" />

マッドタウン

madtown.jpg



(原題:The Bad Batch 2016年/アメリカ 116分)
監督・脚本/アナ・リリー・アミールポアー 製作/ダニー・ガバイ 製作総指揮/ミーガン・エリソン、エディ・モレッティ、シェーン・スミス 撮影/ライル・ビンセント 美術/ブランドン・トナー=コノリー 衣装/ナタリー・オブライエン 編集/アレックス・オフリン 音楽監修/アンドレア・フォン・フォースター
出演/スキ・ウォーターハウス、ジェイソン・モモア、ジム・キャリー、ジョバンニ・リビシ、キアヌ・リーブス

概要とあらすじ
クスリ漬けの者が集う砂漠の共同体と人食い部族の集落。荒地に放置され、手足を失った女にとって、どちらを選んでも、悪夢が待っていることには変わりない……。(NETFLIXより



よし! 人肉!

NETFLIXオリジナル作品の『マッドタウン』です。
監督・脚本は『ザ・ヴァンパイア 〜残酷な牙を持つ少女〜』
瑞々しいデビューを飾ったイラン系アメリカ人の
アナ・リリー・アミールポアー

セルジオ・レオーネとリンチを
合体させたような映画という触れ込みの『ザ・ヴァンパイア』は
ポップかつガーリーでありながら、
どこか内省的なモノクロ作品でしたが、
打って変わって本作はビビッドな色使いが印象的です。
ただ、虐げられているものたちの
ここじゃないどこかへの逃避行という点においては
共通している面も多くあります。

当局によって捕らえられた社会不適合者たちは
耳の後ろに「バッド・バッチ」を意味するナンバリングを施され、
金網で囲まれた無法地帯の砂漠に「廃棄」される世界。
どんな悪さをしたのか知らないが、
BB(バッド・バッチ)認定された少女、
アーレン(スキ・ウォーターハウス)
同様に砂漠に置き去りにされるのです。
ホットパンツを履いたお尻をぷりぷりさせながら歩いていると
カートに乗った二人組の男が近づいてきて、
彼らの捕獲されるアーレン。
気がつけば鎖で手足を拘束され、
あっという間に右腕と右足を切断されてしまいます。
「ブリッジ」と呼ばれるこのマッチョな集団は
よそ者を捕まえては切り刻んで人肉を食べていたのです。
「人食い部族」と紹介されていますが、
右腕を切断されてわめくアーレンの叫び声を嫌って
音楽の音量を上げていることから、
積極的に人肉を食しているわけではないことがわかります。

わりとあっさりブリッジから脱出したアーレンは
ホームレス・ライクな老人(ジム・キャリー。全然わからん)に助けられ、
「コンフォート(=安らぎ)」という
別のコミュニティで保護されるのでした。
コンフォートでは人々が助け合い、
独自の経済が確立されているようにみえます。
義足を手に入れたアーレンが
銃の練習をするために砂漠をうろついていると、
ゴミを漁るブリッジのメンバーと遭遇。
その女性を射殺したアーレンは、
一緒にいた少女をコンフォートに連れ帰るのでした。
(少女が勝手についてきたのかもしれないが)

「夢を持て」がキャッチフレーズのコンフォートでの生活は
穏やかで安泰のように思われましたが、
コンフォートを支配している
ザ・ドリーム(キアヌ・リーブス)という男は
ドラッグの製造と販売で経済を牛耳り、
何人もの妊婦をはべらせている独裁者だったのです。
『マッドマックス』を思わせる本作の世界観のなかでも
とりわけザ・ドリームはイモータン・ジョーそのまま。
(アーレンはフュリオサか)
アーレンが連れ帰った少女も自分のものにしようとするのでした。

ふらふらっと出かけていっては災難に遭うアーレンが
ドラッグでラリって砂漠に出ると
今度は姿を消した少女を探す父親であり、
ブリッジのマイアミ・マン(ジェイソン・モモア)に見つかり、
少女を探し出すよう脅されるのでした。
(ジム・キャリーとの似顔絵のくだりが面白かった)
しかーし、コンフォートに戻る間に
アーレンはマイアミ・マンを好きになりかけているのです。
まじか! 自分の手足を切って喰った連中の親分格なのに!
これだから女心はさっぱりわからんのです。

アーレンは、最初こそどぎつい仕打ちを受けますが、
以降はあっちへふらふら、こっちへふらふらとしているばかりで、
展開に変化が生じるのはそのふらふらがきっかけというのは
いささか都合がよすぎる感じがします。
中盤の中だるみ感は否めず、
ザ・ドリームから少女を奪い返すくだりも
とくにカタルシスはなく、非常にあっさりしています。
まあ、それが良さなのかもしれませんが。

マイアミ・マンに少女を送り届けたアーレンは
あたしも連れてって! と逆プロポーズ。
もう完全にマイアミ・マンにメロメロなのです。
コンフォートでの「安らぎ」が
独裁者による非人道的な商売によって成立していることに失望したのか、
とにかくアーレンは
偽りの安定よりもリスク覚悟のワイルドな生活に
魅力を感じたということでしょう。
「おじさんがくれたスパゲッティが食べたーい!」という
少女が可愛がっているウサギを即座に丸焼きにして食べさせるのは
命をいただくというのはこういうことだよ、という
教育的指導
なのかもしれません。

ま、人肉を食べることは
人間がなにかしら他者を搾取しながら生きていること
隠喩かもしれません。
ブリッジとコンフォートが対立しているわけではなく、
棲み分けているような設定は興味深いのですが、
明確な対立軸が示されない分、
構造的なわかりにくさはあると思います。

アーレンが
生き延びるために裏で悪さをしていることと
生き延びるために人肉を食べることを天秤にかけて……
よし! 人肉! となる理屈はよくわかりませんが、
(単に恋は盲目ということかもしれないが)
嘘でごまかしたり、コソコソするのが
監督は嫌いなんでしょうね。きっと。





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ