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マッド・ダディ

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(原題:Mom and Dad 2017年/アメリカ 85分)
監督・脚本/ブライアン・テイラー 製作/クリス・ルモール、ティム・ザジャロフ、ブライアン・テイラー 撮影/ダニエル・パール 美術/ジェームズ・C・ワイズ 衣装/ジーナ・ルイス 編集/ローズ・コアー、フェルナンド・ビレナ
出演/ニコラス・ケイジ、セルマ・ブレア、アン・ウィンターズ、ザカリー・アーサー、ランス・ヘンリクセン、オリビア・クロチッチア

概要とあらすじ
ある日親たちが凶暴化し、わが子に襲いかかる世界を描いたニコラス・ケイジ主演のスリラー。2人の子どもにも恵まれ、幸せな毎日を送っているブレント。いつものように会社に行き、オフィスのテレビでブレントが見たのが、親が実の子どもを殺害する事件が相次ぎ、国中がパニック状態となっているという驚がくのニュースだった。子どもたちの身を案じたブレントは仕事を早めに切り上げて帰宅するが、子どもたちはいつもどおりに無事に暮らしていた。しかし、愛する子どもたちの顔を見た瞬間、ブレントの心に「この子たちを殺さなければ」という正体不明の殺意が生じてしまう。監督は「アドレナリン」「ゴーストライダー2」のブライアン・テイラー。(映画.comより



心の底から本当に…

「ケイジもの」だと思って観た『マッド・ダディ』。想像をはるかに超えるB級、いやZ級の超駄作でした。監督・脚本は、ジェイソン・ステイサム主演『アドレナリン』のブライアン・テイラー

70年代風(?)なタイトルはなかなかかっこいいと思いましたが、その後の激しいカメラの切り返しによる家族のシーンで早くも嫌な予感が。ふざけているんだか、意図したパロディなんだかわかりませんが、とにかく劇判がうるさくて、導入なのにちっとも落ち着きません。スマホの画面をオーバーラップさせてみたりして、どうやらいろいろと映像に趣向を凝らしているようですが、ことごとく演出もたらす効果に意味がなく、映画ごっこを愉しむ自主製作映画にしかみえません。

やがて、子どもたちが通っている学校には、なぜか大勢の親たちが集結。金網の向こうでひしめき合っている親たちはまるでゾンビのよう。どうやら親たちが子供を殺したくなる謎の感染症(?)が蔓延したらしいのですが、いきなり親たちが大挙して押し寄せる事態から始まるので、なにがなにやらさっぱりわかりません。冒頭で、子供を車に乗せた母親が踏切内に車を置き去りにして子供を殺すというわずかなシーンがありましたが、少しずつ感染が広まっていく恐怖は微塵もありません。

ニコラス・ケイジとセルマ・ブレアの夫婦が生活に鬱屈を溜めている描写は一応あったものの、彼らが耐えに耐えているというには状況が十分ではないし、ここで限界に達したというスイッチが入れ替わるシーンもありません。本作にはなにひとつ葛藤がないのです。

さらには、時折不作法なやり方で回想シーンが挟み込まれますが、映像的にも編集的にも面白みがまったくなく、せっかく盛り上がりそうなシーンの緊張感を自ら分断し、目減りさせる効果しかもたらしていません。

しかも、学校に押し寄せた親が教師を刺したり、セルマ・ブレアが地下室にこもった子供から銃で撃たれたりする場面で肝心な決定的瞬間をみせないのです。よって、どんな酷いことが行なわれたのかを映像で知らされることはなく、なんとなく状況を忖度して、ああそういうことなのねと納得することの繰り返し。これほどまでに語り口が下手くそな映画を久しぶりに観ました。

どう考えても本作の設定なら、勝手気ままな子どもたちの振る舞いに我慢に我慢を重ね、育児の鬱憤を貯め込んだ挙げ句に爆発するという、助走が必要なはずだと思うのですが、本作はそこがあまりにもデタラメ。ニコラス・ケイジが地下室に作ったビリヤード台をセルマ・ブレアに咎められてぶち切れするシーンはあったものの、彼らが若いときの夢をあきらめて現実に失望していることと、子どもに対する攻撃はまったく関連性がありません。子育てのせいでなにかを犠牲にしたことを、もっとはっきりと提示すべきではないでしょうか。

子どもたちを殺そうとするケイジ&セルマのところに、ケイジの両親が現れて息子夫婦を殺そうとするシーンはにわかに面白くなりそうな気配がしましたが、死んだかに思われた黒人の彼氏が唐突に助けに蘇ったり、もう本当に下手としか言いようがない演出と編集が続きます。おそらくニコラス・ケイジは、求められているオーバー・アクトを懸命にこなしているし、セルマ・ブレアも自前の三白眼を生かして奮闘していると思います。それをすべて台無しにしているのがブライアン・テイラー監督であり、彼が書いた脚本です。

最後には子どもたちに捕らえられたケイジ&セルマが「お前たちを愛している。でも、ときどきどうしようもなく……」と言いかけたところでおしまい。内容に納得できないのに、こんな尻切れトンボな終わり方で余韻を持たせたつもりになられてもため息が出るだけです。心の底から本当に酷い映画だと思いました。







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