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ザ・ディスカバリー

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(原題:The Discovery 2017年/アメリカ 102分)
監督/チャーリー・マクダウェル 製作/アレックス・オルロフスキー
ジェームズ・D・スターン 脚本/チャーリー・マクダウェル、ジャスティン・ラダー 撮影/ストゥルラ・ブラント・グロブレン 美術/アキン・マッケンジー 衣装/ケリ・ランガーマン 編集/ジェニファー・リリー 音楽/ダニー・ベンジー、ソーンダー・ジュリアーンズ
出演/ジェイソン・シーゲル、ルーニー・マーラ、ジェシー・プレモンス、ライリー・キーオ、ロン・カナダ、ロバート・レッドフォード

概要とあらすじ
科学者である父親が証明した死後の世界の存在は、大量の自殺者を生んだ。それでもなお研究を続ける父に反発する息子は、1人の女性と出会い恋に落ちるが…。(NETFLIXより



やり直してみてはいかが?

NETFLIXオリジナルの『ザ・ディスカバリー』です。
ていうか、劇場公開される新作映画だけでも
到底追いつけないのに
ネット配信までもが劇場映画と見劣りしないクオリティの作品が
つぎつぎと発表されるこのご時世。
喜ぶべきか、悲しむべきか……悩ましいところではありますが
まあどうせ多くの映画を観逃したまま死んでいくのですから
どっちにしろ同じことでしょ。
いやいや、死後の世界があるから大丈夫! というのが本作。
監督のチャーリー・マクダウェル
「あの」マルコム・マクダウェルのご子息。

科学者のハーパー博士(ロバート・レッドフォード)
死後の世界は存在するという研究結果を発表したことで、
自殺者が急増する社会現象に。

ま、正確にはハーパー博士は
肉体が死んだ後、意識は別次元へと移行するといっているだけで
死後の世界とも来世とも言っていないのですが、
現世に嫌気がさしている人が多いということでしょうね。
まあ、気持ちはよくわかります。
ただ、ハーパー博士が提唱する別次元は
彼の理論上で提言されているだけで、
なにひとつ証明するには至っていないのですが……。

どんどん自殺者が増え続けることに対する批判から逃れたハーパー博士は
離島の研究施設で死後の世界を映像化する装置の開発
続けているのでした。
そこはもう、研究所というよりは
カルト集団のコミューンのようになっておりました。
そんなハーパー博士の暴走を思いとどまらせようとやってきたのは、
疎遠になっていた息子のウィル(ジェイソン・シーゲル)
ウィルの弟を演じているジェシー・プレモンス
『ザ・マスター』でもカルト教祖の息子役でしたが
味のあるいい役者ですなあ。

ひとの死を扱うディストピアな設定にもかかわらず、
ウィルと自殺志望のアイラ(ルーニー・マーラ)
少しずつ心通わせて距離を縮めていく過程を繊細に描き、
気の利いた会話が笑いを誘います。

肉体を失った意識がなにを見ているかを映像化するには
死にたてほやほやの死体で実験するのが一番
だということになり、
遺体安置所から死体を盗み出して装置にかけるものの反応はなく、
実験は失敗かと思われましたが
ウィルだけが死体に繋がれたモニタに映る映像を発見するのです。
その映像とは、
どうやら死体の男が生前に見た光景の記憶のように思われ、
それって、死後の世界とも来世とも違うんじゃ? という思いが
当然ながらわき起こり、結果その通りになるのです。

死体の男が生前に見たと思しき映像を手がかりに
その男の素性を探るうち、
その映像が事実と微妙に違うことがわかってきます。
自殺した妻(ウィルの母)に囚われていたハーパー博士が
自ら実験台になると、モニタに現れた映像は
事実とは違う、妻の自殺を寸前で引き留めた映像だったのです。
要するに、意識が生み出した別次元のパラレルワールドが存在し、
そこでひとは記憶の改ざんを行っていたというわけ。
ますますもって、死後の世界とは関係なくなっていきます。

ウィルとアイラがラブラブになった途端、
元研究員の逆恨みによってアイラが殺されてしまいます。
そこでウィルは自ら自分の頭に装置をセットして、
アイラの死を未然に防ごうとするのですが、
すでにウィルはこの「人生のやり直し」を
何度も行なっている
ことがわかり、
一気にタイムリープものに。
こうなると、いくらでも分岐する別次元の世界が存在することになり、
ウィルはやり直したいかもしれないが、
とくにやり直したくないひとも彼に付き合わされることになる……といった
タイムリープものにはつきものの矛盾や齟齬が噴出します。
まあ、細かいことには目をつぶるのが
タイムリープものを楽しむための作法ではありますが、
なんせ最初に、死後の世界とか来世とか言われたもんだから、
こういうことじゃない感がより一層強くなってしまいました。

いつかはわからないけれど必ずやってくる「死」があるからこそ
なんとかして「生」に意味を見いだそうとするわけで、
死後の世界があるとわかれば、
わざわざ辛い思いをして生きている必要はなく、
自殺者が激増するという着想は非常に魅力的でした。
しかし、宗教的かつ哲学的な方向に発展するのを避けたためか知らないが、
パラレルワールドで人生のやり直しという、
わりとありがちな着地だったのは残念です。
これならいっそ、『ミッション:8ミニッツ』みたいに
最初から人生のやり直しを前提としてくれたほうがよかったかもしれないので、
脚本からやり直してみてはいかがでしょうか。





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