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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

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(原題:Demolition 2015年/アメリカ 101分)
監督/ジャン=マルク・バレ 製作/リアンヌ・ハルフォン、ラッセル・スミス、モリー・スミス、トレント・ラッキンビル、シドニー・キンメル、ジャン=マルク・バレ 脚本/ブライアン・サイプ 撮影/イブ・ベランジェ 美術/ジョン・ペイノ 衣装/リア・カッツネルソン 編集/ジェイ・M・グレン 音楽監修/スーザン・ジェイコブス
出演/ジェイク・ギレンホール、ナオミ・ワッツ、クリス・クーパー、ジュダ・ルイス

概要とあらすじ
「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・バレ監督が、「ナイトクローラー」「サウスポー」の演技派ジェイク・ギレンホールを主演に迎え、妻の死にすら無感覚になってしまった男が、身の回りのものを破壊することで、ゼロからの再生へと向かっていく姿を描いたドラマ。ウォール街のエリート銀行員として出世コースに乗り、富も地位も手にしたデイヴィスは、高層タワーの上層階で空虚な数字と向き合う日々を送っていた。そんなある日、突然の事故で美しい妻が他界。しかし、一滴の涙も流すことができず、悲しみにすら無感覚に自分に気付いたデイヴィスは、本当に妻のことを愛していたのかもわからなくなってしまう。義父のある言葉をきっかけに、身の回りのあらゆるものを破壊し、自分の心の在り処を探し始めたデイヴィスは、その過程で妻が残していたメモを見つけるが……。(映画.comより



子供じみた破壊願望

怪優ジェイク・ギレンホールが
クソみたいな日常にブチ切れて
次々と破壊活動を行なう爽快感が味わえる……
と思っていた『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』
爽快どころか、かなりのモヤモヤ案件でした。

映画が始まってすぐ、交通事故で妻を亡くしたにもかかわらず、
デイヴィス・ミッチェル(ジェイク・ギレンホール)には
ちっとも悲しみが湧いてきません。
葬儀のあいだ、必死に涙を流そうとトイレで試みますが
やっぱり涙は出てきません。
ていうところで、たしか西川美和監督『永い言い訳』
妻が死んだのに泣けない男の話だったよなぁと思ったのですが、
なんせ観てないもんだから比較できず。無念。

やがてデイヴィスは、家電製品の破壊を始めます。
それはやがて、解体業者への飛び入り参加を経て
豪勢な自宅の解体へと至ります。
「まずは隅々まで分解・点検し、そして組み立て直す」という
修理の原則に則った彼の破壊行動は、
自分の人生を見つめ直し、再構築することのメタファなんですが、
もともとデイヴィスがどのような人間で
どれくらいの鬱屈をため込んでいたのかがあらかじめ描かれないので、
ただのサイコパスにしかみえず、
そうだそうだ! どんどんやっちゃえよ、デイヴィース!!
てな気分になれないのです。
また、会社に出勤することもないデイヴィスが、
ほぼ無収入で破壊行動にいそしむことができるのは
それまでのクソみたいな仕事によって蓄積された
経済力あってこそ
だというのも共感を妨げます。
でっかいブルドーザーをネットでさらっと購入するデイヴィス……。
まあ、内側から壊されるデイヴィスの自宅を外側からとらえたショットだけは
フレッシュでしたが……。

序盤はかなり説明的だと感じましたが、
病院にあった自販機の管理会社に対する抗議文で
デイヴィスがとつとつと自分の心情を語り始めるのが意味不明。

そして、その抗議文を読んだカレン・モレノ(ナオミ・ワッツ)
感心したのか魅了されたのか、
デイヴィスに直接電話をかけてきて、心通わせるという展開も
強引にもほどがあるでしょう。
ていうか、今時、
こんなにも陳腐で使い古された
メリーゴーランドの使い方をみることになるとは、
軽い驚きでした。


邦題の「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」とは、
デイヴィスの死んだ妻が残していたもので
おそらくは浮気相手に対するメッセージだと思われ、
デイヴィスに対する「冷蔵庫を修理して!」というメッセージとは
込められた愛情が違う、ということなんでしょう。
もしかしたら、「雨の日は会えない〜」は
デイヴィスに対するものなのかもしれないけれど、
デイヴィスの妻は浮気相手との間で妊娠&中絶していて、
それをデイヴィスにずっとひたかくしにしていたのですから、
デイヴィスに対して愛のメッセージを伝えようとしていたとしても
どういう心境なのかよくわかりません。
ま、どっちにしろピリッとしないポエムなので
どうでもいいです。

これからメキメキ頭角を現すのかな?と思われる
ジュダ・ルイス扮するクリスに導かれたデイヴィスが見たものは
最大級の破壊行為であるビル爆破。
でも……遠い!! 小さい!!
ここ、すんごいカタルシスがあるべきじゃないのかよ!
なんかすっきりしたようすのデイヴィスが
子供たちと駆けっこを始めて、ジ・エンド。
結局、彼は子供に戻りたいだけ。

どうりで、本作が
子供じみた自己解放願望に覆われているわけです。





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