでには至らず、残念なところ。

また、ビョンスは記憶を失っていくだけでなく、都合のいい記憶を作り上げてしまうこともあって、ちょっとご都合主義的な面はありましたが、それなりのサスペンスは感じました。あっと驚くほどではないけれど。

テジュはテジュで、子供時代のトラウマを抱えており、母親にアイロンでえぐられた頭をわざわざ見せてくれます。だからといって、少しも彼に同情する気にはなれませんけど。格闘の末、ビョンスはテジュに勝利し、テジュは死んでしまいましたが、最後に「記憶を信じるな。 テジュは生きている」と続編を臭わせるような台詞が。物足りなさが残る作品でした。







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