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火の山のマリア

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(原題:Ixcanul 2015年/グアテマラ・フランス合作 93分)
監督・脚本/ハイロ・ブスタマンテ 製作総指揮/イネス・ノフエンテス
出演/マリア・メルセデス・コロイ、マリア・テロン、マヌエル・アントゥン

概要とあらすじ
過酷な境遇に置かれながらも力強く生きるマヤ族の女性の姿を通し、グアテマラが抱える様々な社会問題を浮かび上がらせたヒューマンドラマ。グアテマラ出身のハイロ・ブスタマンテ監督が長編初メガホンをとり、2015年ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞、さらにグアテマラ映画として初めて米アカデミー賞の外国語映画賞にエントリーも果たした。農業を営む貧しい両親のもとに生まれ育った17歳のマヤ族の少女マリア。作物を収穫できなければ借地を追い出されてしまうため、両親は地主のイグナシオにマリアを嫁がせようとしていたが、彼女はコーヒー農園で働く青年ペペに惹かれていた。その頃、農場は蛇の被害に悩まされており、農薬も効かず困り果てていた。やがて、マリアがペペの子どもを身ごもっていることが発覚する。(映画.comより



蛇、種まき、そして火山

なかなかお目にかかれないグアテマラ映画の
『火の山のマリア』です。

コーヒー農園で働く貧しい小作人一家の
マリア(マリア・メルセデス・コロイ)
地主のイグナシオに見初められて
不本意ながら婚約を交わすことになるのです。

婚約したイグナシオにどうも納得がいかないマリアは
農園で働くペペという男に望みを託します。
マリアがペペに対して恋愛感情を抱いていたのかどうかは
微妙なところです。
ちゃらんぽらんで酒飲みのぺぺは
マリアに対して「一回、味見させろ」というようなクズでしたが、
この土地を抜けだしてアメリカに行くという野望を持っていました。
イグナシオとの婚約を反故にし、
この土地から脱出したいと考えているマリアにとって
ペペと肉体関係を結ぶのは
エクソダスのためのひとつの口実ではなかったか。

で、案の定ちゃらんぽらんなペペはひとりでアメリカへ逃亡。
残されたマリアはペペの子供を身ごもってしまいます。
マリアが妊娠したことがバレると農園から追い出される一家は
なんとか秘密裏に流産させようとするわけですが、
マリアのお腹にいる子供の生命力を感じ取ったかーちゃんは
むしろ孫が生まれるのを心待ちにするようなります。
マリア妊娠の事実を知った父親のほうも激昂するわけではなく、
さて、どうしようかなという態度から
まずは子宝優先なのが微笑ましくもすがすがしい。

畑に現れる蛇、種まき、火山など
本作はセックスと生命の息吹を象徴するモチーフに溢れています。
呪術的なことと現代医学的なことがないまぜになった演出は
グアテマラという国が置かれている状況を代弁しているのでしょうか。

蛇に噛まれて病院に運ばれたマリアは九死に一生を得たものの、
お腹の子供は死産してしまったと思いきや、
どうやらイグナシオが生まれた子供を売り飛ばしたようす。
なんとも、やりきれないのでした。

アメリカがユートピアのはずもなく、
グアテマラの生活が地獄でもないでしょう。
人生の価値は相対的とはいえ、
経済的な困窮の度合いが生き方を左右するのも事実なわけで。

ま、とにかく、
自然を照らし出す光がとても美しい作品です。





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