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タンジェリン

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(原題:Tangerine 2015年/アメリカ 88分)
監督・編集/ショーン・ベイカー 製作/ショーン・ベイカー、ダーレン・ディーン、シーチン・ツォウ、カリー・コックス、マーカス・コックス 脚本/ショーン・ベイカー、クリス・バーゴッチ 撮影/ショーン・ベイカー、ラディウム・チャン
出演/キタナ・キキ・ロドリゲス、マイヤ・テイラー、カレン・カラグリアン、ミッキー・オヘイガン、アラ・トゥマニアン、ジェームズ・ランソン

概要とあらすじ
ロサンゼルスの街で暮らすマイノリティの人々の日常を、iPhone5Sにアナモレンズを装着して撮影した映像でリアルに切り取ったコメディドラマ。クリスマスイブのロサンゼルス。トランスジェンダーの娼婦シン・ディは恋人が浮気していることを知って怒り狂い、浮気相手を見つけ出して懲らしめるべく奔走する。シン・ディの親友で歌手志望のアレクサンドラは、カフェでのライブを目前に控えていた。一方、アルメニア移民のタクシー運転手ラズミックは、自らの変態的な欲望を満たそうとしていて……。監督・脚本は「チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密」のショーン・ベイカー。2015年・第28回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門で上映された。(映画.comより



iPhoneを持って街に出よう。

トランスジェンダーの方々が
皆一様に元気で明るい(ように見える)のは
なんでだろうと常々不思議に思っておりました。
様々な差別や偏見を日々浴びながら生きている彼ら(彼女ら)が
心に傷を持たないはずがありません。
だとすれば、彼ら(彼女ら)の闊達さは
ある種の達観からくる振る舞いなんでしょうか。

華々しいハリウッドのすぐそばで貧しくも逞しく生きる
トランスジェンダーたちを描いた
『タンジェリン』
まずは本作が全編iPhone5Sで撮影されていることで
注目されています。
iPhoneで撮影された映画はこれが初めてというわけではなく、
パク・チャヌク監督『ナイト・フィッシング(2011)』とかがあり、
『シン・ゴジラ』でも一部のシーンで使われていました。
iPhone 4で撮影された『ナイト・フィッシング』は
デジタル独特の薄っぺらさを感じましたが、
(内容は面白いです)
iPhone 5sを使用した本作は
あらかじめ知っていないとわからないほど
映像に遜色はありません。
さまざまなオプション機材が必要だとはいえ、
今やiPhoneは7を手にすることが出来るのですから、
アイデアと実行力さえあれば、
お金がなくても映画を撮れることが証明されてしまいました。

ま、iPhoneがあれば映画を撮れるといっても、
本作のような地道なリサーチを基にした脚本や
色彩のコントロール、ポップな編集、音楽の巧みな使い方などは
誰にでも手軽に実現できるわけではありません。
道具はともあれ、結局問われるのは
作り手のセンスと技術力、そして熱意でしょう。

トランスジェンダーのセックス・ワーカーという
二重三重に蔑視されがちな存在の
シンディ(キタナ・キキ・ロドリゲス)
アレクサンドラ(マイヤ・テイラー)のふたり。
なんだかんだと仲がいいこのふたりは俳優ではなく、
これが映画初出演となる実際のトランスジェンダーですが
まったく素人臭さを感じさせない演技です。

クリスマスイブに出所したシンディは
自分が服役中に、
ポン引きで売人の彼氏チェスター(ジェームズ・ランソン)
「ワレメ」のある女と浮気していたことを知り、
激昂してその浮気相手の女を捜し回り、
あちこちで騒動を起こします。
アレクサンドラは、そんなシンディを心配しつつも、
その夜自分が歌うライブの集客で頭がいっぱい。
アレクサンドラはライブハウスからギャラをもらうのではなく、
金を払って歌わせてもらっていたのですが、
日本のライブハウスって、基本的にこんなかんじで
いわばレンタル・スペースなんだよなぁ……。

かたや、アルメニア移民のタクシードライバー、
ラズミック(カレン・カラグリアン)
妻と幼い子供がいるラズミックは
日々、街を流してはいろんな客を乗せる合間に
トランスジェンダーの娼婦を買い、
まあ、息抜きしているのです。
声をかけた娼婦が女性だとわかると追い返すラズミック。
彼はトランスジェンダーが好きなのです。
しかも、自分のアレをナニしてもらいたいのではなく、
自分がトランスジェンダーのアレをナニしながらシコるのが好き……
という、強者なのです。

直情的なシンディが巻き起こすドタバタを観ているうちは
それなりに楽しかったのですが、
日系人の「ママさん」が経営するドーナッツ屋に
登場人物が集結するシーン
で本気でムカついてしまいました。
ムカついた原因は、ラズミックの義母!!
妻子あるラズミックが買春するのは
確かに浮気と言われればそうかもしれないが、
(浮気認定にも個人差があると思うし)
わざわざラズミックを追跡した挙げ句に
勝手に騒いで弾劾するこのクソババア
のやっていることは
誰も幸せにしないどころか、
関わる人間すべてを不幸にするしかない卑劣な正義です。

シンディと、シンディに連れ回される
ダイナ(ミッキー・オヘイガン)
奇妙な友好関係を築くあたりが好きなので、
最後まで彼氏のチェスターが見つからないまま、
終わるほうがよかったかなとは思いました。

さあ、iPhoneを持って街に出よう。





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