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ヤング・アダルト・ニューヨーク

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(原題:While We're Young 2014年/アメリカ 97分)
監督・脚本/ノア・バームバック、 製作スコット・ルーディン、ノア・バームバック、リラ・ヤコブ、イーライ・ブッシュ 撮影/サム・レビ 美術/アダム・ストックハウゼン 衣装/アン・ロス 編集/ジェニファー・レイム 音楽/ジェームズ・マーフィ 音楽監修/ジョージ・ドレイコリアス
出演/ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アダム・ドライバー、アマンダ・セイフライド、チャールズ・グローディン、アダム・ホロウィッツ

>概要とあらすじ
「イカとクジラ」「フランシス・ハ」のノア・バームバック監督が、ニューヨーク・ブルックリンを舞台に、世代の異なる2組のカップルの交流と友情を描いたハートフルコメディ。8年間も新作が完成していないドキュメンタリー映画監督のジョシュと、妻のコーネリア。40代になり、人生にも夫婦にも何かが欠けていると感じるようになったある日、ジェイミーとダービーという20代のカップルと知り合う。時代に乗り遅れたくないとSNSに縛られる日々を送る自分たちに比べ、自由でクリエイティブに生き、レトロなカルチャーを愛する若い2人に刺激を受けたジョシュとコーネリアは、再び活力を取り戻していくが……。ミドルエイジの夫婦を演じるベン・スティラー&ナオミ・ワッツと、20代のカップルを演じるアダム・ドライバー&アマンダ・セイフライドが共演。(映画.comより



「解」をみせて欲しかった

これはもう、ひとつのジャンルなんじゃないかと思う
大人になれない子供モノの
『ヤング・アダルト・ニューヨーク』
夢を追うには遅すぎる、隠居するには早すぎる
中年〜初老の人々が抱える葛藤は
世界共通なのでしょうか。

40代半ばのドキュメンタリー監督、
ジョシュ(ベン・スティラー)
かつて世間の評価を得た作品があったものの、
現在進行形の企画に8年もの時間を費やしているうちに
金欠状態に。
作品作りに一切の妥協を許さないジョシュは作家性が強く、
映画作りに信念を持っているとはいえ、
いかんせん自己プロデュース力とプレゼン能力に
欠けているのでした。
さらには友人夫婦に子供が生まれ、
子供のいないジョシュと妻のコーネリア(ナオミ・ワッツ)
なおさら焦燥感に駆られるのでした。

そんなジョシュの前に現れたのが
ジェイミー(アダム・ドライバー)
ダービー(アマンダ・セイフライド)の若き夫婦。
ジェイミーはドキュメンタリー監督を夢見る青年で
彼を理解しているダービーとともに
夢を追い、また現実の生活を謳歌しています。
ジョシュとコーネリアがPCやスマホに依存しているのに比べ、
ジェイミーとダービーは古いレコードを聴くアナログ人間。

なんとな〜く時流に流されていたジョシュたちが
自分たちが若かった頃の情熱を再燃させるのに
うってつけの存在なのです。

ゲロ吐きまくりの儀式(?)に参加したりするうち、
どんどんジェイミー&ダービーに魅了されていく
ジョシュ&コーネリア。
ジェイミーの作品作りに欠点を見つけると、
長年の取材対象である教授すら紹介し、
カメラマンに甘んじるジョシュはさすがに人がよすぎです。
ていうか、プロデューサーであり、
父親が高名な映画監督でもあるコーネリアは
もうちょっとジョシュの創作態度に
アドバイスしてもよさそうなもんですが、
仲がいい割りにそこには踏み込まないのですね。

ジョシュは、自分の映画が上手くいかないことはもとより、
コーネリアの父親に対する反発心も手伝って
より卑屈に、より頑強になっています。
それを自分でも理解しているからこそ、
ジェイミーを「寛大に」手助けするのですが、
ジェイミーの野心家な部分が垣間見え始めると、
嫉妬と嫌悪を感じ始めるのでした。
ジョシュの表現者としてのプライドに加え、
夫婦(恋愛)関係における自尊心を絡めているのは
巧妙だと思いました。

野心的というより打算的な策略家であるジェイミー
最初からコーネリアの父親目当てにジョシュに近づき、
すべて計算ずくでジョシュを利用した挙げ句に
撮っている作品はヤラセだったことが判明。
それに気づいたジョシュの反撃が始まる……のですが、
これがいまいちすっきりしない。

ジョシュが出資を依頼したスポンサーの男は
かなり大げさにカリカチュアライザされた能なしとして
描かれていましたが、
どうみても世渡り上手なだけのジェイミーに関しては
現実的な考え方の一例とでもいうような扱いで
かなりモヤッとしました。

ジョシュがジェイミーの詐欺的創作活動を訴えても
全く相手にされず、コーネリアからも見放されて、
完全に抹殺されるほうが(辛いけれど)
むしろ現実的なのではないか
と思いました。
なんだかんだいいながら、
コーネリアはジョシュへの愛情を失うことがないし、
最終的にふたりが子供を授かるのは
彼らが独自にたどり着いた幸せの形かといえばそうでもなく、
結局そこに戻るの? と思いました。
空港でスマホをいじる赤ちゃんをみせ、
新しい世代が新しいテクノロジーを身につけて……
みたいな余韻を持たせようとしたのかもしれませんが、
それは図らずも浮き上がってくる両義性ではなく、
判断保留の曖昧さとしか受け取れませんでした。

それこそ、本作は
ドキュメンタリーではなくフィクションなのですから、
痛快な結末とまではいわないものの、
人生におけるひとつの「解」を
みせて欲しかったなーと思います。





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