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FOUND ファウンド

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(原題:Found 2012年/アメリカ 103分)
監督・編集/スコット・シャーマー 製作/レヤ・テイラー、デイミアン・ウェスナー 原作/トッド・リグニー 脚本/トッド・リグニー、スコット・シャーマー 撮影/レヤ・テイラー
出演/ギャビン・ブラウン、イーサン・フィルベック、フィリス・ムンロー、ルーイ・ローレス、アレックス・コギン、アンディ・アルフォンス、エディ・ジャクソン、アンジェラ・デントン、シェーン・ビースリー

概要とあらすじ
兄が殺人鬼であることを知った少年がたどる運命を描き、トロント・アフターダーク映画祭最優秀作品賞をはじめ世界各国で映画賞を獲得した青春ホラー。ホラー映画が大好きな11歳の少年マーティ。学校でいじめられている彼にとって一番の楽しみは、家族の秘密を覗き見すること。母親がベッドの下にラブレターを隠していることや、父親がガレージの奥にヌード雑誌を置いていることを、マーティだけが知っていた。そんなある日、マーティは兄のクローゼットに人間の生首が入っているのを発見する。たまに新しくなる生首をこっそり取り出しては眺めるマーティだったが、ある夜、自分の同級生の生首があるのを発見し……。監督はこれが長編デビュー作となるスコット・シャーマー。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品。(映画.comより



このトラウマはいじめどころじゃないぞ

「兄さんは生首を部屋に隠してる」という台詞で始まる
『FOUND ファウンド』
こんなこと言われたら、そりゃあ期待値が上がるというもの。
わずか8000ドルという低予算の本作が高評価なのには
必ずやワケがあるだろうと胸膨らますのも致し方なし。

ホラー映画好きの少年マーティ(ギャビン・ブラウン)
そのオタク性とおとなしい性格から
いかにもジャイアンめいたやつからいじめられています。
そのせいか、家に一人でいることの多いマーティは
家中を探索し、家族が隠している秘密を知っていて、
なかでも、マーティの兄スティーブ(イーサン・フィルベック)
切り取った生首をボーリング・ボール用のバッグに入れて
クローゼットの中に隠していた
のでした。
それでも、特別恐れおののくようすはないマーティ。
これは現実のことなのか、夢見がちな彼がみる妄想なのか
はっきりさせないまま物語が進んでいくのは
好感が持てます。

会話シーンでは愚直に切り返しを繰り返すカメラワークや、
出演者(とくに子役)の演技には稚拙さが目立ちます。
むしろ、劇中劇となる「HEADLESS」というホラー映画のほうが
特殊効果を含めて本編より力が入っているような気がします。

とはいえ、本作はホラー映画のふりをした「いじめモノ」であり、
理不尽な大人社会に対するレジスタンスものであることに
独特さがあります。
終盤でゴアな展開が登場するとはいえ、
僕が思う本作のクライマックスは
マーティをホモだなんだといちゃもんつけてきたクソ能なしに
マーティーが反撃し、殴ってしまうシーンと
その後の大人たちの対応の仕方
です。
あと、前後しますが、
それまで仲の良かった友だちが
いじめの雰囲気に押されて離れていくという子供あるあるも
胸くそ悪い過去を思い起こさせます。

黒人の牧師(?)を含め、マーティーの母親さえも
マーティが暴力を振るったことを激しくとがめます。
では、あのクソ能なしヘタレ小僧が
こそこそとマーティをからかったのは暴力ではないのか。
いじめられる側は黙って耐えていろというのか。
なぜ被害者だけが理性的態度を強いられるのか。
もう、この一連の理不尽描写に
腹が立って腹が立って仕方がありません。
それは本作の(この部分の)演出が成功している証拠です。
母親も父親も、自分たちの世間体ばかりを気にして
マーティの苦しみを理解せず、
マーティに手を上げてしまいます。
いやいや、お前がいま手を上げたのは暴力じゃないのか?
マーティがやり返したのと同じじゃないか。

こんな理不尽で無理解な大人の腐りきった社会は
破壊するするほかありません。
そして、マーティは意を決して……と思ったら
ぶち切れるのは兄のスティーブなのでした。
スティーブが両親に対する鬱屈を溜めに溜め、
「HEADLESS」という映画に感化されて
日夜凶行に及んでいたのかどうかは曖昧です。
スティーブは黒人差別をあからさまにしていたのですが
どうもそれも確固たる理念というわけではなく、
両親殺害に至ってしまいます。
スティーブの両親殺害を直接には見せず、
悲鳴と怒号だけでマーティンに知らしめる
のは
ナイスな演出だと思いましたが、
スティーブの内面をほとんど描写せず、
類型的なサイコパス=わけのわからないキチガイに
落とし込んでしまったのには物足りなさを感じます。

さて、夜が明けて姿を消す血まみれのスティーブ。
ベッドに縛り付けられたマーティが目を覚ますと、
両脇には両親の生首があって、ジ・エンド。
いやいや、スティーブ。
お前は弟のマーティが好きだったんじゃないのかよ。
なんでわざわざこんなことするんだよ。
これじゃあ、マーティが抱えるトラウマは、
いじめどころじゃないぞ。





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