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マンチェスター・バイ・ザ・シー

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(原題:Manchester by the Sea 2016年/アメリカ 137分)
監督・脚本/ケネス・ロナーガン 製作/ケネス・ロナーガン、キンバリー・スチュワード、マット・デイモン、クリス・ムーア、ローレン・ベック、ケビン・J・ウォルシュ 撮影/ジョディ・リー・ライプス 美術/ルース・デ・ヨンク 衣装/メリッサ・トス 編集/ジェニファー・レイム 音楽/レスリー・バーバー
出演/ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ、カーラ・ヘイワード、C・J・ウィルソン、グレッチェン・モル、マシュー・ブロデリック、アンナ・バリシニコフ、ジョシュ・ハミルトン、テイト・ドノバン、スーザン・プルファー、ロバート・セラ、トム・ケンプ

概要とあらすじ
「ジェシー・ジェームズの暗殺」「インターステラー」のケイシー・アフレックが主演し、心を閉ざして孤独に生きる男が、兄の死をきっかけに故郷に戻り、甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく姿を描いたヒューマンドラマ。「ギャング・オブ・ニューヨーク」の脚本で知られるケネス・ロナーガンが監督・脚本を務め、第89回アカデミー賞では作品賞ほか6部門にノミネート。アフレックが主演男優賞、ロナーガン監督が脚本賞を受賞した。プロデューサーにマット・デイモン、主人公の元妻役で「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ、兄役で「キャロル」のカイル・チャンドラーが共演。アメリカ、ボストン郊外で便利屋として生計を立てるリーは、兄ジョーの訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。遺言でジョーの16歳の息子パトリックの後見人を任されたリーだったが、故郷の町に留まることはリーにとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。(映画.comより



しっとり悲しく、じんわり面白

ベン・アフレックの弟、ケイシー・アフレック
アカデミー主演男優賞を受賞した
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
監督した『容疑者、ホアキン・フェニックス』が
たいへんな反感を買い、第一線を退いていたケイシー・アフレックに
ほんとは自分が演じるつもりだったマット・デイモンが
主役を譲ったという裏話が漏れ聞こえてきますが、
本作を観終わったあとでは、
主人公はケイシー・アフレック以外に考えられなくなります。

なんだかやさぐれている便利屋のリー(ケイシー・アフレック)は、
仕事は優秀だけど極端に愛想がなく、
バーの客にいちゃもんをつけて
突然殴りかかったりする短気さを持ち合わせています。
初めのうちはただのアブナイやつにしか見えませんが、
やがてリーが大きな苦悩を抱えていることが明らかになります。

心臓に持病を抱えていた兄ジョー(カイル・チャンドラー)の訃報を受けて
故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってきたリー。
甥っ子パトリック(ルーカス・ヘッジズ)の世話を焼きながら、
葬儀の準備を進めるうち、ジョーの遺言には
リーがパトリックの後見人になるよう書かれていることが判明。
戸惑いを隠せないリーは
なんとかして後見人になることを回避しようとするのでした。

現在のシーンを補足するかのように
回想シーンが細かく挿入されるテンポが心地いい。
やがて回想は、リーを苦しめる核心へと至ります。
かつてリーは妻ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)と3人の幼い子供に恵まれ、
貧しくとも幸せに暮らしていましたが、
ある日、リーがビールを買いに外出している隙に
彼が暖炉にくべた薪が原因で出火し、
3人の子供たちが焼死するという事件があったのでした。
自分の不注意から子供を死なせてしまったリーは
自殺することも出来ず、ただ心を閉ざして
人生をやり過ごすしかなくなっていたのです。

リーの苦悩は想像に難くありませんが、
本作はただ重苦しいだけの映画ではなく、
嫌な間の悪さによる独特の笑いを忍ばせてあります。
ジョーが初めて病気を告げられるシーンや
火事で助けられたランディが救急車で運ばれようとするシーンでの
担架の台車がうまく収まらないヘンな感じなど
笑うに笑えない微妙な違和感が最高です。

そして、16歳のパトリックと「アンクル・リー」の
親子でも兄弟でもなく、その中間のような関係性が魅力的で
リーの心を少しずつほぐしていきます。
下手くそなバンドをやっているパトリックは
2人の彼女を掛け持ちしているのですが、
あちこちと車で彼の送迎をしてやるリーがまるで運転手のよう。
父親の死に対して一件ドライなようにみえるパトリックですが、
彼は彼なりに悲しみを心に閉じ込めているのでした。

妻ランディとも和解したリーでしたが、
それでも彼にとってマンチェスター・バイ・ザ・シーは
悲劇の場所でしかなく、帰還するつもりはなさそうですが、
パトリックとの距離を保った関係が穏やかな未来を予感させます。

137分といくぶん長尺ですが、
大事件が起きるわけでもないのにちっともダレることはありません。
しっとり悲しくて、じんわり面白い作品でした。





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