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インプリント ぼっけえ、きょうてえ

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(原題:Masters of Horror: Imprint 2005年/アメリカ 63分)
監督/三池崇史 脚本/天願大介 原作/岩井志麻子 プロデューサー/井上文雄、ジェニー・ルー・トゥジェンド、ローレン・ワイスマン 撮影/栗田豊通 美術/佐々木尚 録音/鶴巻仁 音響効果/柴崎憲治 照明/金沢正夫 編集/島村泰司
出演/工藤夕貴、ビリー・ドラゴ、美知枝、根岸季衣

概要とあらすじ
明治の頃、アメリカ人の文筆家が出会った女が不思議な話を語るホラー作品。アメリカで製作された『マスターズ・オブ・ホラー・恐-1グランプリ』のうちの一篇。1999年日本ホラー小説大賞および山本周五郎賞を受賞した岩井志摩子の『ぼっけえ、きょうてえ』を「オーディション」の天願大介が脚本、「着信アリ」の三池崇史が監督を務め映画化。おそらく、日本の明治時代のある地方。アメリカ人文筆家のクリス(ビリー・ドラゴ)は、愛する優しい日本人女性・小桃(美知枝)の行方を求め、日本各地を放浪していた。彼が川の中にある浮島の遊郭を訪れると、小桃の姿を発見することはできなかったが、客引きを全くせず薄暗い部屋の奥で座っている、妖しい雰囲気の女郎(工藤夕貴)を指名した…(映画.comより



これぞ三池印の荒唐無稽

アメリカのTVオムニバスとして製作された
『マスターズ・オブ・ホラー』のなかの一遍、
『インプリント ぼっけえ、きょうてえ』です。
この企画には、トビー・フーパーやダリオ・アルジェント、
ジョー・ダンテにジョン・カーペンターなどなど
錚々たるメンバーが名を連ねており、
日本代表として本作の三池崇史監督が参加しているわけです。

岩井志麻子による原作の台詞は岡山弁で、
そのことが怪しい因習にまみれた汚らわしさや
地方の閉鎖的社会における気味の悪さを醸し出しているのですが、
本作はアメリカのTVシリーズということもあって
前編英語です。
原作における方言が放つ歪さを表現するために
日本語なまりの英語にしているのだとか。

アメリカでは放送中止になったそうで、
とにかく恐ろしくて残酷で、と聞いていたのですが
それほどでも……と感じたのは、
僕がゴア表現に麻痺しているせいかもしれません。

もちろん、最初から怪しい雰囲気は充満しております。
ぷかぷかと死体が浮かぶ川を船に乗る
クリストファー(ビリー・ドラゴ)
かつて見初めた女郎の小桃(美知枝)を探しに
はるばるアメリカからやってきたのでした。
でも、クリストファーに扮するビリー・ドラゴという御仁が
素人目にもわかる大根で
にっちもさっちもいきません。

この遊郭に小桃がいないことを
マメ山田から教えられたクリストファーは
顔の右半分が引きつった女郎(工藤夕貴)とともに
とりあえず一晩過ごすことにするのでした。
そして、工藤夕貴から聞かされる彼女の生い立ちと
小桃にまつわるエピソードが本作の根幹です。

女郎宿の女将(根岸季衣)の指輪がなくなったということで
盗みの嫌疑をかけられた小桃が
「顔はやばいよ、ボディやんな(三原じゅん子)」とばかりに
外見上は目立たない拷問を受けます。
ここが本作の最たる見所で、
脇の下に線香の火を当てる、爪の間に針を押し込む、
歯茎の奥にも針を刺す……

痛さ満点な拷問が続きます。
まあ、確かに目を背けたくなるようなシーンです。
拷問役のばああを岩井志麻子が嬉々として演じております。

小桃を指輪泥棒に仕立て上げたのは
いじめっ子女郎グループかと思いきや、
じつは、小桃と仲の良かった工藤夕貴だというのが
本作の気持ち悪いところ。

工藤夕貴の両親は物乞いで、なんと実の兄妹。
母親は堕胎専門の産婆で、取り上げた胎児を
へその緒がついたまま、川に捨てていて、
自分が工藤夕貴を妊娠したときも川に捨てたのですが
二日後、まだ生きている工藤夕貴を下流で見つけた母親は
その子を育てることにしたのでした。
工藤夕貴は成長するにつれて徐々に女性らしくなっていった挙げ句、
父親にも寺の坊主にも犯され、父を撲殺したあと行き着いた先が
遊郭だった
というわけ。
まったくどうしようもない、地獄巡りのような人生です。

工藤夕貴が、仲の良かった小桃を陥れ、
挙げ句の果てに絞殺してしまう理由は、
小桃のような魂の美しい人間は必ずや天国にいくべきで、
そのためには自分のような最低に汚れた人間に殺められるのが
最良の近道である……
みたいな、
何回転しているのかわからないほどねじ曲がってこんがらがった
良心によるものなのです。
そしてそのような考えは、
工藤夕貴の右側頭部に隠れているシャム双生児の姉
思惑が大きく影響しているのでした。

物語自体は小さいし、ゴアシーンもひとつのエピソードだけなので、
そんなに震え上がることはないじゃないかと思いますが、
血の穢れに始まり、果てはクリーチャーが登場する荒唐無稽な展開が
これぞ三池印であるのは間違いありません。





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