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ダーク・ハーフ

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(原題:The Dark Half 1993年/アメリカ 122分)
監督/ジョージ・A・ロメロ 製作/デクラン・ボールドウィン 原作/スティーブン・キング
出演/ティモシー・ハットン、エイミー・マディガン、ジュリー・ハリス、ロバート・ジョイ、マイケル・ルーカー

概要とあらすじ
純文学作家のサド・ボーモントには、もうひとつの顔があった。それは、人気バイオレンス作家のジョージ・スターク。しかしその正体が暴かれた時、サドはジョージ名義での執筆をやめる決意をし、彼を葬ってしまう。やがてサドの周囲で残忍な殺人事件が次々と起こり、彼がその容疑者と目されるが……。ロメロ監督がスティーブン・キングの原作小説を得て作り上げたサイコスリラー。(映画.comより



盆と正月が一緒にきたからといって

スティーブン・キング原作
ジョージ・A・ロメロが監督という、
盆と正月が一緒にきたような『ダーク・ハーフ』

小説を書くのが大好きな少年サッド
今日も今日とて妄想に耽って鉛筆を走らせていると
頭痛がするのです。
母親に連れられ、医者に診てもらうととくに異常はないとのこと。
ほっとした母親からタイプライターを買ってもらったサッドが
夢中になってキーをたたくようになると
かつてないほどの頭痛によってサッドは倒れ込んでしまいます。
このことを振り返ると、すでにこの時点で
もうひとりのサッド=ジョージ・スターク
小説を鉛筆で書かなくなったサッドに怒りを表明しているのですね。

病院に運ばれたサッドに頭を切開してみると、
なんとそこには眼球が。さらには歯も。(虫歯あり)
じつは双子だったサッドの片割れの一部が
サッドの脳内でかろうじて生き続けていたというわけです。

時は経って、すっかり大人になったサッド(ティモシー・ハットン)
編集者の女性と結婚し、生まれた子供は双子。
双子推しがものすごいです。
純文学(という表現が適切かどうか疑問だが)の作家であるサッドは
それなりに評価は高いけれど本が売れないといことで、
バイオレンス溢れる通俗的な小説を
ジョージ・スタークという偽名を使って出版し、これが大ヒット。
そのおかげで裕福な生活を送っていたところ、
サッド=ジョージ・スタークだと見抜いた男が強請りに現れて事態が一変。
事実を公表することにしたサッドは
カメラマンの悪のりも手伝って、
ジョージ・スタークの墓を建てたところ、
次々と謎の殺人事件が巻き起こり、
その現場にはサッドの指紋が残されていたのでした。

まあ、オルターエゴものですね。
外的自己と内的自己の葛藤を描いた作品は
例えば『ファイト・クラブ』などいっぱいありますが、
人間が持つ二面性をそれぞれ独立した人格のように装いながら、
じつはどちらもひとりの人間でした、というのが多いなか、
本作では、別人格が本当に実在しちゃうのです。
ま、その実在の仕方はかなり曖昧にされていますが、
すべてはサッドの独り相撲だったというオチではありません。
サッドとジョージ・スタークは、
どちらもティモシー・ハットンが演じているようですが、
特殊メイクの成果なのか、
そのつもりで観ていても別人に見えます。

タイプライターと鉛筆の対比は
新しい概念とテクノロジーを拒否する
懐古主義的執着に対する揶揄のようにも感じられます。
(サッドがパソコン使うようになったらどうなることやら)
さらに、原作がホラー小説家のキングさんだということを考えれば、
自虐的かつある種の皮肉なのかもしれません。

あえてさらに深読みすると、
サッドとジョージ・スタークが対峙するシーンで
自分では小説を書けないというジョージ・スタークが
どんどん腐り始める
さまは
自分が本当にやりたいことを作品にすることと、
それを世間に認めてもらうこととの相容れない断絶を感じます。

もうちょっとうまく付き合えれば、
サッドとジョージ・スタークのふたりは
いいコンビになれたのではないかと思います。
だからこそ、スズメの大群についばまれて死ぬジョージ・スターク
ちょっぴり哀れだし、
ジョージ・スターク亡き後のサッドが本当に幸せになれるのか、
疑問ではあります。

てなことをいいながら、
盆と正月が一緒にきたからといって
喜びが倍になるとは限らないねというような作品でした。





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