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女が眠る時

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(2016年/日本 103分)
監督/ウェイン・ワン 原作/ハビエル・マリアス 脚本/マイケル・レイ、シンホ・リー、砂田麻美 日本語脚本協力/砂田麻美 撮影/鍋島淳裕
出演/ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリ、リリー・フランキー、新井浩文、渡辺真起子

概要とあらすじ
ベルリン国際映画祭で特別銀熊賞を受賞した「スモーク」などで知られる香港出身のウェイン・ワン監督が、ビートたけしを主演に迎えて挑んだ初の日本映画。一週間の休暇で妻とともに郊外のリゾートホテルを訪れた作家の清水健二。妻とは倦怠期を迎え、作家としてもスランプに陥り就職が決まっていた健二は、ホテルで無気力な時間をすごしていた。そんな健二が目を奪われたのが、初老の男・佐原と若く美しい女・美樹のカップルだった。プールサイドで異様な存在感を放つ佐原と美樹。それ以来、ホテル内で佐原たちを見かけるたびに、健二は2人の後をつけ、佐原の部屋をのぞき見るようになっていくが……。佐原役に、自作以外で主演を務めるのは2004年の「血と骨」以来となるビートたけし。健二役には「劇場版 MOZU」でもたけしと共演した西島秀俊。共演に忽那汐里、小山田サユリ。(映画.comより



確信はどこにもない

ビートたけしが自身の監督作以外で主演するのは
『血と骨(2004)』以来と聞いて、
意外だなあと思うようなそうでもないような
『女が眠る時』
監督は傑作『スモーク』のウェイン・ワン。
ウェイン・ワンがスペイン人作家の短編小説を
なんでまた日本を舞台にして映画化しようと思ったのか、
ようわからんのですが、
まあ、キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』なんかも
あったりするから、そういうことかと。
(どういうこと?)

伊豆のホテルで休暇中の小説家、健二(西島秀俊)
妻で編集者の綾(小山田サユリ)
まだ少女の面影が残る美女と初老の男を
プールサイドで発見。
親子とも思えないそのふたりの怪しい関係性に心奪われた健二は
いつしか二人が宿泊する部屋をのぞき見たりするようになる……
のですが、この序盤の話運びがわりと性急
健二がこのふたりに取り憑かれてしまう動機がよくわからず、
とにかくそういうこと、と飲み込むほかありません。

休暇中にもかかわらず、
妻の綾は近くに住むという作家に原稿の催促をするため、
毎日出かけていきます。
その間、健二はジョギングついでに
佐原(ビートたけし)美樹(忽那汐里)の謎のカップルの後を追い、
いかにも意味ありげなリリー・フランキーが店主を務める居酒屋で
ふたりに関するおぼろげな情報を得たりしています。
やがて健二は佐原と接触し、
佐原が何年にもわたって美樹の寝姿を撮影し続けていることを知り、
やっぱり意味ありげな佐原の言葉に翻弄されるように。

徐々に現実と妄想の境界が曖昧になっていく物語は
オルターエゴものといって差し支えないのではないでしょうか。
健二はなかなか新作が書けず、作家をやめようと思い詰めていて
さらに作品に口出しする編集者の妻にも辟易とし、
性交渉もままならず、冷え切った状態。
そんな鬱屈した健二が本来持っているはずの
獣性のようなものを自己投影したのが
佐原なのではないでしょうか。
佐原が眠っている美樹を撮影するのと
健二がのぞきをするのはほぼ同じ行為といっていいでしょう。

やがて肥大化した自己である佐原に翻弄され始める健二は
疑心暗鬼になって、妻の浮気を疑うようになります。
妻・綾をファザコンと罵る健二ですが、
そういう健二=佐原はあきらかにロリコン。
佐原は、いつか美樹を殺さなければならないといいますが
おそらくそれは美樹が大人の女性になってしまうからで
それでは健二=佐原のロリコン趣味が満たされないからに違いありません。
(言い切ってやったぜ!)
そうだとすれば、少女を愛人にするのではなく
寝姿をビデオで撮影したり、
佐原を美樹の両親の親友に設定したりする健二の
しみったれた変態性に呆れてしまいます。

残念なのは、美樹に扮する忽那汐里が
さほどエロかわいく撮られていないこと。

忽那汐里が持つポテンシャルはこんなもんじゃないはず。
パンツにフォーカスしたりしていましたが、
そういうことじゃないだろう! 少女のエロスは!
渡辺真起子新井浩文の不条理感にも
物足りなさを感じました。

時は流れて、レストラン。
どうやら健二は新作を完成させたようで
さらには綾が妊娠しています。
そこになぜか佐原の姿が。
見つめ合う健二と佐原は互いににやっと笑うのです。
健二の新作は、健二と佐原という
別人格の共同作業によって生まれたということか。
はたまた、美樹の失踪は
健二の脱ロリコンを意味するのか。

ま、佐原は
「夢ってのは、目覚める直前に脳が勝手に話を作っちゃうんだよ」
というし、
エンディングのナレーションでは
「私たちが交わした会話、確かにそこにあったという確信はどこにもない」
とのことなので、
このブログにも確信はどこにもないのだよ。





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