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スプリット

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(原題:Split 2017年/アメリカ 117分)
監督・脚本/M・ナイト・シャマラン 製作/M・ナイト・シャマラン
ジェイソン・ブラム
出演/ジェームズ・マカボイ、アニヤ・テイラー=ジョイ、ベティ・バックリー、ジェシカ・スーラ、ヘイリー・ルー・リチャードソン

概要とあらすじ
「シックス・センス」「ヴィジット」のM・ナイト・シャマランが、ジェームズ・マカボイを主演に迎えてメガホンを取ったサイコスリラー。見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた女子高校生3人組は、監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。男が部屋から立ち去り、必死に脱出方法を思案している最中、ドアの外から男と女が会話する声を耳にした3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった。男には23もの人格があり、9歳の少年やエレガントな女性など、ひとりの体の中で人格が激しく入れ替わっていく。そして、そんな男に24番目の人格が現れ……。マカボイが多重人格の男を演じ、シャマランの前作「ヴィジット」に続き、「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」など人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラムが製作を務める。(映画.comより



エンドロールの後にしたらどうかね。

Twitter上でちょっとしたネタバレ論争になった
M・ナイト・シャマラン監督の『スプリット』
ことの発端は、町山智浩氏
「シャマラン監督の新作『スプリット』を楽しむために
 シャマランの代表作『シックスセンス』『アンブレイカブル』『サイン』を
 観ておくといいです」

というツイートに対して「超絶ネタバレだ!」という
いちゃもんがついたことでした。
おかしな奴がいるもんです。

わりと素直なバカの僕は、言われるとおりに
『アンブレイカブル』と『サイン』を観直してから
本作に挑んだわけですが、ネタバレどころか、
アドバイスに従っておいてよかったと思いました。
ていうか、実際には本作は『アンブレイカブル』と地続きの世界なので
わざわざ3作品挙げているあたり、
むしろ町山氏のツイートは限定的表現を避けているでしょう。
では、「『アンブレイカブル』と地続きの世界」だということを
知っているとネタバレになるかと言えばそんなことはなく、
知らずに観るとエンディングの意味がさっぱりわからないというだけです。

突如誘拐され、監禁された3人の少女。
彼女たちを誘拐したのは23もの人格を持つ男(ジェームズ・マカヴォイ)
彼の人格の中心にいるのはバリーというファッション好きな男ですが、
少女誘拐を実行したデニスは冷酷な潔癖症です。
そのほかにパトリシアという女性や
ヘドヴィグという9歳の男の子の人格などが表面化します。
人格が変わるたびに服を着替えている律儀さよ。
(まあ、そうしてもらわないと混乱するが)
23人全員ではないけれど
ジェームズ・マカボイがとても楽しそうに演じ分けておられます。

どうやら彼には「ビースト」という
超パワフルで邪悪な24番目の人格が生まれようとしているようで、
「ビースト」に捧げるいけにえとして
「痛みを知らない少女」を誘拐したのでした。
陰のある少女ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)
たまたま同じ車に同乗したため巻き込まれたのです。

果たして彼女たちは無事に生き延びることができるのくわっ?
という脱出劇を期待していると肩すかしをくらうでしょう。
彼女たちの監禁はけっこうユルユルで、
ころころと人格が変わるやつは確かに不気味ではあるものの、
暴力を振るわれることもありません。
9歳の男の子の人格になったときを見計らって
3人一緒にせーので襲いかかれば倒せそうな気もするが
そんなことはしないので、
本作は脱出劇をやりたいわけじゃないということなんでしょう。

本作で描こうとしているのは、ジェームズ・マカヴォイが演じる
多重人格者の不可解さ&不気味さであって、
そのメカニズムを解説する役割として
セラピストのフレッチャー(ベティ・バックリー)が登場しますが、
これとて、監禁状態のスリルとサスペンスを味わいたいと思う
僕ような観客にとっては緊張感をそぐ要因になっています。
フレッチャーが登場するシーン自体は楽しめたのですが、
密室の中で行なわれるマカボイと少女たちの駆け引きの中で
次第に正体が明らかになってくるほうが
もっとよかったかなあと思います。
多重人格の大どんでん返しモノ『アイデンティティー』みたいに。

まあ、脱出劇ではないわけですから
脱出を巡る攻防戦はアイデアに乏しいのですが、
突然、ライフルという強力な武器が登場。
至近距離から撃たれても軽傷の「ビースト」が
(人格が変わると、筋力や持病まで変わるのじゃ)
ついにケイシーに襲いかかろうとすると
ケイシーの肌にはいくつもの傷があるのを見つけ、
お前は痛みを知ってるじゃないか……行ってよし!
ということで、ケイシーは命拾いするのでした。
このシーンのためにケイシーの回想が用意され、
叔父による虐待の過去が示されていたわけですが、
それにしちゃあ、ちと冗長。
ていうか、ケイシーを発見する動物園職員よ。
急に出てきたな、おい。いままでなにしてた。
まあいい。そして……。

「ビースト」が立ち去り、
犯人が行方不明のまま、
一応の解決を迎えた少女誘拐事件を報じるダイナーのテレビ。
多重人格の犯人のことを「群れ」と称するニュースに対して
「なんか15年前にも、へんな名前の凶悪犯いたよねぇ。誰だっけ?」
という女性客に向けて、
「ミスター・グラスだよ」とつぶやく男が。
それはなんと、ブルース・ウィリス。
『アンブレイカブル』の主人公、ダンだったのでした。

というわけで、『アンブレイカブル』を観ていないと
ラストシーンがなんのこっちゃさっぱりになるわけで、
だからこそ町山智浩氏は観といたほうがいいよと言っていたわけです。
これがネタバレ?
あんなこと聞いちゃったから、最後にブルース・ウィリスが出てくるの、
わかっちゃったじゃんよ〜って? わかるかそんなもん。
おかしな奴がいるもんです。

『アンブレイカブル』つながりだと、
すでに「ビースト」になっているマカヴォイが花束を買い、
地下鉄のホームに供えるシーン
がありましたが、
あれは『アンブレイカブル』の最初のシーンで
ブルース・ウィリスが唯一の生存者となる列車脱線事故の
犠牲者の1人がマカヴォイの父親だったから、というわけ。
(『アンブレイカブル』を観ててもすぐに気づかなかったが)

そしてそして、エンドロールのあと、
黒に白抜きの文字が現れ、
シャマラン監督の次回作は
『アンブレイカブル』と本作の物語を完結させる
『GLASS』という作品になるという告知が……。

この表現の仕方は色気がなさ過ぎると思いますが、
本作が3部作の第2作で続編があることそのものに対しては
さほど抵抗感を感じませんでした。
続編への含みを持たせて終わる映画は山ほどあります。
また、このラストシーンを本作の「オチ」(結末?)だというのには
首をかしげてしまいます。
このラストシーンは、どう考えても「オマケ」、
もしくは次回作への布石
に当たるシーンで
本作の物語は、一応本作内で完結していると思います。
(まあ、ふわっとしていて盛り上がりに欠けるのは認めるが)
しかし、この「オマケ」を本編とつなげているため、
虚を突かれる観客がいるのも致し方ないことでしょう。

そこで提案だがね。シャマランよ。
ブルース・ウィリスが登場するラストシーンを
エンドロールの後にしたらどうかね。

『キングコング: 髑髏島の巨神』でもやってたろう。
それならそんなに文句も来ないはずだよ。





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