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グランドピアノ 狙われた黒鍵

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(原題:Grand Piano 2013年/スペイン・アメリカ合作 91分)
監督/エウヘニオ・ミラ 製作/エイドリアン・グエラ、ロドリゴ・コルテス 脚本/デイミアン・チャゼル 撮影/ウナクス・メンディア 美術/ハビエル・アルバリーニョ 衣装/パトリシア・モネ 編集/ホセ・ルイス・ロメウ 音楽/ビクトル・レイェス
出演/イライジャ・ウッド、ジョン・キューザック、ケリー・ビシェ、タムシン・エガートン、アレン・リーチ、ドン・マクマナス、アレックス・ウィンター

概要とあらすじ
コンサートホールでの演奏中に命を狙われたピアニストの危機を描くサスペンス。過去の失敗からステージ恐怖症に陥り、演奏から遠ざかっていたピアニストのトムは、5年ぶりに表舞台へ復帰することになる。演奏会にはベーゼンドルファー社製の名器インペリアルが用意され、トムは恩師パトリックが残した難曲の演奏に挑むが、その譜面には「一音でも間違えたら、お前を殺す」というメッセージが記されていた。やがて会場に潜む謎のスナイパーの銃口が自分をとらえていることを知ったトムは、誰にも助けを求めることもできず、絶体絶命の中で演奏を続けるが……。主人公トムにイライジャ・ウッド、謎のスナイパーにジョン・キューザック。「リミット」「レッド・ライト」のロドリゴ・コルテスが製作を務め、本作が長編3作目の新鋭エウヘニオ・ミラ監督がメガホンをとった。(映画.comより



音楽に対する恨みが半端ないっす

『セッション(2014)』の監督デイミアン・チャゼル
脚本を担当した
『グランドピアノ 狙われた黒鍵』
この際、本作のエウヘニオ・ミラ監督はどうでもいいのです。
『セッション』は興行的な成功を収めましたが、
作中で描かれる音楽に対する考え方が
とくに音楽家方面から非難された作品でもあります。
脚本家になる前の彼自身がジャズドラマーを目指していて
その過酷な修行時代の経験が
監督作『セッション』を生み出したわけですが、
本作も『セッション』同様、
音楽を演奏することに対する恐怖と憎悪で充ち満ちています。
それはもう、恨みといってもいいほどですが、
その後監督したミュージカル映画
『ラ・ラ・ランド』が絶賛されることになるのですから、
彼が音楽を好きなのは間違いないんでしょうね。

どうやら過去に演奏会でミスした天才ピアニストの
トム・セルズニック(イライジャ・ウッド)
恩師パトリックの追悼コンサートで
5年ぶりにピアノを演奏することに。
緊張しまくりのトムですが、
嫁がセレブ女優のエマ(ケリー・ビシェ)ということで
さほど同情する気にはなれません。

さて、演奏会が始まると
譜面にはなにやら赤い文字が書かれていて
「1音でも間違えたら、お前を殺す」とのこと。
言うとおりにしないと嫁を殺す、と。

トムを脅している犯人(ジョン・キューザック)の目的は
徐々にわかるようになっていますが、
結局のところ、
恩師パトリックの莫大な遺産を手にするための鍵が
『ラ・シンケッテ』という超難易度の高い曲の
最後の4小節に隠されている
、と。
でも、その曲を完璧に弾けるのはトムしかいないので、
弾け、というわけなのですが、
『ラ・シンケッテ』という曲はそもそも演奏会の演目になく、
関係ない曲を弾いている間も
がんがん無線で話しかけてきてトムを邪魔するのですが、
すべて犯人の目的と関係ありません。
ていうか、犯人はトムに演奏をミスられると困るわけですから
脅したとしても邪魔しちゃダメなはず
なんです。
事態をつかめないトムは
一応、慌てた表情をみせるものの、
ピアノを弾きながらメールを打つ余裕っぷり。
それを観ているこっちは、
ちっともひやひやドキドキしません。

で、予想通り、
トムは『ラ・シンケッテ』の最後をわざとミスり、
恩師パトリックの遺産を巡る鍵はわかりません。
つーか、あらかじめ正しい演奏を聞かせてくれるわけでもないので
「観客はわからない」という台詞どおり
トムがちゃんと弾いたのか、ミスったのかどうかが
そもそも映画の観客にはわかりようもありません。

慌てた犯人は「最後まで弾けー! ちゃんと弾けー!」というものの、
トムを殺すことはありません。
だって、トムに弾いてもらわないと意味ないんだから。
ちっとも脅しになっていないのです。

ジョン・キューザックが、不満を漏らし始めた仲間に対して
「トムを誘拐してピアノを弾かせるってか? 笑止!」
みたいな、皮肉をいっていましたが、
いやいや、本当にあんたが目的を果たしたいなら
絶対にそのほうがいいと思うよ。

すったもんだののちに、
ラストで半壊したピアノに向かうトム。
わざと間違えたフレーズを改めて正しく弾くのですが、
ちっとも最後の四小節じゃなくて、
最後の一音なのよね。


とにかく、ひどい前振り不足とご都合主義。
サスペンスとして箸にも棒にもかからない出来ですが、
それとは別に、
演奏の上手さや素晴らしさを映画で伝えることの
難しさを再認識しましたとさ。





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