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悪魔(1972)

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(原題:The Devil Diabel 1972年/ポーランド 119分)
監督・脚本/アンジェイ・ズラウスキー 製作/ヤン・モチドウォフスキ 撮影/マチェイ・キヨフスキ 音楽/アレクサンデル・ゴウェンビオフスキ 編集/Krzysztof Osiecki、
Jadwiga Jakudowska
出演/ボイチェフ・プショニャック、レシェック・テレシンスキ、Malagarzata Braunek、イガ・マイエル、Wikter Sadecki、Michal Grudzinski、Maciej Englert

概要とあらすじ
悪魔に魅入られたひとりの男の苦悩と悲劇的な結末を描く。製作はヤン・モチドウォフスキ、監督・脚本は「ポゼッション」のアンジェイ・ズラウスキ、撮影はマチェイ・キヨフスキ、音楽はアレクサンデル・ゴウェンビオフスキが担当。出演はヴォイツェフ・プショニャック、レシェック・テレシンスキほか。オリジナル・タイトルは“Diabel”。18世紀終わりのポーランド。独立を失い、3つの軍事勢力が国を分断し、大動乱が各地で起きていたそんなある日、陰謀を企んだかどで精神病院に囚われていた若者ヤコブ(レシェック・テレシンスキ)は、プロシア人の奇妙な小男(ヴォイツェフ・プショニャック)に助けられ、脱走に成功する。実は彼はスパイに身をやつした悪魔なのだが、それに気づかないヤコブは自分の家を目指し、国中を歩き回るが、やがて彼は、祖国やそこに住む人々の、荒れ果て、すさみきった心に強い衝撃をうけ、次第に心の均衡を崩してゆく。そして悪魔から渡されたカミソリで、自分の母親(イガ・マイエル)、兄、妹、そしてたくさんの人々を衝動的に殺してしまう。悪魔の誘惑から脱け出そうとヤコブは必死に苦悩するが、時すでに遅く、遂に彼は自ら命を絶ってしまう。そしてスパイを続ける事に疑問を抱き始めた悪魔は、ひとりこの荒涼とした国土をさまよい続けるのだった。...(映画.comより



悪魔の「浄化」

アンジェイ・ズラウスキー監督作2作目の『悪魔』。あまりにも暴力的だとしてポーランド国内で上映禁止処分を受けた曰く付きのカルト映画です。

国王暗殺を企てた罪で修道女が看護する精神病院に囚われていたヤコブ(レシェック・テレシンスキ)。そこに黒ずくめの男=悪魔(ヴォイツェフ・プショニャック)が現れ、ヤコブを病院から逃がします。ヤコブが故郷に戻ってくると、父親は家に火を放ち、銃で頭を撃ち抜いベッドで死んでいました。金儲けのために娼婦となった母親を探しに行ったり、ライバル(?)に寝取られた妊娠中の元恋人と再開したりと彷徨ううちに、悪魔の誘導によってカミソリで次々と人を殺していくのでした……。

というのが一応のストーリーなんですが、まーよくわからない。ヤコブが悪魔に連れ出される最初のシーンから多くの人が入り乱れ、馬に乗った兵士が現れ、カメラはあっちこっちと動き回って大変なことになっているのです。そしてほとんどの登場人物が狂ったように暴れ、身もだえ、のたうち回って叫びます。どうやら1968年にポーランドで起きた「3月事件*」に対する批判が込められているようです。

ヤコブが関わるのは、父と母、会ったことがない兄弟と妹、元恋人と恋敵と、途中で遭遇する劇団を除けば家族や親しい者ばかり。彼は血の呪いに苦悩しているのでしょうか。悪魔に操られたヤコブが狂っているのか、それともこの世の中が狂っているのか、いや、世の中が狂っているからヤコブも狂ってしまったのか……。ヤコブにつきまとう悪魔の目的は「浄化」だと言っています。悪魔は腐敗しきった人間界を「浄化」するためにヤコブを利用したのでしょうか。

とにかく男たちから忌み嫌われているヤコブは、女性たち(と劇団の座長的な男)には好かれているようす。それは彼の「美しさ」に起因しているのかもしれません。まあ、ひげ面で髪がボサボサのヤコブが美しいかどうかは疑問ですが、少なくとも映画の中ではそう言われています。

修道女を除いて、ヤコブに関わった人々はすべて死んでしまいます。そして最後にはヤコブも悪魔に銃で撃たれて死ぬのです(これは自殺なのかも?)。修道女にのしかかった悪魔は、彼女に陰茎をカミソリで切られ、顔が毛むくじゃらになったかと思うと、黒い犬に姿を変えるのでした。なにを言ってるんだとお思いでしょうが、そうなのです。

今となっては、過度に暴力的な印象は受けませんが、カミソリを使った攻撃による痛さや嫌さは健在です。

【参考】
政府に弾圧された未完SF大作『シルバー・グローブ/銀球で』

ポーランドがいま直視する加害の歴史~「3月事件」とユダヤ排斥という過去







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