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三人の夫

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(原題:三夫 Three Husbands 2018年/香港 101分)
監督/フルーツ・チャン 脚本/ラム・キートー
出演/クロエ・マーヤン、チャン・チャームマン、チン・マンライ

概要とあらすじ
香港インディペンデント映画界を代表するフルーツ・チャン監督が、「ドリアン ドリアン」「ハリウッド・ホンコン」と併せて自ら「娼婦3部作」と呼ぶ作品群の最終作。常人離れした性欲に悩む女性ムイ。父親は彼女を年老いた漁師に嫁がせる。2人の男はムイに売春させて金を稼ぎ、一石二鳥を得る。そんな中、ムイと驚くような性体験をして彼女の虜になった青年が3人目の“夫”となる。しかし彼だけではムイを満足させられず、彼女は結局客を取り続けることになり……。主演は「天安門、恋人たち」のクロエ・マーヤン。2018年・第31回東京国際映画祭コンペティション部門出品。(映画.comより



崇高さか愚かさか

「娼婦3部作」の完結編というフルーツ・チャン監督『三人の夫』。全2作の『ドリアン ドリアン』『ハリウッド・ホンコン』は観ていないし、近作の『ミッドナイト・アフター(14)』がかなりアレな作品だったので、どうかな〜と思ったのですが、斬新な設定に興味を抱いて観に行って参りました。

冒頭、網の上であぶられて蠢くアワビ(トコブシ?)がモロにナニを表現していてエロティック。香港の港で船上生活をしているムイ(クロエ・マーヤン)は、売春をして年老いた夫との生活を賄っているのでした。客の男たちと身体を重ねるムイは盛大にあえいでいるのですが、どうやら言葉によるコミュニケーションがまともにできない自閉症のような女性。というと、すぐさま『岬の兄妹』を思い起こさせるのですが、本作はさらにコミカルで重苦しさは一切感じません。この作品のために13kgも増量したというムイ役のクロエ・マーヤンは、豊満な裸体を惜しげもなく披露していますが、彼女がベッドに横たわっている姿はイルカやジュゴンのような「海の生物」を想起させます。後半、海に飛び込んだムイを網で捕獲するのはまさにそれ。

ムイの客のひとりだったメガネ(チャン・チャームマン)は完全にムイに入れあげ、ついに彼女と結婚します。団地の狭い部屋で新婚生活を始めたメガネとムイでしたが、ムイの有り余る性欲にメガネもたじたじ。とうとう近所のおっさんとまぐわうようになったため、ふたりはふたたび船上生活へと戻るのでした。

ムイの父親、あてがわれた年老いた夫、そしてメガネの3人は、おかしな協力関係を保ちながら、なんとかムイの性欲を満たすためにふたたび売春を始めます。それは同時に彼らに安定した収入をもたらします。誰の子供かわからないけれど出産したばかりのムイのおっぱいからは母乳が吹き出る始末。それでも留まらない彼女を満たすため、ウナギや老夫の腕まで使ってムイの性欲を治めようとする姿はまるでキワモノAVのよう。

本作は香港と中国本土とののっぴきならない関係が暗に描かれ、さらにそれを香港に伝わる人魚伝説に結びつけて、ファンタジックに表現しているとのことなのですが、中盤以降は展開に乏しく、ムイの性欲に翻弄される男たちがコミカルに描かれるばかりで、若干退屈に感じてしまいました。

香港とマカオを結ぶ「港珠澳大橋」を拝みながら、ボロ漁船に乗った「三人の夫」を引き連れたムイが、パートカラーによってひとり赤い布を纏っているのは、彼女が超然とした存在であることを感じさせます。倫理ではなく本能に従うムイの崇高さか、それともムイに翻弄される男たちの愚かさか。







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