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スターリングラード大進撃  ヒトラーの蒼き野望

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(原題:Doroga na Berlin 2015年/ロシア)
監督/セルゲイ・ポポフ 製作/カレン・シャフナザーロフ 脚本/エフゲニー・ニキショフ
出演/ユーリー・ボリソフ、マリヤ・カルポーバ、アミール・アブディカロフ、マクシム・デムチェンコ、アンドレイ・デリューギン、アルテム・レべデフ、アレクサンデル・ノビク

概要とあらすじ
第2次世界大戦中の1942年、ナチス・ドイツ軍がロシア南部に猛攻を仕掛けた「ブラウ作戦」を背景に、若きソ連軍将校の闘いを描いたロシア製戦争アクション。スターリングラードを目指すドイツ軍との戦いで劣勢に立たされたソ連軍は、参謀本部に攻撃の再編を求める伝令を、若き将校オルガコフに託す。しかし予想を上回るドイツ軍の猛攻によってオルガコフは任務を果たすことができず、部隊は壊滅状態に陥ってしまう。参謀本部はその全責任をオルガコフに負わせて銃殺刑を言い渡し、独房に収容。ドイツ軍の攻撃が日ごとに激しさを増していく中、ついに参謀本部も戦場と化したため、オルガコフは脱出を図ろうとするが……。(映画.comより



やっぱ、戦争ってだめだわ

スクリプト・ドクターの三宅隆太氏
2017年のベストテンに挙げられていた
『スターリングラード大進撃  ヒトラーの蒼き野望』ですが、
これまた盛りに盛った、というか、
完全に的外れな邦題です。
一体、誰の興味を惹こうとしているのか不明ですが、
上記の「若きソ連軍将校の闘いを描いたロシア製戦争アクション」
という紹介文は、
いかなる観客にとっても困惑しかもたらしません。
たしかに、序盤では激しい戦闘が描かれてはいるけれども。

第2次世界大戦の最中、
白馬に乗った通信担当中尉のオルガコフ(ユーリー・ボリソフ)
伝令の任務を授かるものの、
道すがら激しいドイツ軍の攻撃に遭ったため、
任務を遂行できなかったことを理由に軍法会議にかけられて
死刑を宣告されてしまいます。
このあたりの成り行きが理不尽で
すぐには飲み込めないのですが、
まあとにかく、
ズバラエフ(アミール・アブディカロフ)
オルガコフの護衛をしているうちに攻撃に遭い、
やむを得ずオルガコフを独房から出して本部へと向かう
ヘンテコなロードムービーが始まるのです。

死刑囚とそれを監視するものが
細かな軋轢を重ねながら徐々に心通わせていく物語。

とくに、愚直で寡黙なズバラエフが
モンゴロイドであることが
彼の真意のわからなさを引き立て、
ソ連軍の同志でありながら民族的な隔たりを示すのに
効果的です。

ドイツ軍の攻撃をかいくぐりながら
本部へと向かうふたりは少しずつ心通わせ、
無二の親友といっても過言ではない信頼関係を結んでいきます。
照れや意地も手伝って、
遠回しに友情を深めるふたりの関係性の変化が見所。
その過程における心理的な機微が
本作の大きな魅力であって
「大進撃」や「野望」とは無縁だということは
本作を観た人なら納得していただけるでしょう。

かれらふたりのロードムービーの目的地が
オルガコフの処刑を決定づけるかもしれない本部だということも
重要なのかもしれません。
旅の過程を経て、どんどん親密になるふたりが目指す先には
死別しか待っていない
のです。

道中、立ち寄った村落で
オルガコフはほのかに恋愛めいたものを体験しますが、
そこにもドイツ軍の空襲が襲い、
ズバラエフは驚くほどあっけなく死んでしまいます。
ドラマティックさのかけらもない無機質なズバラエフの死が
戦争の冷淡さを物語っています。

なんとか生き延びたオルガコフは処刑を免れ、
時は終戦を迎えようとしています。
そんなとき、かれに手渡されたのは
新聞に掲載されたズバラエフとのツーショット写真。
これはグッときます。

全体的にとても淡々とした演出で、
扇情的でないぶん、伝わりづらいところもあるかもしれませんが、
オフビートなやりとりから伝わる多幸感が
やっぱ、戦争ってだめだわと
思わせる逸品です。





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