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ドント・ブリーズ

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(原題:Don't Breathe 2016年/アメリカ 88分)
監督/フェデ・アルバレス 製作/サム・ライミ、ロブ・タパート、フェデ・アルバレス 脚本/フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス 撮影/ペドロ・ルケ 美術/ナーマン・マーシャル 衣装/カルロス・ロサリオ 編集/エリック・L・ビーソン、ルイス・フォード 音楽/ロケ・バニョス
出演/ジェーン・レビ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾバット、スティーブン・ラング

概要とあらすじ
サム・ライミ製作、リメイク版「死霊のはらわた」のフェデ・アルバレス監督による、全米でスマッシュヒットを記録したショッキングスリラー。強盗を企てた若者3人が、裕福な盲目の老人の家に押し入ったことから、思いがけない恐怖に陥る様を描く。親元を離れ、街から逃げ出すための資金が必要なロッキーは、恋人のマニーと友人のアレックスとともに、地下に大金を隠し持っていると噂される盲目の老人の家に強盗に入る。しかし、その老人は目が見えないかわりに、どんな音も聴き逃さない超人的な聴覚をもち、さらには想像を絶する異常な本性を隠し持つ人物だった。暗闇に包まれた家の中で追い詰められたロッキーたちは、地下室にたどり着くが、そこで恐るべき光景を目の当たりにする。(映画.comより



王道をきっちり踏まえた楽しいスリラー

以前、『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』という
ワークショップに参加したことがあるのですが
これは、数人で編成されたグループが
本物の視覚障害者のガイドを頼りに
真っ暗闇のセットの中を白杖一本で練り歩くというもので、
普段の自分がいかに視覚のみに頼って行動しているのかを認識できる
非常に貴重な体験でした。
聴覚と触覚を研ぎ澄まさざるを得ないのはもちろんですが、
大事なのは記憶力。
一段高い場所に上がったのをすっかり忘れていた僕は
その場所から出るときに派手に転び、恐怖のあまり絶叫しました。
すかさず、視覚障害者のガイドさんが
速やかに助けに来てくれたのをよく憶えています。

そんなことは、どうでもいいのです。
悪党たちが泥棒に入ったら返り討ちに遭いましたという映画は
『ホーム・アローン』だとか『パニック・ルーム』だとかがありまして、
被害者宅の住人が、か弱ければか弱いほど返り討ちの痛快さは絶大で
それにならってか『ドント・ブリーズ』で強盗に見舞われるじいさんも
盲人なのです。
強盗に見舞われる盲人といえば
『ブラインド・フューリー』とかがありました。
しかーし本作の盲目老人は、
か弱いどころか泥棒たちよりも数倍強靱で残虐な
『座頭市』だったというわけ。
しかも、変態だったのです。

名作『死霊のはらわた』のリメイクという
難問に挑んだフェデ・アルバレス監督
ゴアシーンを増量した挙げ句に
オリジナルが持つまがまがしさを失ってしまうという失敗を犯しましたが、
本作ではゴアを封印し、心理的恐怖を際立たせて
見事なスリラーを作り上げました。
ヒロインのロッキーを演じるのは
『死霊のはらわた』でもヒロインを務めたジェーン・レビ

リーダー格のチンピラ、アレックス(ディラン・ミネット)はさておき、
ロッキーとマニー(ダニエル・ゾバット)には
泥棒を働くやむにやまれぬ事情があることが語られます。
クズ親を持つロッキーは荒みきった生活に絶望しており、
まだ幼い妹を連れてカリフォルニアへと逃亡するのを夢見ています。
そんなロッキーにホの字のマニーは
ロッキーのためならなんでもしてやりたい思いで、
自分も一緒にカリフォルニアへ行きたいと考えています。
近年、よく映画の舞台になるデトロイト
かつての自動車産業が壊滅して荒廃するばかりのようですが、
ロッキーの行き場のなさと逃避願望は
デトロイトという街そのものを象徴しているのかも知れません。
強盗に見舞われる盲目の老人(スティーブン・ラング)
湾岸戦争の復員兵であることには
アメリカの歴史が持つ歪さが託されているのかも知れません。

まあでも、あんまり深く考え込まずに
3人組のチンピラが盲目老人の家に忍び込んでからの
アトラクション的スリルを楽しむほうがいい気がします。
盲目老人はムッキムキで凶暴だけど、
息を殺して音を立てなければ目の前にいても気づかれないという状況が
ず〜っとバレるの?バレないの?という緊張感を持続させ、
観客まで一緒になって息を殺してしまう演出は見事。
細かい伏線の配置も気が利いていましたが、
盲目老人は聴覚と共に嗅覚もするどいんだから、
マニーがロッキーにプレゼントした香水のにおいで気づかれる、
みたいなシーンがあったら楽しかったなとは思います。

地下室から通気口まで、
家の構造をフル活用した展開も秀逸だと思います。
またこれが、どうやっても結局家の中に戻っちゃうんだな〜♡
これで安心……やっぱだめだー!の繰り返しもしつこく、
じじいを倒したら犬、犬を倒したらじじい
スリルの無限わんこそば地獄です。
余計な捨て台詞を吐いてるヒマあったらとっとと逃げろよ!
とイライラするシーンがあるのも定石というもの。

「泥棒に入ったら返り討ちにされたムービー」としては、
本来なら、被害者である盲目老人に感情移入するところですが
そうはなりません。
そもそも3人組のチンピラが盲目老人に目を付けたのは
盲目老人の娘が交通事故で死に、
その示談金として多額の現金を受け取っていたから
でしたが、
最愛の娘を失った盲目老人は示談金などでは気が済まず、
事故の加害者である少女を拉致監禁し、
自分の子供を産ませようとしていた
のでした。
不慮の事故で娘が死んでしまって、悲しい……わかる。
その加害者が無罪放免になって、悔しい……わかる。
だからあの娘を拉致して俺の子供を産ませよう……全然わからん!!

地下室に監禁していた加害者の娘を死なせてしまった盲目老人は
捕らえたロッキーを代役にしようとするのですが
「おれは、レイプはしない」という盲目老人は
あらかじめため込んでおいた自分のザメーン
注射器でロッキーの山脈……じゃなくて、峡谷に
注入しようとするのでした。
それ、むしろレイプより気持ち悪いだろ!!
注射器からタラーッと滴り落ちるザメーンを
わざわざ見せる演出がナイス。

なにやら続編の企画が進行中だとか。
もしかして、サイコパスのニューキャラ、誕生か。
王道演出をきっちり踏まえた楽しいスリラーです。





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