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くすぐり(Tickled)

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(原題/TICKLED 2016年/ニュージーランド 91分)
監督/デヴィッド・ファリアー、ディアン・リーヴ

概要とあらすじ
くすぐりに耐える行為が競技として撮られた動画を、人気エンタメ貴社のデヴィッドが発見する。そこから若い青年を陥れる悪徳事業の存在が明らかになっていく。(Netflixより



こちょこちょ地獄は続く

ジョン・ウォーターズ嘉尚が
2016年のベスト2位に選んだ
というドキュメンタリー、
『くすぐり』がNetflixにあったので観たわけですが、
これがもう、なんともいえない不気味な作品でした。

日夜、面白そうなネタを見つけ出しては取材し、
記事にしているニュージーランドのジャーナリスト、デヴィッド
いつものように面白そうな動画サイトを発見します。
そこには、手足を縛られた若くてマッチョな男性が
やっぱり若くてマッチョな男性数人に
脇の下やら足の裏やらをこちょこちょとくすぐられて
悶絶する姿
があったのでした。

この「くすぐり我慢選手権」なるものに惹かれたデヴィッドは
この競技を主催するJOC(ジェーン・オブライエン・メディア)に
取材の申込みをしたところ、
「当選手権は、健全な異性愛者の男性だけを対象にし、
 同性愛者からの取材は一切受け付けません」

という、取材拒否の返答が来たのです。
デヴィッドはバイ・セクシャルを公言していたそうですが、
それを踏まえての返答なのです。
その後も、デヴィッドのもとには
JOCから誹謗中傷や訴訟をほのめかすメールが次々と送られてきます。
相棒のディアンに対しては、
家族に対する脅迫めいたものまで含まれています。

取材拒否にしては、あまりにも悪質で執拗な返答に
むしろ興味を抱いていたデヴィッドのもとには
JOCからわざわざ3人の代理人が派遣され、
取材から手を引くように促されるのでしたが、
そんな不可解な状況に
むしろジャーナリスト魂の火がつけたデヴィッドは
果敢に取材を続けるのでした。

若くてマッチョな男性が、くすぐられて
うひゃひゃうひゃひゃと笑いながらもだえ苦しむ光景は
くすぐりフェチによるゲイビデオにしかみえません。
まあ、そういう趣味の人がそれを楽しんでいるだけなら、
誰にも咎められる筋合いはありません。
しかーし、渡航費や高級ホテルの宿泊費も負担され、
1,500ドルの報酬を受け取って
くすぐりくすぐられしている男性たちは、
本人たちの許可なくその映像をサイトにアップされ、
「くすぐられて喜ぶホモ野郎」と題されて晒されるのです。

それに抗議しようものなら、
またしても執拗な誹謗中傷攻撃が始まり、
本作のインタビューに応えたかつての参加者は
まともな職にすら就けなくなってしまいました。

JOSの代表者ジェーンとは別に、
かつて別の場所で同じようなことをしていた
テリという女性が浮上しますが、
どうやらテリー=ジェーンで、
二人ともデイヴィッド・ダマートという元教師がなりすましていると
判明するのです。

このダマートという男、
両親の莫大な遺産を相続しているですが、
その財産を利用してくすぐりボーイだちをスカウトしていたのです。
それだけなら、変態金持ちの道楽ですむ話で、
彼がくすぐられて悶絶するする男性を眺めて楽しむのも
個人の自由ではありますが、
ダマートはなぜか許可も取らずにサイトに動画をアップし、
苦情がくると徹底的に追い詰める

ということを繰り返しているのです。
サイトで収益を得ているわけではないので
まったくもって彼の行動は不可解なのです。

あくまで憶測ですが、
ダマートは、くすぐられてもだえる男性を見ることが好きなはず。
しかーし、彼のサディスティックな欲望はそれに留まらず、
くすぐられてもだえる男性をネットに晒して辱め、
さらに罵詈雑言にもだえ苦しむ男性をみて
喜んでいる
のではないでしょうか。
くすぐり、ネット晒し、誹謗中傷に共通するのは
相手の自尊心を傷つけることで、
ダマートは他者を支配することに
快感を得ているのではないでしょうか。


ダマートは、この「くすぐり」を巡る問題では
現在でもまったくの野放し状態のようす。
こちょこちょ地獄はまだ続いているのです。
うひゃひゃうひゃひゃという笑い声と
その裏に潜む闇との対比が
なんとも気色悪いのでした。





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