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ダークホース リア獣エイブの恋

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(原題:Dark Horse 2011年/アメリカ 84分)
監督・脚本/トッド・ソロンズ 製作/テッド・ホープ、デリック・ツェン 製作総指揮/ニック・クエステッド 撮影/アンドリー・パレーク 編集/ケビン・メスマン
出演/ジョーダン・ゲルバー、セルマ・ブレア、ジャスティン・バーサ、ミア・ファロー、クリストファー・ウォーケン、ドナ・マーフィ、ザカリー・ブース、アーシフ・マンドビ

概要とあらすじ
「ウェルカム・ドールハウス」「ハピネス」などで知られる鬼才トッド・ソロンズが、オタク青年の恋の行方をシニカルに描いたドラマ。父親が経営する会社で働く30代の独身男エイブは、フィギュア収集が趣味のマザコンオタク。そんなエイブが、友人の結婚式で出会った女性ミランダに一目ぼれし、猛烈なアタックを開始。念願かなって付きあうことになるが、ミランダはある重要な秘密を隠していた。不安にかられたエイブは次第に妄想に襲われ、現実との境界線を見失っていく。主人公エイブ役に、TVドラマ「LAW&ORDER」のジョーダン・ゲルバー。ヒロインのミランダ役は「ストーリーテリング」のセルマ・ブレア。(映画.comより



念入りな最低の結末

なんでもかんでも中二病だとして
wwwなんて他人を嘲笑するしか能のないバカが多いですが、
これはもう中二病というより小四病じゃないの? という
トッド・ソロンズ監督の
『ダークホース リア獣エイブの恋』


「こじらせる」なんて表現もありますが、
本作の主人公エイブ(ジョーダン・ゲルバー)
当然、そんな自覚はありません。
父親(クリストファー・ウォーケン)の不動産会社に
コネで仕方なく雇われ、仕事もまったくこなせず、
いつもTシャツ姿で、
オフィスにまで大好きなフィギアを持ち込んでいます。
親に買ってもらったデカい車に乗り、
デブのくせにダイエットコーラばかり飲んでいる……
そんな夜郎自大な典型的クズです。

そんなエイブが友人の結婚式で出会ったのが
ミランダ(セルマ・ブレア)
ミランダは、どこか陰気で焦点が定まらないようすですが
エイブは彼女に一目惚れしたのでしょう。
すぐに電話番号を聞き出して、
次に会ったときには、もう結婚を申し出ます。
女性に対するこういう積極的な態度がとれることからも
エイブの自己評価の高さが窺えます。

ミランダはエイブの結婚の申し出を
なんとな〜く承諾します。
リストカット癖もある彼女はあきらかにメンヘラですが、
ミランダがエイブを受け入れたのは
小説家になる夢や生きる希望のすべてを諦めたから
で、
(もしくは諦めるため)
そのためなら相手はだれでもよかったのです。

優秀な弟リチャード(ジャスティン・バーサ)に嫉妬し、
親には徹底的に甘え、
なんでも人のせいにするエイブですが、
自分の愚かさを内心ではうすうす感づいていて
それが彼の妄想となってあらわれます。
妄想内で重宝されるのは同僚のマリー(ドナ・マーフィ)で、
それは優しく接してくれるマリーを
エイブが見下しているからでもありますが、
エイブに忠告するだけだったマリーは
やがて大金持ちのセクシーな未亡人へと変身。
プライドばかり高いエイブの卑屈さが増幅していきます。

大人になりきれない子供を描いた多くの作品は
大抵の場合、現実に打ちのめされた主人公が
いつしか反省&開眼し、
なんとか自立を果たす(少なくともそのようにみえる)のですが、
エイブが辿る人生にはまったく救いがありません。
とうとう父親から三行半を突きつけられ、
まさに子供のようにワーンと泣きながら飛び出したエイブの車は
即座に事故って大破。
2ヶ月の昏睡状態から目覚めたエイブの両足はなく、
そのうえ、おそらくミランダから移ったと思われる
B型肝炎を患って死んでしまいます。
(なにしろミランダはぴんぴんしているので
 本当に彼女がB型肝炎にかかっているのかどうかわからないが。)
埋葬の後、ミランダが抱いていた赤ちゃんは
おそらく弟リチャードとの間に生まれた子供で、
挙げ句の果てに、エイブの墓石に彫られた命日が
間違っている
というトドメまで用意されています。
いかにエイブの人生が無意味で無価値で
どうでもいいものだったかを念押しします。

ラストカットのオフィスで、呆然と空を見つめるマリー。
なんの説明もありませんが、
黄疸で真っ黄色になったエイブに
強引にキスされた彼女は
B型肝炎感染の不安を抱いているのではないでしょうか。

自分の人生を台無しにしたのはエイブの自業自得ですが、
死んでなお他人に迷惑をかけるエイブ……。
念入りな最低の結末です。
これがトッド・ソロンズ節か。





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