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私の少女

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(原題:A Girl at My Door 2014年/韓国 119分)
監督・脚本/チョン・ジュリ 製作/イ・チャンドン、イ・ジュンドン 撮影/キム・ヒョンソク 美術/ユン・サンユン 衣装/キム・ハギョン 編集/イ・ヨンリム 音楽/チャン・ヨンギュ
出演/ペ・ドゥナ、キム・セロン、ソン・セビョク

概要とあらすじ
「クラウド アトラス」「空気人形」などで国際的に活躍する女優ペ・ドゥナが、2年ぶりに母国・韓国の映画に出演し、「アジョシ」「冬の小鳥」で演技派子役として注目されたキム・セロンと共演を果たした主演作。とある港町の派出所へ左遷された、ソウルのエリート警察官ヨンナムは、母親が蒸発して父親と義理の祖母に虐待されている少女ドヒと出会う。ドヒを救おうと奔走するヨンナムだったが、自身のある過去が明らかにされ、窮地に陥ってしまう。そんなヨンナムを救おうと、ドヒはある決断をする。2014年・第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、日本でも同年の第15回東京フィルメックスのコンペティション部門で上映された(映画祭上映時タイトル「扉の少女」)。監督は本作が長編デビューとなるチョン・ジュリ。(映画.comより



どうにも腑に落ちない倫理観

いまやハリウッドセレブと言っても過言ではなさそうなペ・ドゥナ
『冬の小鳥』キム・セロンという、
韓国二大女優のガチンコ演技対決を期待して観た
『私の少女』
非常に居心地が悪くて腹の立つ作品です。
まあ、ある程度の不快感を抱くのは
チョン・ジュリ監督の思惑通りなのかもしれませんが、
僕が感じた気持ちの悪さは
演出以前のところにあります。

ソウルの警察署から左遷されて
辺鄙な港町にやってきたヨンナム(ペ・ドゥナ)
ま、左遷されたわりには所長のポストを用意されているので
そもそもかなり優秀なのかもしれません。
彼女が左遷された理由はなんと、レズだから。
性的マイノリティに対する韓国の社会的な態度が
いかほどのものなのか知りませんが、
少なくとも現代を舞台にした物語にしては
あまりにもいびつに感じます。
レズだということが職場にばれたとして、
くそみたいな連中から言われなき差別を受けたり、
理不尽な嘲笑を浴びたりすることはあるでしょうが、
レズを理由に左遷されるというのは
ちょっと理解できません。

ヨンナムが赴任した港町には、
いじめられっ子のドヒ(キム・セロン)がいて、
継父と祖母からあきらかな虐待を受けています。
もう、ドヒは日常的のボッコボコに殴られているのです。
完全に児童保護施設案件なのですが、
継父のヨンハ(ソン・セビョク)というチンピラが
この港町で頼りにされていることから
ほかの警察署員も強く出られないという事情があるのは
まあ、大目に見てわかります。

そんな状況を見かねたヨンナムが
夏休みの間、ドヒを預かって
生活を共にするようになる
のですが、
この判断も相当に迂闊だと思われ、
普通ならしかるべき施設に任せるべきでしょう。
まあ、とにかく、
ヨンナムとドヒは徐々に親密になっていくわけです。

やがて、ヨンナムを逆恨みしたヨンハが
あいつはレズだから左遷されて、
この前も元カノとチューしてたから、
うちの娘に性的虐待をしているに違いない、という
ただのチンピラの妄言を理由に
ヨンナムは即刻逮捕されてしまいます。

まったく意味がわかりません。

レズと小児性愛はまったく別物だし、
それ以前にヨンハは娘を虐待し、
不法移民を低賃金で働かせている
完全なる犯罪者であるにもかかわらず、
そのことは不問に付され、
チンピラの妄想とドヒの曖昧な証言によって
ヨンナムは手錠をはめられるのです。

本作においては、
違法なことと世間体が悪いことが同列に語られて、
すべて一緒くたでぐちゃぐちゃで曖昧なので、
登場人物たちが何を基準にして生きているのか
さっぱりわかりません。
おそらく彼らにとって
レズは変態で、変態は犯罪者なのですが、
それが閉ざされた港町の悪しき因習として
強調されるわけでもないし、
ヨンナム本人がこの理不尽に立ち向かうでもなく、
まずいことをしたと思っているようにみえるのが
どうにも我慢なりません。
酒浸りになっているヨンナムの心理に
もしも観客が感情移入するとしたら
レズに対して罪悪感を抱くほかありませんが、
それは明らかに間違っています。

ヨンナムが刑務所に送られるかもしれないと知ったドヒが
継父ヨンハに性的虐待を受けたかのように偽装する
クライマックスが用意されていますが、
そんなややこしい知恵が働くなら、
最初の取り調べの時に
ヨンナムにいやらしいことはされていませんって
はっきり言えばいいじゃねえかよ。クソガキ。
なにしろ、警察の連中は
ドヒの言うことはなんでも鵜呑みにするんだから。

とにかく、
頭の悪いやつしか出てこない本作全体に漂う
曖昧な倫理観がどうにも腑に落ちませんでした。





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