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ブロンソン

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(原題:Bronson 2008年/イギリス 92分)
監督/ニコラス・ウィンディング・レフン 脚本/ニコラス・ウィンディング・レフン、ブロック・ノーマン・ブロック 撮影/ラリー・スミス 編集/マット・ニューマン
出演/トム・ハーディ、ジェームズ・ランス、マット・キング、アマンダ・バートン、リング・アンドリューズ

概要とあらすじ
ニコラス・ウィンディング・レフン監督、トム・ハーディ主演で、イギリスで最も有名な実在の犯罪者を描くバイオレンスアクション作品。日本では劇場未公開だったが、この後に携わったニコラスの「ドライヴ」とトムの「ダークナイト ライジング」がヒットしたことから、DVDがリリースされた。一部では“21世紀の「時計じかけのオレンジ」”と評される。郵便局を襲ったマイケル・ピーターソンは逮捕され、懲役7年の刑を言い渡されて刑務所に収監された。わずか69日間だけの出所期間中、リングネーム“チャールズ・ブロンソン”名義でアンダーグラウンドのボクサーとして小遣い稼ぎをしたものの、宝石強盗をしたため再び刑務所戻り。刑務所内でも暴力など問題を続けざまに起こし、結局30年もの時間を刑務所で過ごすことになってしまうのだった。(allcinemaより)



マッチョなこども

2012年に日本公開された『ドライブ』
一躍有名監督となったニコラス・ウィンディング・レフン
といっても、それは日本での話で
海外では既にその実力は評価済みだったようです。
『ドライブ』の人気を受けて、過去の未公開作品がリリースされ
そのうちのひとつがこの『ブロンソン』です。

「有名になりたかった。ただ、その手段がわからなかった。
 歌はだめ。演技力もない。選択肢はない。だろ?」


だろ?じゃないよ。わはは。
そこで残された唯一の選択肢が「暴力」なわけがないのですが
とにかくブロンソンはそう考えたのです。

イギリスで最も有名な囚人だというこの実在の人物、
自称「チャールズ・ブロンソン」ことマイケル・ピーターソン
現在も服役中だそうで、34年間の刑務所暮らしのうち
30年は独房で過ごしたという強者です。
ネット上にあった写真を見ると、主演のトム・ハーディとそっくりです。

ブロンソンの暴力の目的は「有名になること」とはいうものの
(結果的には有名な囚人になったわけですが)
刑務所で人質を取り、希望は何かと聞かれても
答えることが出来ません。
観客にとってはもちろんのこと、ブロンソン自身も
一体何を目的に暴れているのか理解できないのです。
新婚生活を始めたばかりのブロンソンは
郵便局に強盗に入る時を除いて、銃やナイフを振り回すこともなく
ただ殴り合いに明け暮れるのですが、
その暴力がやがてエスカレートした挙げ句に
殺人に及んでしまうこともないのです。
まったくもって彼の行動原理は不可解で、
敢えて言うなら、かまって欲しいだけの子どものようです。
短いシャバでの生活では、いつ暴れ出すかわからない怖さはあるものの
きっちりとスーツを着込んでいたり、ヒゲをきれいに整えていたりするのが
一般的に考えられる粗暴な荒くれ者のイメージとはかけ離れていて
むしろ愛嬌すら感じるようになるのです。

しかし、それもブロンソンに扮するトム・ハーディの
怪演に負うところが多く
にかっと笑った表情やつぶらな瞳が、もしかしたらブロンソンは
純真な心の持ち主なのではないか
と思わせるのです。
特に前半はまるっきりコメディです。

『ドライブ』を観て以来、
ご多分に漏れず、僕もすっかり
ニコラス・ウィンディング・レフンの虜になっているのですが
やはり、ハリウッド的ではない独特の感覚の持ち主であることは
間違いなさそうです。
この作品を「21世紀の『時計じかけのオレンジ』」という
評し方があるようで、確かに似た要素があるとはいえ
作品のテーマが違うので『時計じかけのオレンジ』というよりも
映像スタイルの面でキューブリックを意識しているのは
シンメトリーを多用していることなどから窺えます。
どうやらN・W・レフン監督は相当なシネフィルのようで
『ドライブ』でも様々な映画からの引用がみられました。
精神病院でブロンソンが懐いてきた患者の首を絞めるシーンでは
手前に置いたパーティションで、
首を絞めるブロンソンの姿が見えないようにする演出
には
N・W・レフン監督らしさが垣間見えます。

音楽の使い方も独特で
地下の格闘場のシーンでは80年代風シンセサウンド
かと思うと荘厳なクラシックが鳴り響いたりします。
(明確に曲名を指摘できないのが情けないところ)

N・W・レフン監督は現在(2013年)、42歳。
若いのかそうじゃないのか微妙ですが、ははは
これからの作品が本当に楽しみです。





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