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スウィート17モンスター

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(原題:The Edge of Seventeen 2016年/アメリカ 104分)
監督・脚本/ケリー・フレモン・クレイグ 製作/ジェームズ・L・ブルックス、
リチャード・サカイ、
ジュリー・アンセル 撮影/ダグ・エメット 美術/ウィリアム・アーノルド 衣装/カーラ・ヘットランド 編集/トレイシー・ワドモア=スミス 音楽/アトリ・オーバーソン
出演/ヘイリー・スタインフェルド、ウッディ・ハレルソン、キーラ・セジウィック、ブレイク・ジェナー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ヘイデン・ゼトー

概要とあらすじ
「トゥルー・グリット」で14歳にしてアカデミー助演女優賞にノミネートされ、女優の他歌手としても人気を集めるヘイリー・スタインフェルドが主演を務め、第74回ゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされたた青春映画。キスさえ未経験というイケてない毎日を送る17歳の高校生ネイディーンは、妄想だけが空まわりし、教師のブルーナーや情緒不安定な母親を困らせてばかりいた。唯一の親友であるクリスタが、人気者の兄ダリアンと恋に落ち、世界にたった1人だけ取り残されたような疎外感を感じたネイディーンは、とんでもない行動に出てしまう。口が悪く、自己中心的でありながらどこか憎めない17歳の主人公ネイディーンをスタインフェルドが演じるほか、教師役で「ゾンビランド」のウッディ・ハレルソン、母親役でドラマ「クローザー」のキーラ・セジウィックらが共演。監督は本作で第82回ニューヨーク映画批評家協会賞初監督作品賞を受賞したケリー・フレモン・クレイグ。(映画.comより



気持ちいい語り口

『トゥルー・グリット』で華々しいデビューを飾った
ヘイリー・スタインフェルドが主演の青春映画、
『スウィート17モンスター』
(このときヘイリー・スタインフェルドの実年齢は20歳だけれども)
よくある思春期こじらせ系には違いないけれど、
なんとも心地のいい傑作でした。
監督・脚本のケリー・フレモン・クレイグ
本作が初監督作というのが信じられません。

昼休みで生徒が誰もいない教室に飛び込んできた
ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)
担任教師のブルーナー(ウッディ・ハレルソン)に向かって
いまから自殺するからと宣言するシーンから始まります。
差し迫ったようすで訴えるネイディーンに対して
意に関せずという態度のブルーナーという対比が
すでに面白い。
そこから一気にネイディーンの幼少期へと時間は遡り、
偏屈なネイディーンに初めて友達と呼べる
クリスタ(ブレイク・ジェナー)が登場するのですが、
この子役たちが、まー可愛い。
可愛いったらありゃしない。

やがて成長したネイディーンが
『ナポレオン・ダイナマイト(通称『バス男』)』の主人公にそっくりな
へんな髪型になったときも優しく慰めるダリアンは
ネイディーンのかけがえのない親友となっていたのでした。
そんな短い幸福な時間を過ごしていた矢先、
ネイディーンの父親が心臓発作で他界してしまいます。
最愛の父親を失ったことで
ネイディーンはどんどん思春期をこじらせていくのですが、
教師のブルーナーを慕ったり、
自分に優しい同級生アーウィン(ヘイデン・ゼトー)のことを
「老紳士」と悪気なく表現したりすることから
ネイディーンが明らかなファザコンだとわかります。
おそらく頭の回転が速いネイディーンは
次から次へと流暢なイヤミを繰り出すのですが、
頭の中だけで老成した彼女の目には
周囲の人間がことごとく愚かで幼稚に写り、
また、そんな自分に対しても嫌気がさしているので
自己肯定力が著しく低い彼女は平気で他者を傷つけ、
結果的に自分を傷つけている
のでした。
ああ、なんという思春期あるある。

あろうことか、親友クリスタが
ダリアン(ヘイリー・ルー・リチャードソン)とつきあい始め、
ネイディーンとダリアンは絶交してしまいます。
孤立感を深め、親友の幸せを祝福する余裕さえないネイディーンは
今まで以上に態度を硬くするのですが、
いわずもがな、彼女の不満を解消するのは
彼女自身でしかないのです。

処女のくせに下ネタボキャブラリーが豊富なネイディーンが
SNSで意中のイケメンにサイコじみたメッセージを送ったときは
もっと陰湿で最悪な事態になるんじゃないかと思いましたが、
彼女の幼稚さ故の軽傷に留まり、
意図していないにせよ、
彼女のアジア人蔑視を感じさせたアーウィンとの関係性を修復し、
互いを認め合うエンディング

すがすがしい後味を残します。

それにしても、ヘイリー・スタインフェルドの
表情豊かな演技力は観ているだけで楽しく、
脇を固める全ての俳優たちがとても魅力的。
ウッディ・ハレルソンの軽妙さや
クリスタ役のブレイク・ジェナーがみせる細かな表情も絶妙でした。
アーウィン役のヘイデン・ゼトーの演技の繊細さにもうなりました。
会話のテンポも小気味よく、
ギャグにも笑わせてやろうという嫌味がまったくありません。

よくある思春期の自分探しものと言えなくもありませんが、
とにかく語り口が気持ちいいのです。
『ツインズ』のダニー・デヴィートそっくりだとか
やんわりディスられてたりしましたけど、
ヘイリー・スタインフェルドの芸達者ぶりと
奔放な魅力が存分に味わえる作品です。





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