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或る終焉

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(原題:Chronic 2015年/メキシコ・フランス合作 94分)
監督・脚本/マイケル・フランコ 製作マイケル・フランコ、ガブリエル・リプスタイン、モイセス・ソナーナ 製作総指揮/ティム・ロス 撮影/イブ・カペ 美術/マット・ルエム 衣装/ディアス 編集/マイケル・フランコ、フリオ・ペレス4世
出演/ティム・ロス、サラ・サザーランド、ロビン・バートレット、マイケル・クリストファー、デビッド・ダストマルチャン、ビッツィー・トゥロック

概要とあらすじ
「父の秘密」で高い評価を得たメキシコの新鋭マイケル・フランコが「海の上のピアニスト」のティム・ロスを主演に迎え、終末期の患者をケアする看護師の葛藤をサスペンスフルに描いたヒューマンドラマ。死期が迫った患者の看護師として働くデビッド。息子の死をきっかけに元妻や娘と疎遠になった彼は、患者の在宅看護とエクササイズに励むだけの寂しい日々を送っており、患者たちとの親密な関係が心の拠りどころとなっていた。そんなある日、デビッドは末期がん患者のマーサから、安楽死を手伝ってほしいと頼まれる。共演にキーファー・サザーランドの娘サラ・サザーランド。第68回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した。(映画.comより



この終わり方、ずるくないすか?

とてもとても沈鬱な『父の秘密』
マイケル・フランコ監督・脚本による
『或る終焉』
本作もやっぱり重苦しい内容ではありますが
それよりも、観る人によって解釈が分かれるであろう
つかみどころのなさが気になります。

終末期の患者をケアする看護師デビッド(ティム・ロス)
献身的に、かつ敬意を持って患者と接しているのは明らかで、
おそらく優秀な看護師といえるでしょう。
ところが、オープニングで
ある女性の後を車でつけ、
彼女のFacebookの写真を繰り返し観ているデビッド

まるでストーカーのようです。
じつはこの女性は、デビッドの娘であり、
ストーカーまがいの行為がミスリードだったことが
あとになってわかりますが、
このオープニングが伝えているのは
いまは離れて暮らす娘への愛情を募らせる父親像だけでしょうか。

デビッドが患者に誠意を示す動機のひとつには
間違いなく息子の死があるでしょう。
でも、デビッドは
そのような深い悲しみを抱えているだけの男のようにも思えません。

最初の患者サラが死んでしまったとき、
葬儀に出席したものの、
話を聞かせて欲しいという親族の申し出には応えません。
そしてその晩、バーのカウンターにいるデビッドは
隣り合わせた客の質問に、まるでサラが妻であるかのように語ります。
ちょっと、おかしいのです。

デビッドは二人目の患者、建築家の男の家族から
セクハラだと訴えられるという酷い仕打ちを受けますが、
それが事実誤認なのはともかく、
デビッドが建築の写真集を買いあさり、
かつてその建築家が設計した家に身分を偽って訪れ、
写真を撮影してくるのは……
やっぱり、ちょっとおかしい。

デビッドが患者に対して恋愛感情を持っていたとは思えませんが、
この患者のケアは自分にしか出来ないんだというような
自分が担当している患者に対する独占欲
少なからずあったのではないでしょうか。

3人目の患者が便を漏らしてしまっても
とくに嫌がるわけでもなく対処するのに、
ジムの係員がタオルに触れただけで文句をつけるデビッド。
介護人とて聖人ではないともとれるし、
自分が平気なのは患者の汚物だけだという
職業的プロ意識の裏返しのようにも思えます。

で、問題はラストシーンですよ。
ジョギング中だったデビッドが
交差点で自動車に轢かれて、ジ・エンド。

交差点の信号が赤だったことから、
デビッドの不注意かも知れないし、
まあ、自殺ととれなくもありません。

内容の真相や演出の根拠はさておき、
とにかくこの終わり方、ずるくないすか?
確かにびっくりしましたよ。
でもね、このやり方ならどんな物語でも
最後にショックを与えて終わらせることができますよ。
『メイク・アップ 狂気の3P』と同じ終わり方ですよ。
この物語の終わり方に窮した監督が
意味ありげなショック表現に逃げたようにしか思えず、
感心しません。





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