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ミッドナイト・スペシャル

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(原題:Midnight Special 2016年/アメリカ 111分)
監督・脚本/ジェフ・ニコルズ 製作/サラ・グリーン、ブライアン・カバナー=ジョーンズ 撮影/アダム・ストーン 美術/チャド・キース 編集/ジュリー・モンロー 音楽/デビッド・ウィンゴ
出演/マイケル・シャノン、ジョエル・エドガートン、キルステン・ダンスト、アダム・ドライバー、サム・シェパード、ジェイデン・リーバハー

概要とあらすじ
「ラビング 愛という名前のふたり」「MUD マッド」のジェフ・ニコルズが監督・脚本を手がけ、不思議な力を持つ少年とその父親が繰り広げる逃避行を描いたSFスリラー。特殊能力に目覚め、カルト教団や政府から追われる身となった少年アルトン。父ロイは親友ルーカスやアルトンの母サラと協力して追手から逃れながら、アルトンをある目的地へ連れて行くため奔走する。ニコルズ監督作の常連俳優であるマイケル・シャノンが父親役を務め、共演にも「ブラック・スキャンダル」のジョエル・エドガートン、「スパイダーマン」シリーズのキルステン・ダンスト、「スターウォーズ フォースの覚醒」のアダム・ドライバーら豪華キャストが揃う。(映画.comより



親離れと子離れの物語

『ミッドナイト・スペシャル』を観れば
ジェフ・ニコルズ監督
『テイク・シェルター』『MUD マッド』などの
ちょっとエキセントリックな設定を利用して描き続けているのは
さまざまな家族愛の有り様なのだということに
確信が持てます。

なにやら人智を超越した能力を持つ息子、
アルトン(ジェイデン・リーバハー)を連れて
逃亡している父ロイ(マイケル・シャノン)
ロイの幼馴染みのルーカス(ジョエル・エドガートン)
テレビのニュースは、
ロイが少年誘拐犯として指名手配されていることを伝えていますが、
それが誤報であることはすぐにわかります。
ロイは「牧場」と呼ばれる新興宗教に属していましたが、
アルトンの特異な能力を神のお告げだと重宝した「牧場」の教祖は
ロイからアルトンを奪い、養子としていたのでした。
しかし、ロイはアルトンを奪い返し、
我が息子が本当の意志に従って生きるようサポートし、
息子が示す目的地へと向かうことを選択したのでした。

光を嫌うアルトンがどのような能力を持っているのか
なかなか具体的には語られず、
「牧場」という宗教団体の教義も明らかにはされていません。
アルトンが国家機密の情報を知り得ていたことでFBIまで乗りだし、
とにかく得体の定かではない逃避行が繰り広げられます。
中盤から登場するアルトンの母親サラ(キルステン・ダンスト)
ひとりで離れた場所にいる理由は劇中では語られませんが、
Bru-rayの監督インタビューによると、
かつてはサラもロイとともに「牧場」の一員でしたが、
ドラッグに溺れたために追放されたとのこと。

ロイを演じるマイケル・シャノンは
まあ、いつものマイケル・シャノンなので改めていうことはありませんが
(↑この言い方はどうかと思うが)
とにかくジョエル・エドガートンの演技というか、
佇まいが素晴らしいのです。

家族の物語である本作の中で、
微妙に蚊帳の外にいるルーカスの立ち位置を
余すところなく表現し、かつ魅力的なのです。

また、ジェイデン・リーバハーが演じたアルトンの
キャラクターも素晴らしく、
「大人を諭す子供」が登場する映画に外れはありません。
大人という奴は、知識と経験を積み重ねてはいるものの、
子供よりも人間として成熟しているかどうかは別の問題で、
子供が直感によって放つ心を突く言葉が
大人をうろたえさせるのはよくあることでしょう。

アルトンの不思議な能力は
目から光線を出すことによって表現されます。
この古式ゆかしきSF的エイリアン感がじつにいいのです。
本作のSF的設定があくまでメタフォリカルなものだとすれば、
目から光線が出るという記号的表現こそが最適なのです。

やがて、光を避け、衰弱の度を深めていたアルトンは
イニシエーションとしての朝日を自ら浴びて生気を取り戻します。
すでに大人への階段を上り始めているアルトンは
「心配ないよ」といいますが、それに対して父親のロイは
「心配したいんだ。親だから」と返します。
まったくもってこれは、
未来永劫変わることのない子供に対する親の気持ちを代弁していて、
本作が親離れと子離れの物語であることを示しています。

アルトンと同種の能力を持つものたちが暮らしているとおぼしき、
未来都市のデザインは曲線を多用したレトロSF的イメージで
目から出る光線と同じ記号的表現と言えばそうかもしれないが、
こちらはどうも、陳腐に感じてしまいました。

『テイク・シェルター』と姉妹編のような
編集のキレが素晴らしい作品でした。





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