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4匹の蝿

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(原題:QUATTRO MOSCHE DI VELLUTO GRIGIO 1971年/イタリア 101分)
監督/ダリオ・アルジェント 製作/サルヴァトーレ・アルジェント 脚本/ダリオ・アルジェント 撮影/フランコ・ディ・ジャコモ 音楽/エンニオ・モリコーネ
出演/マイケル・ブランドン、ミムジー・ファーマー、ジャン=ピエール・マリエール、バッド・スペンサー

概要とあらすじ
死ぬ直前の被害者の網膜に映った映像をレーザーで検出すると、そこには4匹の蝿が映っていた--という、D・アルジェントの伝説的ビデオ未発売作品。人気ドラマー、ロベルト(M・ブランドン)は、執拗な嫌がらせをする男をはずみで殺してしまったが、その現場を仮面の人物が撮影、脅迫電話が続き不可解な殺人事件が次々と周りで起こり始める……。(allcinemaより



アルジェントの映画美学を愛でようぞ。

権利上の問題で長らく日本では日の目を見なかった
ダリオ・アルジェント監督3作目の『4匹の蝿』。
音楽はエンニオ・モリコーネです。
ホラーの巨匠として呼び声高いダリオ・アルジェントですが
本作はどっちかというとエグい表現があるわけでもなく、
わりとスマートな(?)サスペンスです。

リハーサルばっかりやってるので
プロだかアマだかいまいちわからないミュージシャンの
ロベルト(マイケル・ブランドン)が主人公。
ニーナ(ミムジー・ファーマー)
莫大な遺産を相続していて、
メイド付の裕福な暮らしぶりからみると、
たぶんうだつが上がらないヒモみたいなもんでしょ。
オープニングから、
ドラムを真俯瞰でとらえたり、
フォークギターの内側からのぞいてみたり、
非常に凝ったカメラアングルが多用されています。

何者かに監視されていると感じたロベルトは
それらしき男の後を付けた挙げ句、
格闘の末にその男を刺殺してしまいます。
ところが、謎の仮面をかぶった人物が
刺殺の瞬間をカメラで撮影
しており、
嫌がらせじみた脅迫に
ロベルトは怯えるようになるのでした。
とくに彼を苦しめたのは、
パリピ友だちが話したサウジアラビアの処刑の話。
首のうしろに針を刺したあと、
後ろから首チョンパされるという映像は
ロベルトが想像力豊かに作り上げた映像ですが、
何度も夢に登場しては彼に寝汗をかかせます。

じわじわと迫り来る恐怖が
アルジェントらしさなのかもしれませんが、
本作はコメディの要素も多く、
嫌な緊張感に満ちているというわけではありません。
おどけた郵便配達人オネエの私立探偵が登場したり、
呑気なことにロベルトは親戚の若いおねーちゃんと
浮気したりします。
河原で暮らすホームレスの連中に助けを求めたりしますが、
物語上、なにかの役に立ったかと言えば
そういうわけでもありません。

犯人主観の映像など、
あいかわらず技巧を凝らした演出がありつつ、
親戚のおねーちゃんが殺されます。
(階段落ちする彼女の顔をアップで撮る斬新さ!)
死後数時間は、
直前の記憶が網膜に残っているということで検査してみると、
そこに現れたのは
「4匹の蠅」(のようなもの)だったのです。

とうとう犯人は自分を殺しにやってくると知ったロベルトが
暗い部屋の中で恐怖に怯えていると、
現れたのはニーナ。
あなた、しっかりして! とかいうものの、
ニーナが着けた蠅柄のペンダントをみたロベルトは
おまえが犯人くわっ! と。
ロベルトの直感力もなかなかですが、
蠅のペンダントを着けているニーナのセンスたるや。
(そういう自分も蜂を閉じ込めたキーホルダを愛用してるけど)
彼女が虫好きとかいう前振りなど一切ありませんが、
とにかく、それでニーナはあっさりと正体を認めます。

なにやら男児を望んでいたニーナの父親は
ニーナを虐待したうえ男子として育て、
ニーナが反抗すると精神病院に入れたのでした。
父親に対する復讐心を燃やすニーナでしたが、
復讐を遂げる前に父親は死んでしまいます。
地団駄を踏んでいるところで出会ったのがロベルト。
ニーナ曰く、ロベルトは父親そっくり。
これ幸いとばかりに、ニーナは父親への復讐を
ロベルトへと転嫁した
のでした。

ロベルトにとってみれば迷惑でしかないのですが、
ロベルトと結婚し、偽装殺人でロベルトを欺き、
その光景を自ら仮面をかぶって撮影して、
じわじわと嫌がらせする……というニーナの復讐計画が、
あまりにも回りくどくて目的がぼんやりするのは
いかがなものか。
つーか、まったく父親に対する復讐に
なっていないのだが……。

ラストシーンで、
逃亡するニーナがトラックに盛大なオカマを掘るのを、
モリコーネの音楽に乗せてスローモーションで
みせてくれます。

道に転がるニーナの首。
あのサウジアラビアの処刑は
ニーナのことだったのだー! という、
伏線を回収した感慨はほとんどありません。

ま、いろいろ不具合はあるけれど、
アルジェントの映画美学を愛でようぞ。

↓かっこいい予告編




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