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少女は悪魔を待ちわびて

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(原題:Missing You 2016年/韓国 108分)
監督・脚本/モ・ホンジン
出演/シム・ウンギョン、キム・ソンオ、ユン・ジェムン

概要とあらすじ
父を殺した殺人鬼への復讐を15年間待ち続けた少女の戦いを描いた韓国製クライムサスペンス。連続殺人犯ギボムは7人を殺害した容疑で逮捕されたにも関わらず、証拠不十分のためたった15年の刑で釈放されることに。当時刑事だった父親をギボムに殺された少女ヒジュは天涯孤独の身となり、父親の同僚たちに育てられる。警察は出所したギボムを監視しはじめるが、その一方でヒジュもギボムに復讐する機会を狙っていた。しかし意外な真実が明らかになり、事態は思わぬ方向へと転がっていく。「怪しい彼女」のシム・ウンギョンが、復讐に燃えるヒロイン役を熱演。連続殺人犯ギボム役に「アジョシ」のキム・ソンオ。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品。(映画.comより



それなりのワケが…

2017年の3月は
『お嬢さん』『哭声』『アシュラ』という
重量級に面白い韓国映画が立て続けに公開されまして、
その中で「未体験ゾーンの映画たち2017」という
幾分ワゴンセールのようなかたちで公開された
『少女は悪魔を待ちわびて』にも
それなりの期待を抱いていたわけですが
まあ、ワゴンセールにはそれなりのワケがあったのね。

7人の殺害容疑で逮捕・起訴されるも
1件を除いて証拠不十分となり、
15年の実刑判決が出たギボム(キム・ソンオ)
被害者の遺族たちは皆納得がいかないのですが、
判決が覆ることはありません。

そして15年の月日が経ち、
殺された刑事の娘ヒジュ(シム・ウンギョン)は成長し、
警察でアルバイトをしておりました。
とにかく、ヒジュは
警察から給料をもらっているので雇われているには違いないが、
このアルバイトというやつが、床掃除をしていたかと思ったら、
刑事たちがいるデスクで居眠りしていたり、
どういうアルバイトなのかよくわからず、
刑事たちにわけのわからない手編みのリボンを配って執拗にこびを売り、
また、刑事たちもヒジュをマスコットのように扱っています。
まあ、父親を殺されたヒジュが
復讐のために淡々と機会を狙っているのは容易にわかりますが、
この意味のわからない警察とのズブズブな関係が
彼女の復讐になにか役立つかというと
何の役にも立ちません。

どうやらヒジュは絵を描くのが得意らしいのですが、
刑事たちの似顔絵は幼い子供が描いたようなクレヨン画で
もしかしたら無垢でアホな子供を装っているのかもしれないけれど、
まあ、意味はわかりません。

とにかく、情緒的で軽薄な劇判が鳴り続け、
早い段階で本作を観たことを後悔し始めます。
韓国映画によくあることではありますが、
警察は物語を引き延ばすための無能さを存分に発揮します。
ヒジュの父親のかつての同僚刑事(ユン・ジェムン)
執念深くギボムを付け狙っていましたが、
出所したばかりのギボムが宿泊している、
外観と比べて内装がやたらにこじゃれているモーテルでは、
突如、横分けの男が登場し、
立ちションしていたやつをサクッと殺します。

そこには、警備員に扮したヒジュの姿も。
ヒジュはなんでここにいるのでしょうか。

横分けの男はギボムと幼馴染みの悪友で
ふたりは共同で殺人を繰り返していたのでした。
(河原のシーンで袋詰めされていたのは犬だったが……)
なおかつ、ひとりの女性を巡って競い合っていたようす。
唯一、ギボムが有罪判決を受けたのは
その女性を殺した一件で
その密告者は横分けの男だったのでした。
なんとなーく、恋愛のもつれから破綻した友情のようなものが
感じられなくはないけれど、
そもそも、なぜにこのふたりが共謀し、
せっせと殺人を犯していたのかはさっぱりわかりません。

本作、最初から最後まで
なんとなーく情緒的なのです。

幼い頃から15年間、
ギボムに罪を償わせることを考え続けていた(はずの)ヒジュ。
壁はニーチェの言葉とかを記したポストイットで埋め尽くされ、
床には犠牲者の写真を敷き詰めているヒジュは
どう考えてもお前がサイコパスだろという感じですが、
そのわりには行動が行き当たりばったりで
入念に計画されたようにはみえません。
なぜか、すぐ近所にじつの母親が住んでいたり、
その母親を苦しめるDV男を殴り殺すのは単純に私怨であって、
なんとなく犯行を偽装してみたところで
ギボムに対する復讐には結びつきません。
ところで、ヒジュがバイオリンのコンサートをネットで観て
わぁとか、チケット予約したぁとか、
なんなん?

他にも言いたいことは山ほどありますが
めんどくさいので適当にして、
あれやこれやとあったあと、
ギボムと対決したヒジュは、ブランコを利用して自ら首を吊り、
自分の死をギボムの犯行とすることで
復讐を果たした
ようです。
これとて、ギボムの犯行とするにはかなり無理があると
いわざるを得ませんが、
とにかくギボムは終身刑をくらったのです。

しかーし、本来ヒジュが望んでいたのは
無罪判決された殺人事件を
ギボムの犯行だと証明することではなかったのか。
いろいろと手段を尽くし、
出所後のギボムを殺人犯に仕立て上げたかもしれないが、
かつて無罪とされた6件の殺人事件に関しては
依然として明らかにされたわけではありません。
父親を殺した犯人に復讐したいなら殺せばいいだけだし、
なんなん?

ミステリーとどろどろの情念を掛け合わせた
韓国らしいサスペンスをやろうとして
なにひとつ上手くいっていない作品でした。





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