" />

キラー・スナイパー

killerjoe.jpg



(原題:Killer Joe 2011年/アメリカ 102分)
監督/ウィリアム・フリードキン 製作/ニコラス・シャルティエ、スコット・エインビンダー 原作・脚本/トレイシー・レッツ 撮影/キャレブ・デシャネル 美術/フランコ=ジャコモ・カルボーネ 衣装/ペギー・シュニツァー 編集/ダリーン・ナバロ 音楽/タイラー・ベイツ
出演/マシュー・マコノヒー、エミール・ハーシュ、ジュノー・テンプル、ジーナ・ガーション、トーマス・ヘイデン・チャーチ

概要とあらすじ
「エクソシスト」「フレンチ・コネクション」の巨匠ウィリアム・フリードキンが、貧乏から保険金殺人に手を染めた一家がたどる運命を、ブラックユーモアを織りまぜながら描いたクライムサスペンス。家族とトレーラーハウスで暮らしている青年クリスは、莫大な借金の返済に追われていた。実母を殺害して保険金を得ようと思いついたクリスは、父親や継母と共謀し、殺人を請け負う警察官ジョーに実母殺しを依頼。しかし報酬を後払いにする代償として、クリスの妹ドッティを差し出すよう要求されてしまい……。殺し屋ジョー役に「ダラス・バイヤーズ・クラブ」のマシュー・マコノヒー、クリス役に「イントゥ・ザ・ワイルド」のエミール・ハーシュ。(映画.comより



恐怖の「バカ」映画

日本では劇場未公開だというのがにわかには信じがたい
ウィリアム・フリードキン監督の『キラー・スナイパー』。
先に結論を言ってしまうと、これはもうゲロ吐くほどの傑作。
最高のバカ映画なのです。
といっても、馬鹿馬鹿しくて楽しいバカ映画ではなく、
「バカ」が「バカ」故に巻き起こす恐怖を描いたバカ映画なのです。

どしゃ降りの雨の中、トレーラーハウスのドアを叩く
クリス(エミール・ハーシュ)をキャンキャンと執拗に吠え立てる犬。
非常にイライラさせるオープニングです。
やっとドアを開けてもらえたと思ったら、
クリスの目の前には継母シャルラ(ジーナ・ガーション)のマン毛が!
(残念ながらボカシあり)
「なんか着ろよ!」
「見慣れてるくせに」
「町の半分の男がな!」
本当に下衆で頭の悪い会話。
彼らは正真正銘のホワイト・トラッシュ(白人の低所得者層)なのです。
ふたりが口汚く罵り合っていると
クリスの父親アンセル(トーマス・ヘイデン・チャーチ)が登場。
これがまた、だらしなさを絵に描いたような男で、
大人たちの最低レベルの言い争いをうんざりしながら別の部屋で聞いているのは
まだ12歳でちょっと頭の弱いクリスの妹、ドティ(ジュノー・テンプル)

ヤクの売人をしているクリスは
隠していたヤクを同居している実母に勝手に売られたため、
ヤクの代金6000ドルを用意しないと殺されてしまうんだけど、
もちろんそんな金はない。
ここはひとつ、ジョー・クーパー(マシュー・マコノヒー)という
刑事兼殺し屋に実母殺しを依頼して
ドティーが受取人になっている保険金50,000ドルを手に入れ、
殺しの代金20,000ドルから差し引いた金を山分けしよう……
という話を、実の父親アンセルに持ちかけてる時点で
ほんとにどうしようもないクズたち
なのですが、
そんな話をストリップ・バーでやるもんだから、
ダンサーのおっぱいが気になって仕方ないアンセルは
いまいち話の中身が入ってこないという……ね。

そして、ついにジョーに実母殺しの依頼をするわけですが、
ここでも待ち合わせの時間にちゃんと現れないクリス。
こういうところがいちいちバカでクズなのです。
殺しの報酬は20,000ドルだと思っていたら
ジョーは25,000ドルだと言い、前払い以外は認めないとのこと。
交渉決裂かと思いきや、
ドティを担保にするなら後払いでもいいよ♡ という
ロリコン全開のド変態だったので交渉成立するのでした。

ほんの一瞬だけ逡巡するそぶりをみせはするものの、
クリスにとっては可愛い妹、
アンセルにとっては可愛い娘であるドティを
あっさりとジョーに差し出すクズ家族。
それどころか、より一層ジョーにドティを気に入ってもらえるように
わざわざ色っぽい黒のワンピースを買い与える始末。
ていうか、シャルラが勤めるピザ屋にやってきたアンセルが
ほかの客が飲み残したビールをさらっと口にするあたり、
アンセルのバカ描写は徹底しています。

結果、ジョーは契約通りにクリスの実母を殺害するのですが、
なんと実母にかけられた保険の受取人はドティではなく、
レックスという実母の愛人だったことが判明。

しかもクリスに実母殺害をほのめかしたのはレックスで、
もうすっかり端っからクリスはレックスに騙されていたのです。
さらにはレックスはシャルラの愛人でもあるという泥沼地獄。

そんなどん詰まりの最悪な状況を承知しているにもかかわらず、
腹減った〜とばかりにチキンナゲットを買って呑気に帰宅する
アンセルとシャルラ。
そこにはジョーが待ち受けています。
レックスとシャルラの悪巧みを見抜いたジョーが
許すはずもありません。
じわじわねちねちとシャルラを尋問して追い詰めます。
その間もまだテレビが気になったりする大馬鹿のアンセル
ひたすらジョーのいいなりです。

そして、映画史に残るであろうチキン・フェラ!!
ジョーが股間に構えたチキンをシャルラに咥えさせるのです。
最初にマン毛全開で登場したうえ、たとえモノはチキンとはいえ、
がっつりフェラチオシーンを撮られるジーナ・ガーション。
そして、クリスが戻ってきてからの食事シーンが
その場をやり過ごすことしか頭にない人たちによる
とてつもなくおぞましいシーン
となっております。

ジョーがドティにプロポーズすると、
黙っていられないクリスがジョーに銃を向け、
そのクリスの肩をドティがナイフで刺すという修羅場へ。
缶詰でクリスを殴るジョーに加勢して
「押さえとく!」とクリスの足に抱きつく父親アンセル。
一体、こいつのオツムはどこまで腐っているのか……。

ラストは、銃口を向けながら
「赤ちゃんができた」というドティの告白に喜びを隠せないジョー。
しかし、ドティーの指は引き金にかかり……
というところで、ジ・エンド。

バカと変態とキチガイによる
浅はかすぎるグズグズなやりとりがただただエスカレートしていくという、
とんでもない傑作です。





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ