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ぼくの名前はズッキーニ

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(原題:Ma vie de Courgette 2016年/スイス・フランス合作 66分)
監督/クロード・バラス 原作/ジル・パリ 原案/ジェルマーノ・ズッロ、クロード・バラス、モルガン・ナバロ 脚本/セリーヌ・シアマアニメーション 監督/キム・クークレール 人形制作/グレゴリー・ボサール 撮影/ダビッド・トゥトボワ 美術/リュドビック・シュマラン 編集/バランタン・ロテリ、マリー=エブ・ヒルデブラント 音楽/ソフィー・ハンガー
声の出演/ガスパール・シュラター、シクスティーヌ・ミュラ、ポーラン・ジャクー、ミシェル・ビュイエルモーズ、ラウル・リベラ、エステル・ヘナード、エリオット・サンチェス、ルー・ウィック、ブリジット・ロセ、モニカ・ブッディ、アドリアン・バラゾン、ベロニク・モンテル

概要とあらすじ
母親を亡くし孤児院に入れられた少年が周囲の人々との関わりの中で成長していく姿を描き、第89回アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされたスイス製ストップモーションアニメ。アルコール依存症の母親と2人きりで暮らす9歳の少年ズッキーニ。ある日、ズッキーニの過失によって母親が死んでしまう。親切な警察官に保護されて孤児院で暮らすことになった彼は、新たな環境の中で自分の居場所を見つけるべく悪戦苦闘する。フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門の最高賞にあたるクリスタル賞と観客賞をダブル受賞。日本では、東京アニメアワードフェスティバル2017の長編コンペティション部門に出品・上映され、優秀賞を受賞している(映画祭上映時タイトル「ズッキーニと呼ばれて」)。(映画.comより



子供は単純ではない

去年(2017)は、
『KUBO クボ 二本の弦の秘密』という
ストップモーション・アニメの傑作がありましたが、
それとはまた違った風合いのストップモーション・アニメ、
『ぼくの名前はズッキーニ』

『KUBO〜』を制作したライカによる
ハイクオリティーなストップモーション・アニメと比べると、
本作のそれは手作り感が満載で動きもぎこちない。
でもだからといって作品の魅力が目減りするわけではなく、
むしろ朴訥で味わい深いものになっているのが
不思議なところです。
カリカチュアライズされた人物や建物、自動車などが
人形劇本来の面白さを呼び起こすといった具合です。

9歳の少年ズッキーニ
ひょんなことからアル中の母親を殺してしまい、
孤児院に入ることに。
そこには、ズッキーニと同じように
身寄りのない子供たちが暮らしているのです。
リーダー格のシモンが嫌がらせをしてきますが、
あっという間に打ち解けてしまうのは子供らしさか。
しかし、子供たちが孤児院で暮らすことになった
それぞれの理由が
両親がジャンキーでネグレクトされた、
不法移民のため母親が国外追放された、
父親が母親を殺したあと自殺した、
性的虐待を受けた
……などなど
子供たちはかなり深刻かつ悲惨な背景を抱えているのです。
まだ幼い子供たちが
それぞれの事情を受け止め、飲み込みつつも
しかしすべてを断ち切ることは出来ず、
それでも表面的には明るく(子供らしく)振る舞っているさまに
胸が締め付けられます。
ヒーローに見立てた父親の絵を凧に描いてとばすズッキーニは
アル中の母親から虐待を受けていたと思われますが、
それでも母親が飲んでいたビールの空き缶を
まるで形見のように大事にしています。
大人が考えているほど子供は単純ではないのです。

新たに入院してきたカミーユという少女に
ズッキーニは一目惚れ。
子供たちが性的興味を芽生えさせるなか、
教員(?)の若い男女が結ばれて
女性が妊娠するくだりが自然の成り行きとして同時に描かれるのが
とても心地よく感じました。

あえて、無い物ねだりをすれば、
66分という尺は短い。
ストップモーション・アニメ制作の
大変さは理解しているつもりですが、
もっとこの世界に浸っていたいと思っていたところで、
物語が終わりを迎えてしまうのが
残念でなりませんでした。
おそらく自身の息子を幼くして亡くしている刑事レイモン
ズッキーニとカミーユを養子にするくだりの
レイモンの葛藤をもっと感じたかったし、
養育費目当てでカミーユを引き取ろうとする叔母に
レコーダーを使って反撃する
くだりも
もう少し時間があれば、せめて90分あれば
もっとサスペンスを演出できたのではないかと
思ってしまいました。
また、孤児院の子供たちが
周囲の人間や両親と暮らす子供から
無自覚な蔑視を向けられるようなエピソードがあったら
この世界の理不尽さにさらに涙したかもしれません。
(ゴーグルのくだりで少しだけ垣間見えましたが)

とかいうのは、やっぱり無い物ねだりであって
とても素晴らしい作品なのは間違いありません。
とくに照明の妙が見所です。
もっと適切な例えがあると思いますけど、
ずっと松本大洋の『Sunny』を思い浮かべていました。





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