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死霊館 エンフィールド事件

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(原題:The Conjuring 2 2016年/アメリカ 134分)
監督/ジェームズ・ワン 製作/ピーター・サフラン、ロブ・コーワン 脚本/チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ、ジェームズ・ワン、デビッド・レスリー・ジョンソン 撮影/ドン・バージェス 美術/ジュリー・バーゴフ 衣装/クリスティン・バーク 編集/カーク・モッリ 音楽/ジョセフ・ビシャラ
出演/ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、フランシス・オコナー、マディソン・ウルフ、フランカ・ポテンテ、ローレン・エスポジート、パトリック・マコーリー、ベンジャミン・ヘイ、マリア・ドイル・ケネディ、サイモン・デラニー、サイモン・マクバーニー

概要とあらすじ
実在の心霊研究家ウォーレン夫妻が追った事件を描き、全米で大ヒットを記録したホラー「死霊館」のシリーズ第2作。1977年、イギリス・ロンドン近郊の街エンフィールドで実際に起こり、史上最長期間続いたポルターガイスト現象として知られる「エンフィールド事件」を題材に、英国の4人の子どもとシングルマザーが体験し、ウォーレン夫妻が目撃した怪奇現象を描く。監督は、前作のほか「インシディアス」などのホラー作品や、「ワイルド・スピード SKY MISSION」を手がけたジェームズ・ワン。ベラ・ファーミガ&パトリック・ウィルソンが、前作に続きウォーレン夫妻を演じた。(映画.comより



「たったひとりの味方が奇跡を起こす」

『死霊館(2013)』の純然たる続編、
『死霊館 エンフィールド事件』
そのあいだに『アナベル 死霊館の人形(2014)』という、
人形に取り憑いた霊を描く題材にもかかわらず、
なぜか『ローズマリーの赤ちゃん(1968)』へのオマージュを
ふんだんに取り入れたパッとしないスピンオフがありましたが、
それは気にしないことにして、
ジェームズ・ワン監督による本作は
正真正銘の続編であり、アップグレードなのです。

実在の心霊研究家ウォーレン夫妻
イギリスのおけるやはり実際に起きた
「エンフィールド事件」に挑む物語。
スプラッタやゴア映画に慣れ親しんだひとからみれば
恐怖演出に物足りなさを感じるかも知れませんが、
見た目の過激さに頼らない本作は
純然たるオカルトであり、
非常に緻密に構成された家族愛を巡るドラマでもあります。

前日譚のあと、物語がロンドンへ移行すると
縦横無尽に動きまくるカメラワークが
映画を観る喜びを感じさせてくれます。
いわくつきのカウチで寝ていたジャネット(マディソン・ウルフ)
母親に二階の部屋へと連れて行かれるカットから
カメラが居間にパンすると朝になっていて
学校を休んだジャネットがテレビを観ている
という
一連のトリッキーな演出も楽しい。

ステディカムやクレーンを多用したカメラワークは
それ自体に躍動感があると同時に
目に見えない「なにものか」の存在を観客に意識させます。
そして、些細なように見えてとても重要なのが
ジャネットが
悪友から渡されたタバコを手にしているところを教師に見つかり、
ジャネットが隠れてタバコを吸っていたと誤解されるエピソードで、
その後、悪霊に取り憑かれるジャネットと
その家族が苦しむことになる不信感や孤立感のすべてを
見事に象徴しています。
理不尽なマスコミからのバッシングによって
世間への不信感を強め、
活動休止を余儀なくされたウォーレン夫妻が辿った経緯も
「タバコ冤罪シーン」に集約されていて、
導入部の小さなエピソードに
作品全体のテーマを宿らせるその語り口には
感嘆するばかりです。

もうひとつ、本作の重要なテーマは家族愛です。
アメリカ人は家族愛が好きだからね〜なんていう皮肉はさておき、
悪霊に悩まされるホジソン家は父親が不在で、
事件解決にやってきたエド・ウォーレン(パトリック・ウィルソン)
プレスリーの『好きにならずにいられない』
ギターの弾き語りで家族に聞かせるシーンにおける
母親と子供たちのうっとり具合であからさまに表現されています。
その後、水道管を修理したりするエドによって
明らかにある種の頼れる父親像が強調されています。
「たったひとりの味方が奇跡を起こす」という台詞は
ホジソン家にとっても、ウォーレン夫妻にとっても通じる一言で、
なんなら、孤独な悪霊にとっても同様です。

さて、オカルト映画としては
いささかじれったいと感じるほど慎重にことを進め、
ここぞという場面では一気呵成にたたみかけてきます。
おどかし演出が多いですが、素直にびっくりするので
これはもう楽しんでいるとしか言えません。
最終的には、「ヴァラク」という悪魔の名前を呼ぶことで
悪魔は退散してくれたようですが、
ちなみに、まだイギリスに渡る前、
自宅にいたロレイン・ウォーレン(ヴェラ・ファーミガ)
なにかに操られるように聖書のページを破いてしまうシーンで、
本棚に飾られたアルファベットの小物が
「VALAK」と読めるように並んでいたり
して、
こういう仕掛けも楽しみどころ。

ちゃんと怖がって、ちゃんと楽しめる作品ですが
説教臭くならない程度に
疎外された人の心情や家族愛を忍ばせるあたり、
秀逸だなと思いました。





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