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ホワイト・ヘルメット シリア民間防衛隊

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(原題:The White Helmets 2016年/イギリス 40分)
監督/オーランド・ボン・アインシーデル 製作/ジョアンナ・ナタセガラ 製作総指揮/ジェイソン・スピンガーン=コフ、アダム・デル・デオ、リサ・ニシムラ

概要とあらすじ
内戦の続くシリアで人命救助に奔走する民間のボランティア団体で、ノーベル平和賞の候補にもなった「民間防衛隊」=通称「ホワイト・ヘルメット」の活動に密着したドキュメンタリー。2016年、5年間の内戦で瓦礫の山が築かれ、40万人以上の市民が死亡したシリアで、ホワイト・ヘルメットは負傷者の救助活動に従事していた。自らの命を危険にさらしても人々を救う彼らの活動に密着し、その過酷な実状を浮き彫りにする。第89回アカデミー短編ドキュメンタリー賞受賞。監督は、長編ドキュメンタリー「ヴィルンガ」でもアカデミー賞にノミネートされたオーランド・ボン・アインシーデル。(映画.comより



複雑怪奇な美談

作品賞の受賞作を記した紙が入っている封筒を間違えたことが、
今後も語り継がれるであろう第89回アカデミー賞で
短編ドキュメンタリー賞を受賞した
『ホワイト・ヘルメット シリア民間防衛隊』

「ホワイト・ヘルメット」とは、
まったく解決の糸口が見えないシリア内戦の最中に
被害に遭った一般市民の救出や遺体の埋葬を行なう
中立的かつ人道的なボランティア団体
です。
ロシアによる空爆があると、彼らはすぐさま現地に駆けつけ、
生存者を探し出して救出するのです。
本作では、そんな彼らのうち3人の隊員をピックアップし、
実際の救出活動の映像やインタビュー、
訓練のようすを交えながら伝えています。

がれきの中から奇跡的に救い出された生後1週間の赤ん坊が
少し成長して隊員たちにかわいがられる姿には
文句なく心振るわされます。
しかし、40分という短い尺の中で語られることは
非常に表面的な美談に終始していて、
深い感慨をもたらすほどの力を感じられず、
本作が短編ドキュメンタリー賞に選ばれたのは
現アメリカ政権に対するアカデミー会員たちのメッセージが
多分に込められているような気がします。

「アラブの春」が飛び火して民主化運動が巻き起こったシリアは
当初は、40年以上独裁を続けるアサド政権 vs 反政府軍という
文字通りの「内戦」だったものが、
ロシアと欧米がそれぞれの思惑で加わり、
さらにはIS(イスラム国)が介入して、ややこしいことに。

さらにはこの「ホワイト・ヘルメット」も
様々な疑惑が噂され、
その疑惑もねつ造によるプロパガンダだと否定する説もあります。

僕には到底その真偽を証明することはできませんが、
とにかくシリアをとりまく環境は虚実入り乱れ、
どう考えても単純に善悪の判別が下せない
非常に複雑怪奇な状況になっています。

そのような状況を踏まえると、
本作の「ホワイト・ヘルメット」の描かれ方は
いくぶん一面的だと感じてしまいます。
もちろん、一般市民ましてや子供たちが
わけのわからない陣取り合戦の犠牲になっていることは
阻止せねばならない理不尽な現象だし、
そんな被害者たちをひとりでも多く救出しようとする
「ホワイト・ヘルメット」の活動そのものは
称賛されてしかるべきだけれども、
彼らの人道的美しさばかりをすくい取ってみせるのには
若干居心地の悪さを感じました。





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