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モンスターズ 新種襲来

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(原題:Monsters: Dark Continent 2014年/イギリス 119分)
監督/トム・グリーン 製作/アラン・ニブロ、ジェームズ・リチャードソン、ロリー・エイトキン、ベン・ピュー 脚本/ジェイ・バス、トム・グリーン 撮影/クリストファー・ロス 編集/リチャード・グラハム 音楽/ニール・ダビッジ 音楽監修/ロル・ハモンド
出演/ジョニー・ハリス、サム・キーリー、カイル・ソラー、パーカー・ソーヤ、ソフィア・ブテラ、ジョー・デンプシー、ニコラス・ピノック

概要とあらすじ
ハリウッド版「GODZILLA」のギャレス・エドワーズ監督が、注目を集めるきっかけとなった長編デビュー作「モンスターズ 地球外生命体」の続編。エドワーズ監督は製作総指揮にまわり、これまでテレビシリーズや短編映画を手がけてきたトム・グリーン監督がメガホンをとった。地球外生命体を乗せた宇宙探査機が地球に到達して16年。いまやモンスターがうごめく危険地帯は地球全土に広がっていた。中東では、モンスターに対する米軍の空爆で被害を受けた武装勢力と米軍との間に起こった軍事衝突が激化。モンスターをよそに人間同士の戦争が続いていた。そんな中、新たに派兵された若き米兵たちは、危険地帯の深部で連絡を絶った部隊の救出に向かうが、そこでかつてない巨大モンスターに遭遇する。(映画.comより



現実にも虚構にも不誠実

ギャレス・エドワーズ監督
『モンスターズ 地球外生命体』の続編だという
『モンスターズ 新種襲来』

まあ確かに、メタな存在としてのモンスターの扱いは
前作を踏襲しているのかもしれません。
しかし、本作のモンスターは
メタを通り越して空気のような存在
です。
なんなんでしょうか、これは。

明らかにシリアかイラクかの中東を想定した舞台に
派遣されたアメリカ兵たちの葛藤や過酷な日常は
『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティー』などと
同じ雰囲気を持つものですが、
そこにまったくなんの効果ももたらさない
モンスターという存在が遠巻きにのろのろと動いているのです。
本作におけるモンスターを
得体の知れない恐怖、具体的にはISのメタファとして受け取ることも
もしかすると可能かもしれませんが、
モンスター以上に直接的な敵である武装集団も登場するので、
ますますもってモンスターがなんのために必要なのか
さっぱりわかりません。

いや、それどころか本作のモンスターは
駆逐するべき敵というよりも、
むしろ愛すべき自然物
のように描かれます。
モンスターが小さいうちは可愛いけれど、
成長すると凶暴だということが描かれるわけでもなく、
逆に、神のような超越者として存在しているわけでもなく、
本作の物語にとってなんの役目も果たしていません。
それどころか、戦場における兵士たちの
痛ましい実情を強調するあまり、
モンスターの存在はノイズにさえなっています。

経済的に崩壊したデトロイト出身の貧乏な若者が
就職する当てもないから軍隊に入隊し、
「RPG」のようにちゃらちゃら任務していると
次から次へと同僚が戦死し、
やっとのことで現実と向き合い始め、
子供っぽい正義漢によって、最後は上官を撃ってしまいます。
それまでの、現地人との温かい交流や
子供をダシに使ったハートフルな演出は
それ自体が鼻につく代物であるうえ、
なんの意味も持たないモンスターを登場させることで
本来の兵士たちの苦悩や葛藤をカリカチュアライズしていて、
軽薄なエンターテイメントに貶めてしまっているように
感じます。

現代社会の問題を提起するなら
もっと真摯に現実と向き合うべきだと思うし、
モンスターを登場させて、暗喩としてなにかを投影させるなら、
さらなる抽象的発想が必要となるでしょう。
どっちつかず、というか、そのどちらにも軽薄な本作は
現実に対しても虚構に対しても
不誠実な作品だといわざるを得ません。





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