" />

ボーダレス ぼくの船の国境線

borderless.jpg



(原題:Betone Mars 2014年/イラン 102分)
監督・脚本/アミルホセイン・アスガリ 製作総指揮/モスタファ・ソルタニ 撮影/アシュカン・アシュカニ 美術/シャマーク・カリネジャロ 衣装/シャマーク・カリネジャロ 編集/エスメール・モンセフ 音楽/アミリャール・アルジャマンド
出演/アリレザ・バレディ、ゼイナブ・ナセルポァ、アラシュ・メフラバン、アルサラーン・アリプォリアン

概要とあらすじ
過酷な環境下で、たくましく生活をする子どもたちの姿をリアルに描いたイラン映画。緊張関係にある国境沿いの立入禁止区域内に放置されている朽ち果てた船に、ひとりの少年が寝泊まりしていた。少年は川で採った魚を金に換え、孤独ながらも静かな毎日を送っていた。しかし、ある日、反対側の国境から闖入者がやってきた。闖入者は船に住むことを望むが、少年はそれを拒絶。言葉が通じない2人はいさかいを続けるが、次第に交流を持ち始めていった。そんな中、船にまた別の訪問者がやってくる。監督はイラン国内で50本以上の映画やテレビシリーズで助監督を務め、本作が監督デビュー作となるアミルホセイン・アスガリ。「ゼロ地帯の子どもたち」のタイトルで2014年・第27回東京国際映画祭で上映され、アジアの未来作品賞を受賞。(映画.comより



それはそれは夢のような

イランとイラクの国境をまたぐようにして
川に浮かぶ廃船を舞台にした寓話的物語、
『ボーダレス ぼくの船の国境線』

少年(アリレザ・バレディ)
川を潜って廃船に侵入し、そこを隠れ家のようにしています。
少年はそこで釣った魚や貝殻で作った飾りを売って
生計を立てているようす。
ほとんどのシーンで台詞や劇判がない本作は
緊張感にあふれていますが、
少年の暮らしぶりや表情からは
それなりに楽しく過ごしていることが窺えます。

そこに突然、ペルシャ語を話す闖入者が現れます。
それが少女(ゼイナブ・ナセルポァ)だとわかるには
しばらく時間を要しますが、
少女は廃船の中央に境界線を設け、
少年にこっちに入ってくるなと訴え、銃を突きつけてきますが、
言葉が通じない少年と少女は
十分なコミュニケーションが取れません。
そしてある日、逃げるように廃船にやってきた少女は
生後間もない赤ん坊を抱いていたのでした。

赤ん坊が少女の兄妹なのか、
はたまた彼女の子供なのかはわかりませんが、
少年は粉ミルクを買ってきてやったりと、
なにかと赤ん坊の世話を焼き、
ふたりは徐々に心通わせるようになります。
あたかも若い夫婦のように。

穏やかに成立し始めた少年と少女の暮らしに
またしても新たな闖入者が。
戦争の恐怖に怯えて逃亡してきたと思われるそのアメリカ兵
少年に閉じ込められて以降、どんどん弱音を吐き始め、
祖国に残してきた家族へを想いを語るように。

この3者が置かれている状況は
イラク戦争から現代にまで続く政情を象徴しているのでしょう。
本来敵対していたはずの3人は
あらゆる価値観を超え、
普遍的に愛される対象としての赤ん坊を中継して
シンプルな愛情で結ばれるのでした。

ラストで、
少女とアメリカ兵は何者かによって連れ去られ、
築かれかけていた疑似家族は
無残にも引き裂かれてしまいます。
「ボーダレス」な世界を夢見る本作は
だって、みんな同じ人間じゃん! という
シンプルすぎるとも思える主張に裏付けられていて
それはもう、ごもっともな話なんだけれど、
そうとはわかっていても、あいかわらず紛争が絶えることはなく、
それどころか排外主義は蔓延するばかりなので、
夢のような寓話以上の魅力を
感じることが出来なかったのは
ちょっぴり残念でしたが
映像と語り口が美しい作品です。





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ