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正しい日 間違えた日

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(原題:Right Now, Wrong Then 2015年/韓国 121分)
監督・脚本/ホン・サンス 製作/キム・ギョンヒ 撮影/パク・ホンヨル 編集/ハム・ソンウォン 音楽/チョン・ヨンジン
出演/チョン・ジェヨン、キム・ミニ、コ・アソン、チェ・ファジョン、ソ・ヨンファ、キ・ジュボン、ユン・ヨジョン

概要とあらすじ
「夜の浜辺でひとり」「それから」の名匠ホン・サンスと主演女優キム・ミニが2015年に初タッグを組んだラブストーリー。運命的な出会いをした男女がタイミングの違いによって異なるエンディングを迎えるまでを、「前半」「後半」の2通りの展開で描く。予定より1日早く水原に到着してしまった映画監督ハム・チュンスは、時間を潰すために立ち寄った観光名所で、魅力的な女性ヒジョンに出会う。一緒にコーヒーを飲んで人生を語り合い、お酒も入っていい雰囲気になるチュンスとヒジョンだったが……。チュンス役に「トンマッコルへようこそ」のチョン・ジェヨン。第68回ロカルノ国際映画祭でグランプリと主演男優賞をダブル受賞した。2015年・第28回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門では「今は正しくあの時は間違い」のタイトルで上映されている。(映画.comより



恋がそうさせたのかしらん。

どういうわけか、
近年のホン・サンス監督作が
連続して4作も公開されることになって
それはそれはおめでたいのだけれど、
こんなに立て続けじゃすべてを観るの、無理す。
でもまあ、観に行けるやつだけでも行っときたいということで
『正しい日 間違えた日』を。

『お嬢さん』キム・ミニとホン・サンス監督が
初めて組んだ本作ですが、
なんと、これを機に既婚者のホン・サンス監督は
キム・ミニとの交際を公表したのです。
これまでのホン・サンス作品の主人公の多くは
既婚者の映画監督(かつ大学講師)で、
スタッフや映画学校の学生と恋に落ちるという
ホン・サンス自身を投影したものばかりでしたが、
本作を皮切りに愛人キム・ミニをヒロインにした作品を
連発するあたりに公私混同ぶりというか、
虚実ない交ぜっぷりに拍車がかかっているのでした。

いつものようにブラブラしている
映画監督ハム・チュンス(チョン・ジェヨン)
いつものように女ったらしで、
スタッフの女性をかわいいな〜と思いながらも
なんとか自制しようとしています。
ところが偶然見かけたヒジョン(キム・ミニ)
あっさりと心奪われ、さっそくアタック。
「喫茶店でコーヒーでも」と誘い出したので、
お、今回は酒じゃないのかと思いましたが、
当然その次は寿司屋で焼酎。
お決まりのワンシーン・ワンカットによる酒飲みシーンです。
これまたお決まりのへんてこズームも健在。
その後、チュンスはヒジョンの先輩が催す小さなパーティに同行し、
既婚者なのに女癖が悪いことを揶揄されると
チュンスに気を寄せ始めていたヒジョンは失望したのか、
そのまま別々で帰路につくことに。

後半では、前半と同じエピソードが繰り返されますが、
例によって異なる展開に。
前半のチュンスとヒジョンは
自分を装いつつ、徐々に距離を詰めようとした結果、
他者よって本性を暴露されてしまったことが不信感を招き、
恋愛が成就することはありませんでしたが、
後半では、ヒジョンの態度はより頑なで、
チュンスはヒジョンの描いた絵を批判します。
寿司屋では、自ら子供が2人いる既婚者だと明かし、
臆面もなく「かわいい」「愛してる」と繰り返すチュンスは
道で拾った指輪をヒジョンの薬指にはめて
僕たちは結婚したんだ〜とはしゃぎます。
ヒジョンの先輩のパーティでは
泥酔して全裸になる始末。
失態をさらしたわけですが、
むしろヒジョンはチュンスに心を開き、
ふたりの恋は成就する
のでした。

前半は「あの時は正しく 今は間違い」
後半は「今は正しく あの時は間違いだった」
と題されている2部構成の本作。
おそらく後半が「正しい日」を描いているのでしょう。
(あくまで恋愛のプロセスとして)
全作ではないけれど、それなりにホン・サンス作品を観て、
ちょっとしたすれ違いによって結果が分かれる
恋愛のバリエーションを描くのはホン・サンスの常套句で、
それがたまらなく好きなのですが、
本作の2部構成はあまりにも明快すぎて
物足りなさを感じた
というのが正直なところ。

出会った男女が恋に落ちるまでの機微(駆け引き)という点では
顕微鏡をのぞくようなより繊細な眼差しといえるのかもしれないけれど、
これまでの作品は夢と現をさまようようなパラレル・ワールドで、
繰り返される同じエピソードのバリエーションが
学生が撮った映画(『教授とわたし、そして映画』)や
学生が執筆中の脚本(『3人のアンヌ』)だったりと、
メタな視点まで加わり、より複雑で割り切れないものでした。
そのような過去作を思うと、
ホン・サンスにしてはずいぶんと単純だなあと思った次第。
「正しい」とか「間違い」とかいってしまうあたりにも
客観性が損なわれているような気がして、
これも恋がそうさせたのかしらん。





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